2時半ごろ、いつものとおりを歩くと、見慣れない黒塗りの車が止まっており、トランクを開けている。なんだろうと思って脇を通ると、数名の大人が黒い衣服で立ちながら、嗚咽を噛み殺している。−−出棺のようだ。
ふと脇の壁を見ると、エアコン室外機の上にトラジマのネコが。少し肥りぎみのトラジマは、その余った肉をたるませながら箱座りし、不機嫌な顔でじっと出棺を見つづけている。けっこう人がバタバタしているにもかかわらず、トラジマは身じろぎひとつしない。
−−かなり絵になる情景だったが、さすがに撮影は自粛した。
この小さなオレンジは、いつも集会場1の周りにいて、たいていジっと固まっている。玄関で、エアコン室外機の上で、トタン屋根の上で。道路のどまんなかで。
ジっとしているのはほかのネコでもよくあることだが、こいつを他のと差別化しているのは、集会場1据え置きのエサ入れに座り込むことだろう。
私が近寄っても、彼は微動だにしない。カメラを取り出すと、それをエサだと思ったのか、ゆっくりとこちらに寄ってきた。私がエサは無いと謝ると、彼はふたたび静かにエサ入れに戻り、毛づくろいをし、体制を整えてしゃがみこむ。
猫写真011230も どうぞ。