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●2002年3月10日

/野辺送り/

2時半ごろ、いつものとおりを歩くと、見慣れない黒塗りの車が止まっており、トランクを開けている。なんだろうと思って脇を通ると、数名の大人が黒い衣服で立ちながら、嗚咽を噛み殺している。−−出棺のようだ。

ふと脇の壁を見ると、エアコン室外機の上にトラジマのネコが。少し肥りぎみのトラジマは、その余った肉をたるませながら箱座りし、不機嫌な顔でじっと出棺を見つづけている。けっこう人がバタバタしているにもかかわらず、トラジマは身じろぎひとつしない。

−−かなり絵になる情景だったが、さすがに撮影は自粛した。

/これでひとつ/

過去は過去のこととして、今後ともよろしくお願いします。


●2002年3月2日

/集会場1のエサ入れ/

この小さなオレンジは、いつも集会場1の周りにいて、たいていジっと固まっている。玄関で、エアコン室外機の上で、トタン屋根の上で。道路のどまんなかで。

ジっとしているのはほかのネコでもよくあることだが、こいつを他のと差別化しているのは、集会場1据え置きのエサ入れに座り込むことだろう。

私が近寄っても、彼は微動だにしない。カメラを取り出すと、それをエサだと思ったのか、ゆっくりとこちらに寄ってきた。私がエサは無いと謝ると、彼はふたたび静かにエサ入れに戻り、毛づくろいをし、体制を整えてしゃがみこむ。


猫写真011230も どうぞ。

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