erkさんと旅行。出雲/松江も計画したが、気楽さと横須賀まつり(私の実家)の都合で飛騨高山に。
14:30、新宿バスセンターからの高速バスで出発。その直前までネコ写真を撮っていた。我ながら業だと思う。
旅程は、八王子あたりから高速に入り、長野を抜け、どこぞの温泉経由で高山濃飛バスセンターへ。5時間半の道のり。−−待ち時間に西口さくらやでDiMAGE 7iをイジり、その制御の細かさと反応のよさに圧倒される。パンフにある広角28mm撮影のボートの絵にも惚れる。バスに乗っても、それを眺めてニタニタしていた。
17:00ごろ、諏訪湖インターにて休憩。湖が綺麗。生えている樹木が、東京都も愛知とも違う。こんなところで白樺を見るとは思わなかった。
(余談:3枚目の写真の葉、大学で何度も親しんだもののはずだが、どうしても名前が出てこない。高山にもたくさんあった。コナラはもっと小さい。トチか? )
インター内を、若いカップルが犬を連れて散歩している。1m以上ある大きな犬を6匹も連れている。非常に仲がよく、犬を抱きしめたりキスしたり。−−これは車移動途中じゃなかろうから、近所のひとなのだろうか。
15分休憩して移動。だんだんと日が落ちてくる。山間が綺麗なので撮影。−−たくさん撮ったが、サーバーサイド要領の兼ね合いで1つだけ。
(余談:最近夕焼けを見ない。蒼いまま夜を迎える。この日もそうだった。たんに見逃しているだけか? それとも、気候条件の変化か。あるいは、もともと夕焼けはめったにないものだったのだろうか。)
高速を降り、町を抜けて山に入ると、S字カーブの連発となる。揺れて気持ち悪い。さらに、空腹が苦しくなってきた。辛い。すでに外は真っ暗なので気晴らしもできない。無理やり目を閉じて半寝。不思議なもので、起きているときよりも嘔吐感は和らいでいる。
19:55、高山着。ほぼ予定通り。えらいものだ。erkさんは名古屋から電車で20:11着予定。その間、駅近くの食べ物屋を下見。ソバ屋などは閉まっており、総合食堂や居酒屋があるのみ。−−飛騨牛のお店なのに、看板が[うなぎ]なのがあった。なんだこりゃ。
(余談:駅前に、女の子2人連れが2〜3カップルいた。どれも金髪+小麦色顔(ガングロまではいかない)。この2年くらい新宿では見ないタイプだ。渋谷にはいるのかもしれんが。まあ、田舎ほど情報ねじくれるものだからね、うん。)
それにしても、ずいぶん寒い。厚手の上着が必要だっただろか。
erkさんと合流。北上してホテルへ。 私は空腹で倒れそうだが、erkさんはいらないという。 互いの身の振り方を悩んでいたが、 2ブロックほどいったところでメシ付き喫茶店を発見。 ここで収める。
テリヤキチキンステーキ ごはん
紅茶
豚しょうが焼き風の甘めの味付け。美味いが、私は鋭い醤油系が好きだな。
こうして飛騨の1食目を変哲なく終える。
居酒屋の裏で、料理人が世話話をしている。その横に、大きな白猫を発見。こちらでもネコ三昧か。
入り口に大きな犬がいて驚く(セントバーナードだっけか?)。おとなしい。ちと顔がヘチャむくれ。お寺のお勝手口に消えていったので、飼っているようだ。
中央に樹齢1000年越えのイチョウがある。でかい。葉の緑が涼しげでよかった。木の中央に、赤い前掛けをした地蔵が埋め込まれている。
本堂・塔ともに普通のつくり。とくに飾りなどなし。と見ていると、修行僧が5人ほど出てきて、バイクと車で出て行った。お勤めか?
帰りに気が付くが、入り口にはコウヤマキが生えている。高野山って何系だっけ? 好きな割には知識がちっとも足りない>自分
飛騨牛の天むす/いなり寿司
海老天じゃない天むす。国分寺の近く。買って、境内で食す。一般に海老天むすは甘い衣が特徴なのだが、この牛天は塩味のみ。ちと物足りない。
すぐ隣の一刀彫のお店。一位はイチイカシのイチイだそうな。
定番の干支や七福神や龍などは分かるが、足長・手長・あくび ってのはなんだろう?(後述)
手ごろなものなかでは、福良雀が愛しい。寒さに対抗して空気を取り込んでふっくら膨れる雀。店頭近くに置いてあるものが可愛くて、奥のかごに大量にある中から探しても、最初のに比類するものなし。(他店でもなかったので、最終日にココに寄って、入り口のソレを購入した。)
小さなスコーン、ナッツ入りブラウニー、クッキーのセット
紅茶
市内バスで美術館へ移動。途中で腹が減って気持ち悪くなり、着くなりに喫茶店に駆け込む。糖分と温茶を補給したら落ち着いた。どれも小さな小さなお菓子で、甘み押さえており爽やか。
ここはmackintoshの許可を得て、その家具と名前を使っている。椅子も机も、黒いターコールの風合いの木目が綺麗。トレードマークの四角模様も映えている。−−が、そのマークのある風景の撮影には失敗した。
美術館の駐車場にでると、すでに紅葉している樹がある。プレートによるとコノハカエデ。高度のせいか、それとも1年中赤いのか?
それにしても、驚くほど日差しが強く、まぶしく、暑い。昨晩あんなに寒かったのに。気温差激しいな。
美術館から歩いてバス工程を逆流する。出てすぐのみやげ物屋の入り口あたりに、小さめの白サバまじりネコがいた。紐でつながれている。けっこう怯えているので、近寄っての撮影はあきらめる。
ナメコそば(冷)
ほどなき距離にある食事処の中で、唯一現地っぽいつくりのものに入る。いかにも寒国らしい かやぶき と黒い板ばり。高い天井、太い柱、ふきぬきの室内。昔の祖母の家に来た感じ。室内には剥製がいくつかと、小物と、人間サイズの大きなクマのぬいぐるみと、生きている三毛猫が。−−あとで知ったが、その家屋のつくりから、立派な観光名所なのだそうな。
(注:ネコは飼い猫のようで、店員さんの誘導によって勝手口から裏庭へ消えていった。)
ソバ、麺は変哲ないが、汁のキレがすごい。辛い。私は好きだが、人によっては食べられないんじゃないかな。
老夫婦が集めたアンティークを展示してある。価値や年代ではなく、趣味に合うか合わないか、あるいは面白いかどうかで集めたようで、品についているパネルには解説ではなくて「一目惚れしました」
などと思い出が書いてある。
お金を払って展示室に入ると、ご主人がヘッドセットを付けてさっそうと現れる。自慢の大物について、自ら解説してくれる。
「オランダの大物仕掛けダンス。これを輸入するときにはこういう制限がついちゃって…」
「ブラフマンとヴィシュヌの結合像。これ本館の一番人気。ほら、ここに立って覗いてごらんなさい。夜のお勉強。わたし毎日お勉強。これ、猥褻物といわれて税関ストップかかっちゃって…」
「カウボーイのブロンズ像。これのレプリカの1/3サイズのが鑑定団に出て400万でした。ってことはコレはね、ふふふ。」
ここの自慢+特徴は、ウランガラス器を多数展示していることだ。カラスそのものへの着色効果としては、濃度によって青〜緑〜黄色に変化する。それだけでなく、紫外線ライト(ブラックライト)を当てると内部から光るのだ。なかなか幻想的な眺め。
「ウランというと放射能を思い浮かべて怖いかもしれませんが、実際には天然放射能がちょっと濃縮された程度だから、悪影響ありません。それどころか、実際には腰痛やリウマチに効くんですよ。ほら、これ新聞記事。わたし毎日ネックレスにウランガラスのアクセサリー。冬は体がポッカポカして、カイロいらずです。」
この器のなかには、金を王水で溶かして練りこんだものもある(erkさんが教えてくれた)。澄んだ美麗な色だったのだが、赤だったか青だったかすら記憶から消えてしまった。もったいない。
コメントの中でも傑作だったのは、「ツタンカーメン:TVで有名です」
かな。あきらかに別の像なんだが^-^ あと、先ほど高山美で見たティファニー18灯リリーランプの模造品があり、「アールデコ風です」
とあるのにウケた。
(注:こういうアールデコのランプは工業生産品だから、同じモデルの大量生産バージョンもあれば、他メーカーが似せて作ったものもあって不思議じゃない。それを分かったうえで実用部分を愛でるのも、よい楽しみかただ。)
見終わると、奥さんが「麦茶かコーヒー、いかがですか」
と出迎えてくれる。サービスでおせんべいももらった。滋養なり。−−われわれが出るとき、ちょうど老夫婦もオヤツタイムらしく、奥からプッリンプリンを取り出していた。
現地で見つけた。「飛騨の甚五郎2名による、巨大な七福神!」
山の上にいくつか蔵があり、その中に目いっぱいのサイズで福神が入っているのが1つ見える。そこはかとなく笑える。300円だし、寄る。
門をくぐって林道を進む。暗い林内に蔵が6つ。最後のものだけ2体入り。いくつかの蔵は中に入れる。像は、カタログによると、座像が3.5m、立像が6.5〜7.5m。どれも一本木からの像だそうな。材は楢・ケヤキ・栃・スギ・立派なり。彫りが立派だとは(たとえば日光と比べると)言えないが、見ると自然に笑顔になるから、福神としては大成功だろう。
写真1は恵比寿さん。手に持つ鯛がキュート。隣には大黒さんがおり、その足元にはネズミがいた。けっこう細かい演出まで気を使っているな。
写真2は、蔵の横の扉飾り。赤錆によって偶然に顔に見えるのがgoodだ。私はこういうものが大好き。
林学出身のサガとして、林道が切れても先まで勝手に入り込む。5年生くらいのヒノキ稚樹がいくつか。あとは広葉の雑木。ブナがあったのに驚いた。やはり寒いんだな。林床にウルシがちらほら。高山美の庭にもあった。ちと勘弁されたし。
[湧き水源泉]の看板があったが、切り立った法面からジワジワ染み出すタイプのものらしく、流れは目に見えない。
さらに戻る。バスの時間待ちに、みやげもの屋物色。空飛ぶサルボボを発見。ポーズがかわいい。−−実際には、21日に市内で購入。どの店でも売っている量産品だ。大量の中から、造形や手足がかわいいものを探す。楽しいね。
キティぼぼ とか ドラえもんぼぼ などのキャラクター展開もある。これはどうなんだろ? さるぼぼって顔があってはいけないのではなかったか。さくらぼぼ(NHK朝ドラ)は腹巻きの文字だけなのでセーフだが。
待ち時間に、駐車場で白猫発見。汚水排水トイあたりで遊んでいる。
バスにて高山駅に戻る。夕飯にはまだ早いので、ちと散歩。さんまちの下見とする。
宮川に掛かる鍛冶橋にて、手長・足長の像を発見。それぞれ橋の中央で、道を挟んでにらみ合うように建っている。この橋から見る遠景が綺麗。3つ向こうの橋が朱塗りで、目にも鮮やか。
上三之町の“さんまち”メインストリートを南下。古い町並みをそのまま残しているのが自慢で、どこも長屋風平屋の木造。私が幼少のころは地元もこんなんだったなーと思いながら見て歩く。5時閉店で中に入れない店が多いが、チラっと覗くだけでも色とりどりで楽しい。
2ブロック入ったところで折れ、川を渡ってから北上(本町通り)。火消しの像(最近あらたに作ったヒーロー)を眺め、また柳橋へ。ここの二四三屋(ふしみや)出店でみたらし団子。かなりコシの強いしっかりした米の粉の団子。甘辛醤油のタレ。幼少の思い出の味。嬉しい。−−昔、実家近くの小さな団子屋で、1つ35円でこういう団子が購入できて、日々の楽しみだった。
北にばかでかい鳥居(コンクリ)が見えるので、それに向かって宮川を北上。沢に降りれるようになっており、ジョギングや犬の散歩が数組。1つキャンパーがいた。さすがに寒いだろうに。
このとおりは宮川朝市の現場でもある。露店はおろか固定店すらすべて閉まっているが、明日の予習として看板を眺めて回る。明日は早起きせねば。
鳥居、見た目よりも遠かった。2ブロック先の宮前橋。東手に桜山八幡宮への参道。遠いので今日はやめ。このままホテルへいったん戻る。途中に有名な飛騨ラーメン屋[やよいそば]あり。食べたかったが、今日は朴葉味噌と決めているので。
(追記:手長・足長)
あとで調べたのだが、この手長・足長は弘法大師の伝説に登場する鬼だそうな。それがココとどう関係するのはか分からんが、奥手にある古寺が弘法さん関係なのだろう。
朴葉みそステーキ定食
(朴葉味噌にエノキ、タマネギ、ゴボウ、キャベツ、サイコロステーキ)
ごはん つけもの 味噌汁
個人的には失敗。失敗したが、よい経験になった。
erkさんは普通の朴葉焼き単品+ご飯にしたのだが、こちらは飛騨牛の薄切りが贅沢についている。2キレ貰って、その美味さに愕然とする。一方、自分のところにあるステーキには旨味をちっとも感じない。erkさんいわく、「そのステーキのほうが、ちゃんと肉の味がする。こちらは、味噌や脂の味のほうが強い。」
−−これではっきりした。私は本当に心の底からステーキがしょうに合わないのだ。好きなのは肉脂の甘みであり、それがサシで入っている薄焼きがbestだ。
品はというと。炭をセットした素焼きコンロの上に朴葉が敷かれ、味噌を盛り、そこに多数の野菜と肉が盛りつけた状態で出てくる。「てきとうに時間を置いて、混ぜて食べてください」
とのこと。量も多いしサイズもでかいのでかき混ぜにくいが、食べごろになればシナってくるので混ぜられるようになる。味噌は最初は甘辛だが、火が通るにつれて辛味がキツくなってくる。野菜も肉も甘いので、上手に絡めて食えば絶品。ご飯の進みが激しい。
寿々や後、駅に移動。明日夕のワイドビューひだを予約。
それから腹ごなしにブラブラ散歩。一本南に下ってから東へ(広小路通りにて宮川/さんまちへ)。途中、驚くほど何もない。どの店も閉まっている。飲み屋がたまにあるだけ。食事すらできない。街が落ちるのが早すぎる。観光街は完全に5時で終わりか。宮川筏橋にて北上(本町通り)。
喫茶店があれば入るつもりだったが、どこにもない。鍛冶橋近くで喫茶GONというのがあったが、名称のショボさとコーヒーonlyっぽい雰囲気のため、遠慮した。−−あとでガイドブックを見ると、かなり有名な店で、チーズケーキ絶品だとか。入ればよかったな。
さらに北上すると食事居酒屋とカラオケが登場。だが喫茶はなし。1つフレンチの店がある。ここで喫茶のみ可か交渉しようと思ったが、表にあるメニューの一番安い1品が4000円だったので止めた。
「コンビニで紅茶パック買って戻ろう…」
と再南下。ところがコンビニもない。健全な街なり。けっきょくまた筏橋まで戻ってしまった。
このコンビニ(lawson)、基本的には普通のコンビニだが、一角にオリジナルのサルボボが置いてある。色バリエーションが4つほどあり、色で効用が違うとか。ただし、あくまでもコンビニなので、みやげ物的包装はしないそうな。不思議なこだわりだ。
ホテルへの帰路、鍛冶橋から西に入ると(国分寺通り)、ほどよい距離でコンビニがあった。戦略失敗。だが、これでまた1つ賢くなった。次に来たときはかなり計画的に歩けるぞ。
早起き失敗。8時起床、9時チェックアウト。ちと寝不足で頭痛い。駅に荷物預け、宮川へ。
私のイメージでは朝市というのは週1くらいなのだが、ここは毎日7:00〜12:00までやっている。観光7割・地元3割か。みやげもの、野菜、つけもの、手作り小物など雑多にあり。私が到着した9:30ごろはまだ空いており、おっちゃんらも地元親身モードっぽかったが、10;00を回るとヒトも倍増し、みな観光客相手モードになっていた。
途中の店でオッサンに呼び止められ、小さな黒い板上のお菓子を渡される。
いいから持ってきな。つまみな。すると、あとで慌てて飛んで戻ってくるから。これが分からんかったら、舌がおかしいってことだに。
品は“こくせん”というお菓子。落花生を潰すんだか粉にするんだかして焼き、黄粉をまぶしたもの。口の中に豆の香りがブワっと広がり、かなり美味。約束どおり、ひととおり見物してから舞い戻って購入。いっしょに三鳩豆も(大豆に軽い甘味粉をまぶしたもの)。
こんなもんね、どこにいっても200円とかで売っとるけどね、それらはみんな紛いモンよ。味がぜんぜん違う。いまどき、昔ながらの面倒な方法で作っておるのはウチくらいなもんよ。
(余談:自宅で両者の製造者名を見ると、それぞれ違う。ま、おっちゃんは仕入れて売る役だからね。いいんだけどね。実際かなり美味いし。)
もうしばらくいくと、今度はおばあさんから漬物をいただく。これも名物で[酒どろぼう][まんまどろぼう](あと1つあったが名称失念)。酒ドロは辛く、まんまドロはすっぱく。どちらもかなり美味。−−かなり欲しいが、私は最近自炊しないので、いつ消費できるかわからぬため断念。
「これ、どれも私が漬けたでね。ここに名前はいっとるでね。」
対面店舗で「しいたけ茶いかがですか〜」
と配っている。ちょうど喉が乾いてきたころだったので、喜んでいただく。手に取った段階で、香りのよさに驚く。味はお吸い物。−−粉末缶500円を1つ購入。
これ、お茶として飲めますが、どちらかというと出汁みたいなもんです。お料理にも使えます。
その他、いくらか買い食い。
ホット牛乳/
みたらしだんご/
牛串焼き(中)/
五平餅
今日のみたらしは、やわらかな食感のもの。機械挽きなのかな。まずくはないが、昨日のものが個人的にパーフェクトだったので、ちと評価さがる。ただし、醤油のこげ具合はこちらのほうがよし。
五平餅は、空腹のために盲目的に購入。店頭の段階からマズそうだったが、実際まずい。焼きが適当なうえに、ほんの少し味噌を塗っただけの味付け。
弥生橋から、街中を適当に歩きながら移動。こちらも古い家屋ばかりで雰囲気よし。さんまちのは、建物が古いだけで中身はみやげもの屋になっているが、こちらは半分くらいは本当に使われている家で、より好感がもてる。余談だが、高山市内どこも側溝の水がやたら早い。山里だけに水が豊かなのだろうか?
「でかいお屋敷があるな」
と見ると、日下部民藝館。古い郷土の庄屋かなにかの家を、そのまま観光地にしている。余談だが、適度に離れたところにある日下部味噌醤油店は、かの日下部陽一氏と血縁のもよう。たんにこの地方に多い苗字なのか、それとも一族なのか。
てなことを考えながら桜山八幡宮へ。お宮自体は失礼ながら普通のつくりで、とくに鑑賞するところなし。獅子もノーマル。本殿には彫り物なし。ま、八幡宮だからね。手洗い竜は好きなので撮影。−−脇にある馬絵画宮が面白いかな?
本殿右に、入ってよいのかいけないのは分かりにくい感じの石段がある。上にも宮が見える。私は無鉄砲にも1人上る。そこにあったのは[狂石]。不信心の不届き者が触ると気が狂うそうな。私が触ると危ないな。
下り階段でモモが吊りそうになる。運動不足だな。会社では毎日8Fまで階段で往復しているし、週に半分くらいは1時間徒歩で帰宅するのだが、山は使う筋肉が違うからなあ。
桜山八幡宮の敷地内には2つの会館がある。[高山屋台会館]では高山祭りの山車の展示。[桜山日光館]では1/10サイズ模型の日光東照宮が。
だがこれらには入らずに、お宮を出てすぐの[獅子会館]へ。こちらでは、(1)からくり人形の実現 (2)古美術品の展示 (3)全国の獅子舞などの頭の展示 の3つあがる。
目当てはからくり。(1)義経乱杭渡り (2)角兵衛獅子の綾渡り (3)大黒様の早変わり (4)文字書き恵比寿様 の4つを見る。前2者は、離れた位置にある足場に飛び移るもの。制御棒は、その足場の中から人形に挿すように伸ばす。一歩進んだら制御棒も差し替え…として進む。原理はシンプルだし、動作もスピーディーではないが、それでも見て楽しい。−−翌日に地元まつりのからくりを見たが、あらためて地元のものの質の高さに驚くことになった。それはまた別記。
古美術は、幅は広いが質はほどほど。墨壷(だっけか、大工が線を引くのに使うやつ)がたくさんあるのが珍しいか。これは、紐を墨になじませ、ピンと張り、それを指ではじくことで、木材や地面に直線を描くもの。私も工事のバイトをしたとき、同じ原理のものを使った。
獅子頭は、まったく期待していなかったのだが、かなり面白い。数やサイズに圧倒されるのも確かだが、説明パネルで得られる雑学がかなりよい。地方による形状や特徴の違いは勉強になった。−−もう忘れたが。
あぶらえ五平餅
獅子会館を越えて少し行くとある。
ノレンをかき分けてお店に入ると、木製の長椅子がいくつか。4畳半くらいの客場に、2畳の焼き場。その焼き場では、おばあちゃんとおじいさんがお餅と格闘中。ちょうど親戚一同が来ていたようで、客場と住宅間をところ狭しと子供が走っている。
頼んでから焼けるまでに5分くらい。出される茶を飲んで待つ。その待ちに120%応える味わいに大満足。
ていねいな焼きで香ばしく、表面のカリっとした歯ごたえも、モチっとした噛み応えも、実にすばらしい。全体にたっぷりと 甘いゴマを混ぜた味噌(あぶらえ というそうな)が塗ってある。味噌も少しあぶってあり、薫り高い。幸福。
天ザル
本当はさらに移動して飛騨ラーメンの[豆天狗]に行くつもりだったが、残り時間との戦いで、中間地点で妥協。
非常に有名なソバ屋だそうで入ったはいいが、個人的には品に気に入るものが無く、店を出ようかと思ったくらい。とはいえ、出てきたソバは立派なもの。ソバそのものの香りが非常に高い。タレが(これまた)キレある辛め濃い目のものだが、それと合わせてもソバが負けないのには敬服。
ソバ屋を出て、そのまま上二之町を南下。上三之町と違い、あまりお店がない。そのぶん落ち着いており、景観を愛でるにはよし。途中で窯元や酒屋が複数。入り口上の杉玉についてerkさんに教わる。新酒ができると、看板がわりに取り替えるのだそうな。−−通りの向こうに、清酒“鬼殺し”本酒造の工場が。見学すると鬼殺しを貰えるんだろうが、今日はパス。
ここでも側溝の水が速いなーと見ながら歩いていると、途中でerkさんが側溝下に猫のほとけを発見。処理もできねば対処依頼もできぬが、せめて手を合わそう。南無。
さらに南下。ここまでとくに入りたいお店なし。中橋(朱色の橋)に到着。ここを渡ると高山陣屋だ。陣屋:江戸時代の武家陣屋が壊れずに残っているのはこれ1つだけだそうな。見たいところだが、残り時間と優先順位の問題で、外から眺めるだけで済ます。
(余談:このような平屋建物でも後ろに空が青くひかえているのを見て、改めて思う。高いビルがなくて本当に嬉しい。町の住民には不便かもしれないが、ここにビルは似合わない。)
本町通りに沿って北上。すぐのところに、ネコグッズ専門店を発見。絵葉書、小物、時計、ポスター、シールなど。国内外のさまざまな意匠のものが並ぶ。隣はウサギ系小物屋だが、ネコも発見。小指サイズの小さなネコの付いたコップ・グラス・灰皿などが多数あり、どれも付属のネコが中身をチラっと見ている。表情がさまざまで可愛い。店名、どちらも忘れた。
クリのクレープ/ミルクティー
さんまち上三之町に戻る。その中にある、れっきとした古いつくりの(上述の大喜と同じ)建物で、畳の上に机を並べて営業。だが、出すものは立派な洋風菓子で、BGMはダブ限定。広くて暗い室内にこもって響くダブは、たしかに心地よいものだった。
品は、平らな広い皿に載せた、薄いクレープ。生地にいくばくかの栗実が練り込んであり、あとは間に栗ペーストが塗ってある。上から細目砂糖を振り掛ける。適度な甘みで無性に美味。
お茶は、liptonの赤いタグのティーバック(名称忘れた)を無印良品っぽいポットに入れて。liptonといえばイエロータグの品質の悪さで印象が悪いのだが、それはあくまでもイエロータグの話であって、少なくともここで出た茶葉は、味わいも薫り高さも立派であった。
といっても自分用。たくさん入店したため、実際に買ったところ以外は記憶がない。
ぬいぐるみ(硬め)を染めて魚や鳥にしたてたもの。色ボタ感が独特で可愛い。鳥を1つ買った。
発泡スチロール整形の着色小鳥。マグネット付きで、壁一面に無数のバリエーションが並ぶ。色違い、羽違い、模様違い、形状違い、飾り違い。ホンモノの毛や、卵の殻、スパンコールをあしらうものもある。どれでも100円。木屑による巣も100円。陶器の枯葉が200円。安い。薄利多売だな。それにしても可愛い。
店内には、松枝(?)によるウサギやフクロウ人形、木彫りなどもある。奥には和風甘味処。手前には非売品の大物。
−−帰宅後に知ったが、ここは“ぴーちくぱーく”系列店。こちらは情報誌にもたくさん広告が出ている。だが、写真には枝細工しかなく、ちっとも興味なかった。大衆に訴えるのは小鳥のほうだろうに。
(余談:さらにどうでもいいことだが、古事記に《この花咲くや姫》ってのがおりますな。)
[咲くや この花]隣接。通常の1/3程度のタイヤキ。販売は5個セット。具はチョコ/カスタード/チーズから選べる。組み合わせ自由。小さいので、あっというまに食べてしまった。
ウサギグッズ専門店。ハンカチ、絵葉書、カップ、カレンダーなど。erkさんが絵本を購入。同じイラストレーターによるカレンダーがかなり秀逸だった。
また二四三屋(ふじみや)により、団子を購入。あとはガイドブックで話題の[牛玉屋]にて牛たこ焼きを買おうと思ったが、行列のうえに焼き上がり待ち状態のために断念。駅前の一般的みやげもの屋にて実家用に“名物 漬物ステーキ”を購入。
牛玉屋近くの精肉屋にて、白い長毛ネコ発見。シャムくずれか。飼い猫だろうな。
17:08、予定通りワイドビューひだ出発。電車に乗り込む前からちと体調おかしく、空腹感がひどい。むさぼるように団子を食い、茶を飲み、即座に睡眠。目が覚めたら18:15。だがまだ岐阜にすら着いていない。高山は遠いな。
元気丼 其の弐
いきつけの鰻屋。名古屋で1・2を争って美味い。なのに圧倒的に安い。わたしは大学時代にこの店で鰻感を一新させられた。店主も奥さんも人当たりが柔らかいのもgoodだ。いまだに私のことを覚えていてくれるし(“こちらから越していったヒト”程度の記憶だろけうど)。
当店オリジナルの《モロヘイヤ》を絡めた元気丼をはじめて試す。《其の弐》は、(1)モロヘイヤのペーストにうずら卵のせ (2)生ゆばにワサビのせ (3)鰻の蒲焼 が1つの丼に乗ったものであった。それぞれ美味いが、私の舌では 融合感は味わえなかった。−−そもそも私はここの鰻が無性に好きで、求めているのはソレなのだから、はじめから鰻丼食べればいいんだよな(自戒)。
店主は栄養士の資格があり、氏いわく「それぞれが補完しあって、最高の栄養バランスで、明日への滋養を高めます」
とのこと。しかし、食べている最中に丼上の色がサイケになりすぎるのが問題じゃないかな????