【自己顕示録】


2001年8月 別添


8/4

/tim burton[the planet of the apes 猿の惑星]/

*ストーリー*

(原作とはまったく異なるストーリーのはずだが、私は原作をうろ覚えなので確認できない。オチが違うことだけは分かる。)

細かい筋に疑問はたくさんあるが、大筋はよいと思う。特に、数度に渡るドンデン返しは十分楽しめる。

オープニング

スタッフロール:宇宙をバックに、スタッフロールの文字が現れては消える。たんに文字がでるのではなくて、《文字の一端が伸び、別の部分が縮む》という効果を伴っている。ウニョウニョ感が非常にカッコイイ。

スタッフ紹介が終わると、いきなりチンパンジーが現れる。コックピットの中で宇宙船を操作している。そうこうするうちに、宇宙の状態が悪くなり、機体が傾く。必死にボタンやレバ−を操作するが、やむなく宇宙船は墜落する…

ここで映像が切り替わる。いままでのはトレーニングのイメージ空間だったようだ。人間(主人公:レオ)が現れ、いまの航法に関する注意を伝える。レオが乗っている宇宙船では、複数の猿を用いて実験をしている。

磁場嵐

突然、船内が数秒停電する。レオが確認のためにメインルームにいくと、どうも磁場嵐に遭遇したようだ。船長が「実験のためにαポッドで猿を」と要求する。レオは断るが、押し切られる。

αポッドは、はじめは順調に移動しているが、嵐の内部に入ると軌道がおかしくなる。母船からもトレースできなくなり、ついには視界から消えてしまう。船長は全艦待機を命ずるが、レオは無断で刄|ッドによって発進する。が、自らも時期嵐に逆らえず、結局2重の遭難となってしまう。

(ここで、計器の日付モニターが強調してスクリーンに映し出される。よく見えなかったのだが、あとのストーリーから考えれば、時間軸が移動したことを示していたのだろう。)

猿の惑星

レオの乗った刄|ッドは、見知らぬ星の森の泉に墜落する。なんとか抜け出したレオは、休むまもなく突然人間の一行と出くわす。いわいる原始人のような服装だが、風貌はあきらかに(地球の)現代人。みな、なにかから逃げている模様。

−−たずねる間は無かったが、すぐ体験できた。後ろから、ウマに乗って武装した猿の軍隊がやってきて、人間を狩ろうとしている。巻き込まれるようにして、レオも逃げ出す。しかし、抵抗空しく捕まってしまう。一向は檻の馬車に詰め込まれ、町に運ばれる。

(ここで、「酸素はあるの?」と疑問に思うが…)

軍隊の指揮者は、レオの風貌が他の人間と違うことに気が付いたようだ。−−(ここで初めて言葉が発せられる)−−「この人間に注意しろ」と言いつける。

(ここで、「なぜ英語が通じるのか」と疑問に思うが…でも、こういう細かい疑問は原作を引き継いだものだし、映画の本質とか無関係だ。)

猿の町

先ほどのできごとは、奴隷狩りの模様だったようだ。馬車は、町の中の奴隷商のもとに運ばれる。

その途中で、町の模様が描画される。市場でモノを売り買いしており、道端では子供がバスケをしている。−−まさに地球日常のパロディー。レオは目を疑いながら見ている。

その奴隷商のもとに、アリという女性猿がやってくる。議会長老の娘にして、人間愛護派(いってみれば動物愛護派か奴隷解放運動家だ)。奴隷商に抗議しつつ、一騒動のあと、レオと美女Aを買い取る。

さらにいくつかの騒動のあと、レオは奴隷一行を助け出し、アリとともに町を抜け出すことになる。目指す先は、猿の聖地カリマ。

セード将軍

セード将軍は、現在の軍隊のドン。アリに思いを寄せている−−というか、アリと婚姻を結ぶことで、議会に対しても影響力を持とうとしている。

セード将軍は、奴隷商の部下に引き連れられ、レオが落ちた池に行く。その墜落が巻きおこした破壊の大きさに脅威を感じる。−−口を封じるため、案内した部下猿2匹を殴打暴行して殺す。

(この暴力シーンの唐突さと、素手のパワフルさ、素敵です。)

通信機

レオ「お前たちの文化がひっくり返るものを見せてやる」

アリの道案内のもと、彼が落ちた池に進む。どうも猿は水を苦手なようで、アリは嫌がっている。

(一連の言動を見ていると、レオは「これらは、地球と同じ生命としての人間と猿で、猿が不当に人間を支配している」と信じているように思われる。宇宙時代の人間にしては、異惑星生命文化に関する理解が低くないか?)

レオは池に潜り、刄|ッドから緊急パックを取り出す。レイガンと通信ツールが入っている。通信ツールは生きていて、母船と連絡できた。−−じきに迎えが来るはずだ! レオは安堵する。

レオはレイガンの威力を見せ付けつつ、自分たちの文化をアリらに説明する。あまりの破壊力の差に、アリの腹心の軍将が説得してレイガンを破壊してしまう。

レオは、通信機が挿す先のクロスポイントが、いまいる星だと気づく。アリらに、その方角と距離を伝え、道案内を頼む。

−−その場所には、猿の聖地カリマがある。すべての猿が作られたとされる聖地。

伝説

セード将軍の父は、病床にある。有事を察した父は、セードに口頭継承を施す。−−かつて猿は人間に支配されていたこと。伝説の猿神セモスは実在し、自分たちはその直系であること。人間の文化による破壊力は猿の非ではないこと。

父が「証拠だ」といって、セードに祭壇を壊させる。その中には、錆び付いた銃があった。

川越え

(シーンとして、川越えをはさみます。でも、アクションを見せるためのものであって、ストーリーに意味はありません。)

猿の聖地カリマ

聖地は、砂漠の中にある錆び付いた建造物だった。一見すると、凱旋門のような装飾品にも見える。 −−アリが伝承をレオに説明する。猿神セレスの話と、その復活の伝説を。

レオの通信機は、まさにこの聖地に母船があると指し示す。そして悟る。−−「この聖地こそが、僕が乗っていた宇宙船だ」。だが、伝承によると数千年前のものだという。

奥に進むと、機械の大半は死んでいるが、ドアの開閉器の一部や、メインのデータベースは生きていた。その航海記録によると、母船も同じくこの星に着陸し、猿を実験体としながら移殖計画を練った。だが、高度に発達した猿が、あるとき反乱を起こし、人間から主導権を奪い取る。

(いちおう、「だから」英語が通じるのだろう。だがしかし、なぜまた全滅? なぜまた移殖?)

事実を知ったレオは愕然とする。自分は時間転移をしてしまったらしいばかりか、当然迎えはこない。

集結

聖地カリマに、人間と猿が集結する。人間は、反乱を起こした奇跡の人間を指導者とあがめて。猿は、人間たちを殲滅するために。

(猿のアクションが見もの。セード将軍は、ことあるごとに高くジャンプする。特に、ジャンプしてウマに飛び乗る様は素敵。また、猿の軍隊が規則正しく重苦しく行進するさまも萌える。)

アリは、セードのもとに身を投げ出す。しかし、焼きゴテで奴隷の烙印を押され、追い返される。

−−逃れようと思ったのか、人間を助けようと思ったのか、真意はいまいちわからない。

レオは、いったんは落胆してあきらめかけたが、母船の燃料庫の残りを確認し、これで猿を吹き飛ばそうと計画する。翌日朝の決戦で実践するのだが、実際には猿の前哨を吹き飛ばす効果しかなかった。しかし、猿の意気を下げるのには成功。人間は、決死をかけた肉弾戦になだれ込む。

(この戦闘シーンは、けっこうな見もの。猿と人の咆哮がすさまじい。とくに、2軍将同士が素手で戦う様は、男らしくて惚れ惚れ。)

降誕

しかし、肉体的な破壊力は、猿のほうが圧倒的に上だった。押される人間。レオも、セード将軍によって殺されかける。

そのとき、唐突に空が割れた。轟音とともに、一筋の光が降りてくる。それはやがて落ち着き、この聖地に降り立とうとしている。−−αポッド。中には、レオが育てていたチンパンジーが。

猿の軍勢は、いっせいにひざまずく。

セモスの復活だ! 伝説は本当だった!

チンパンジーはレオのもとに駆け寄るが、まわりの殺気におびえたのか、母船(廃墟=聖地)に逃げ込む。それを追ってセードも。

レオはαポッドからレイガンを取り出してセードに応戦するが、交戦のあいまに銃を奪われてしまう。セードは賢く、すぐレイガンの扱いを学び取る。−−絶体絶命かと思われたが、旧メインルームの隔離室に閉じ込めることに成功。この保護壁はレイガンでも壊れない。

セードは副将アターに助けを求めるが、アターは応じない。アターは、レオの説明から真の歴史を知り、「お前の一族の偽りの支配に従う理由は無くなった」と言い放つ。−−戦いは終わった。

(いまいち分からない。なぜここでアターはセードを見捨てたのだろう。伝説と真実がズレていたとしても、それはセードの預かり知らぬ次元での話では…?−−あるいは、チンパンジー(セモス)を殺そうとしたから、支配権を疑ったのだろうか。)

別れ

停戦が結ばれた。アターの指導により、猿と人間の分け隔ての無く死体を弔う。平等な世界が築かれる予感。

レオは、チンパンジーをアリに預け、別れを惜しんだのち、αポッドで飛び立つ。磁場嵐に逆行し、もとの時空を目指す。

(ここで、人間の美女Aとのキスシーンがあるが、大変不自然だ。宣伝を見る限り、この美女はヒロインでありロマンスがありそうなのだが、実際には何一つ活躍せず、レオと心を通わせることもなかった。どちらかといえば、アリがヒロインだ。)

(子ネタとしては:商人猿がレオに向かって。「お前のおかげで、人間との商売という新しい道が開けた。礼を言うよ。」と、レオからもらったポシェットを掲げて、「さあ、アスピリンはいらないか?」−−群がる子供たち。−−なんで分かるねん!)

磁場を抜ける。時間が逆行し、現在(?)に戻る。続けてワープ。太陽系圏に接近、地球に着陸。ワシントン管制との交信。−−しかし、制御不十分で、αポッドは管制の指示に従えないまま不時着してしまう。

降りた先は、ホワイトハウス。しかし、そこには猿の顔をしたリンカーン像が。

[偉大なる指導者セードの礎、ここに記す。]

突如現れるパトカー、白バイ、マスコミ。ヘリコプターからの照明。しかし、それらを扱っているのは猿だった。

(このオチを見て、モンティ=パイソン[ホーリーグレイル]を思い出した。

*余談*

1:アリが、どうしてもマイケル=ジャクソンに見える…

2:字幕は戸田奈津子だった。独占企業?






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