【自己顕示録】


2002年6月後半


6/30

/めし土日:ナスと赤味噌:どこにでもあるのに:佐藤錦/

6月30日(日) 19:30 簡易自炊

ナスに肉と味噌の味を染み込ませると美味い。旬で無いから張りが足りないのは残念だが。でも美味い。

食後に佐藤錦と牛乳。のちにプーアル。

6月30日(日) 16:00 精肉屋の隣の豆腐屋で買ったオヤツ

豆乳杏仁豆腐

評価は微妙。爽やかではあるが、わざわざ食べたい感じではない。

このお店は、他にも[おからドーナツ][豆乳プリン]というデザートを作っている。この2品は自然な風味でとても美味しい。

6月30(日)日 13:00 玲瓏

今日は先に「パンを余分にお付けしますね」と切り出されてしまった。多謝。

ハム。見事な塩味で美味し。ふだんハムといえばボンレスハムの一番安いのをイメージしてしまうが、いいハムは美味いんだなあと久々に思った。どこでも買えるけど、そうそう美味なのには当たらないのよね。チーズケーキ、ガトーフレーズ、プリン、シュークリーム。これらも然り。

6月29日(土) 18:00 半端自炊

今日は土曜日。 洗濯。食材買出し。タオルなどの生活用品買出し。 そしていま晩飯調理中。

タマネギ、トマト、ナス、剥きエビ、ベーコンのコンソメ煮。 水は足さず、野菜の水分だけで ぐつぐつぐつぐつ煮込んでます。でも みりんを少し足しちゃうあたりが私っぽい。そして、できあがったものはラタティーユ。…あれー、スープを作るつもりだったのに。

プラスで、精肉屋で買ったメンチ。あとシラス。美味いなあ。

食後にさくらんぼう。先週は[高砂]を試して失敗したので、基本に返って佐藤錦。粒大きめ、甘味かなり。ノってきましたな>さくらんぼう。美味すぎ。肥ろうがなんだろうが、私は今さくらんぼうを食べます。一年ぶりの逢瀬なのだもの。


マンガ喫茶に移動。先週の分をようやく読破。ジャンプの読みきりの多さに愕然。何人原稿落としたのか? Hunter×Hunterとタケシか…サンデーもマガジンも、自社広告が変に目立つ。この週はストでもあったのか。

いろいろ面白かったが、特記は[つゆだく]だな。あまりのヨさに、スピリッツだけ今週号まで読む。スーパーアイドル藤沢の神格的な描画、それに対する野生凡人露崎の野生ならではの対処。「よかったゼ!」を流行らせるというオチまで含め、連載ものとして見事なり。

/めし平日:信頼するサービス:1人よりも:象は忘れない/

6月28日(金) 18:30 

今日はいまだつゆたりとも食欲が無い。でも食べるものは決めている。うどん。讃岐の冷 キツネうどん に 生卵を落としたもの。

目黒のあのお店で頼むと ワカメやらタマゴやらが勝手に(標準で)付いてくるから、それを断って真にキツネだけにしてもらって、生卵と絡めて食べるのだ。食べるのだ。

6月28日(金) 21:00 二日連続ポップワン

カツカレー

本当は こんぴら茶屋でキツネうどんが食べたかったのだが、うどんや満員だった。果実園前で悩みに悩んだ結果、ゲスなほうを選択。また肥る…

2日連続のトップワン。カレー喫茶店風、そうたいして好きな味じゃない。カツはサックリ衣とジューシー旨みたっぷりで気に入った。次はただのトンカツで頼もう。…でも、今週ほど脂っこいものを連発で食べたのは珍しい。次に来るのは2ヶ月くらい後かな。

厨房には、初老のメインシェフが。細く締まった長身た頼もしい。清楚な白のコック服と長高帽が良く似合う。お店の入り口には、「自民党党首 竹下登」からの感謝状が(昭和63年の日付)。「貴行はつねひごろ西洋料理の研究に努め」うんぬん。よう知らんが、このシェフは日本の洋食で大事な役でも果たしてるのかな。

6月28日(金) 13:00 味楽庵

ビビンパ(not石焼き)
セット:スープ 豆腐 ごはん

私は焼いてないほうが好き。コチジャンをとっぷり混ぜて食す。

ひさびさに食べるが、やはりここのスープは驚異的に美味しい。 目に見えるのはワカメ・ネギ・牛肉端だけだが、 いっぱい出汁が入っているのだろうなあ。 おかわりを無心。


今週しばらくお店を休んでいた。

今日。ようやく入れた。入るなりお母さん曰く。

「今週お店空いてなかったけど、来てくれたよね? ゴメンね。」

信頼することがサービスなんですな。 食事も人付き合いですから。

6月28日(金) 10:00

前からお茶は好きだったが、いまは1日10杯近く飲んでいる。english breakfastを飲み。ロンジンを飲み。jasmineを飲み。まるでお茶の合間に仕事しているみたいだ。

6月27日(木) 20:30 洋食屋 ポップワン

焼肉が食べたいという欲求をいさめるため、
ハンバーグ+カニコロッケのセット

前にここに来たときは、鳥唐揚げ+カニコロだったかな。たいして美味くなかった。だから今日も期待していなかったが…

ハンバーグうまい。歯ごたえ、肉汁の旨み、デミグラスの旨み。見事だ。やはり洋食屋としてハンバーグは外せないのか。

カニコロは、やっぱダメ。

6月27日(木) 13:30 カリッサ

ボルシチ(キャベツ、ジャガイモたくさん、ニンジン、牛テール、かな? サワークリーム添え)
サラダ パン グレープフルーツジュース

「ライスかパン、どちらになさいますか」と聞かれて、パンと答えた。 ずいぶん人格が変わったものだ。昔の私は食事には絶対ライス、なにと組み合わせてでもライスと答えていたものだが。

来店3度目にしてようやくのボルシチ。具がどれもこれも大きくて、なんか嬉しい。味もしっかりしてる。もっとも、ロシアで食べればもっと素朴なんだろうが。

カウンターに座り、料理風景を眺めながら食べる。バターの焦げる香りがひじょうに美味。味は舌だけで感じるんじゃないのだと改めて実感。

6月26日(水) 20:30 新宿の万世ラーメン

肉味噌入りパーコー麺

本当は中野坂上でネギソバを食べるつもりだったが、突発的に。

万世ラーメンは初めて。 麺はふっとい縮れ麺。スープは普通。パーコーは甘くて美味しいけど普通。 ぜんぶ普通。いいねえ。 肉味噌は、なぜかマグロフレークみたいな味。 全体にジャンキー。 自分で求めたとはいえ、食べ終わるのが辛かった。

やっぱり食べたあとに口がピリピリになる。 ちょっと辛い。バニラアイス食べたい。 が、このあたりで適切なお店が思いつかないので、 小田急ハルクの地下中1Fにあるカンタベリーカフェでごまかす。 チーズスフレと紅茶。

チーズスフレ。不味くないんだけど、コンビニ売り程度の味。 棚から出してお皿に乗せるだけで、銀紙やビニールもついたまんま。 そっけない。美味しくない。 前に来たときはもうちょっと美味しいお店に感じたのに…。

なんでこうなったかなー、舌が肥えたかなーと記憶を反芻。 そして思い至る。《1人で来た》のは今回が始めただからだ。 1人は寂しいものだな。 考えてみると、お皿にちゃんと盛ってくれるようなデザートは、 ここんところずっと食べていない。 いっしょに行くヒトがいないと、こんなもんかな。


ケーキの棚を見ると、 ほとんどのプレートは文字が印刷なのに、 カプチーノだけ手書き。 カプチーノ。ともさかりえの佳曲が頭に浮かぶ。

「あと少し、わたしの成長を待って。あなたを夢中にさせたくて もがく私を可愛がってね。」

このあとはずっとコレが頭をよぎる。


そのあと中野坂上のマンガ喫茶。9時着で10時に出るつもりが、 けっきょく11:30まで。 3週分のマンガが溜まっているので、まず3週前のものを読みこなす。 全体に面白かった。

とくに[つゆだく]。藤沢涼子というアイドルの話題。大量のページを割いて、いかに稀代の奇跡のアイドルかを語り、「彼女が触れば、枯れ木すら花を咲かせる」とまで言わしめておいて、あの見開きでの牛丼かっこみ目グルグルはすごい。しかも、その2ページ後には清楚なアイドルに一瞬にして変身。これも見開き。すばらしきマンガ構成力。

ベルセルク][チョびっつ][おせん]の新刊が出ているので、それも読まねば。ところで[ヨコハマ買い出し紀行]はどうなったのか?

それから歩いて帰宅。先週は2日に1度、今週は毎日歩いて帰ってるなあ。歩くの楽しい。涼しいから、より歩きたい気分。

6月25日 (火)20:30 笹塚いづみや

象は忘れない。

地図を読めない私だが、一度来た場所にはなんとなくたどり着ける。 1年以上前にtoy氏に連れてこられたときの雰囲気を頼りに到着。


カツカレーが食べたかったのだが。

「ごめんねー、いまカレー仕込んでいるところなの」

ミックスフライ定食(a)+α(お詫びで1品多い)

しょうゆを少したらして食べる。ウマー。

この不思議な温かみのある美味さはなんなんだろうなあ。 お店の構えとおばちゃんの出すオーラで美味いのだろうか?


WC韓国vs独逸の試合を少し眺めたあと、歩いて方南町へ。

通り(10号商店街だっけ?)を抜けきるとラーメン屋。 ここで左折。 いまいち不安だが、いま西を向いていて、 このまま行けば環七に出るはずだ。

ある程度行った所で、 駅からの人の流れ(笹塚か代田橋か不明だが)がやってくる。 これが、環七より2つ3つ手前で北上を始めるのだ。小さな通りに。 つい好奇心で、これについていく。

好奇心、猫を殺す。

行けども行けども大きな道とはクロスしない。 西に抜けなきゃ環七との位置関係を確認できないのに、北に行くしかない。 心細い。自信ない。ともかく私の地理感はメチャクチャなのだ。 電信柱の住所看板を見て、いまだ「笹塚」なのに怯える。 ひょっとして、完全に180度反対に来ていたらどうしよう。 とおりの向こうに見える大きなビルがマイクロソフトタワーだったらどうしよう。

もうしばらく我慢して進んだら、看板が方南町に。ようやく安心。 そのへんで西に抜けると、ドンキホーテの1つ手前くらい。 あとは機知の道。途中から内に入り、釜寺の脇を抜けて帰宅。

6月25日(火) 13:00 昼飯 長寿庵

から揚げ定食

外から見て まずそうなソバ屋だなーと思っていた。

中に入ると。汚い壁。剥き出しのコンクリート。ヒラの低い木机。背もたれの無い丸椅子。たたずむ労働者。小汚いバーサンとオバサンがせわしなく注文を聞き、終わったお椀を片付ける。奥ではこれまた汚いじーさんとオバサンが調理中。すばらしい。目黒駅の近くでこういう店に出会えるとは思わなかった。

出てきたのは、コリコリするまで固く揚げたから揚げ。ご飯。サラダ。はんぺん。このハンペンが強くイカの味がして美味い。から揚げも素朴な美味さ。まごうことなき大衆食堂の味。

6月24日(月)13:30 手作り料理 くうや

鯛の粕漬け焼き
セット:ごはん 味噌汁 サラダ 揚げ豆腐

韓国家庭料理 味楽庵に行こうと思ったが、今日はお休み。 ロシア料理 カリッサのメニューを見るが、気がノらない。 しょうがないので、恵比寿のほうに1ブロック足を伸ばし、見知らぬ店へ。

シンプルでこぎれいな和食居酒屋。 味は…さっぱりあっさりの粕漬け。身がほぐれやすくて食べやすい。 が、美味しくはない。味噌汁に味がまったくないのも気になる。 でもまあ。700円だしな。

どうも満腹感がないのだが、 分量として足りなかったわけでもない。 正しくは《満足感》が足りないのだろう。 というわけで、hilltop gardenの神戸屋でミニ=ポンデケージョ購入。


6/28

/雑記:梅雨 東西/

*無題*

(6月28日 15:00)

*recall mail*

(6月27日 18:00)

某氏が送信ミスで途中メールを私に送った。それに続いて、こういうのが来た。

取り消しメール。こんなのはじめて見たっす。Excangeの生成したものらしい。 グループウェアでは普通?

*梅雨 東西*

(6月27日 17:45)

どうして今年の梅雨はこんなに寒いのか。愛知では梅雨が寒いなんてことはなかった。が、東京に長い友人は「こういうのも普通」という。つゆざむ なんて単語があるくらい。でも愛知では聞いたことがない。

googleで調べる。情報出てくるものだな。いい時代だな。というわけで、【梅雨:西は大雨,東は梅雨寒】(東アジアの気象の仕組み)。

(このHTML、どれ読んでも楽しい。私はこういうミニ知識が大好き。たまらん!)

*ひさびさに2chに逃げたり*

(6月25日 13:30)

すまない、死ぬかもしれない(プログラマ板)

*man's, man's world*

(6月25日 10:00)

ショック療法の大元をたどると、なんとJ. Brownが! へーい。ウォッチメ! アガッチ!

*テロ?*

(6月24日 17:30)

最近、戦争中の攻撃を指してもテロ/自爆テロというようになった。が、j-waveの英語のニュースを聞いていると、suicide bomberとかビンラディンattacks…といっている。テロとは言っていない。なぜまた?

なんで日本のニュースは「戦争」という単語を極端に避けたがるんだろう。現実逃避? 世界は平和だということにしたいのか。コソボwarも「紛争」といっていたし。

と思って、私がテロの定義を知らないことに気が付いた。googleでは見つからない。どういうのが戦争で、どういうのがテロなんだ。民間人巻き添えだとテロ?

*ネコに歴史あり*

(6月24日 10:30)

方南町在住のかたからメールをいただきた。あのヘチャ猫は死去したもよう。合掌。

また、オレンジが予想よりも年寄り猫だと判明。ネコに歴史アリ。


6/27

/悪夢:焼肉にありつけない/

焼肉を食べたくて食べたくてしょうがないが、1人で焼肉屋に行くのはなんなので、諦めた。その夜の夢。

シーン1:

同僚と電車で移動。弊社某氏のことをふと話題に出す。と、目の前にその某氏が。私、某氏に挨拶。すると某氏、唐突に怒り出す。

「おまえたちはそうやってヒトのことを裏で笑いものにしているんだ! 人間のクズめ!」

とりつくしまなし。別に悪口はいってないがな。

シーン2:

焼肉屋に到着。先についているはずの仲間を探すがいない。1FからB1Fに降りる。いない。そのかわりに、弊社の知り合いグループがいる。みな似たようなところを利用するのだなあ。−−というか、私はダレと待ち合わせているの?

空いている机に1人ぽつねんと座る。待つ。待つ。待つ。待っても変化ナシ。店員がなんどか行き来するが、ここには注文も取りにこない。待つ。待つ。しびれを切らす。

階段に出て電話。toy1が出る。「8Fにいます」

この焼肉屋は8Fまであるのか! 規模のでかさに驚く。

ここで目がさめた(06:30)。

−−「待つ。待つ。待つ。」はサラダの国のトマト姫だね。あら、ファミコン版やiアプリ版もあるとは思わなかった。

さいきんtoy1氏の登場率が高い。なぜだ?


6/25

/悪夢:不思議なチェロと外れる足首/

体育館、あるいは講堂。

不思議な弦と弓の楽器の講習会。数本の足を立て、空間的に無数の方向に弦が伸びている。演奏者はその中央に立つ。2本の細長い弓を持って弾く。低音を弾くときは足を折ってしゃがみ、弓をクロスさせて弦を挟み込む。高音を弾くときは腕を大きく広げて複雑なポーズになる。−−少年サンデー[からくりサーカス]の人形使いみたい。

私の隣には、ハイジのおじいさんみたいな老人。名前はセバスチャン。先生が段上で実技をしながら教えてくれる。どう見てもチェロではないのに、先生は「このチェロは…」という。ともかく、それを真似て私も演奏しなければいけないのだが、それ以前に弦というか足の設置方法がわからない。

隣でガラガラとすごい音がする。セバスチャンがみようみまねでセッティングして弾き始め、やはり足場不安定で、楽器がすべて崩れてしまったようだ。うめき声。

見ると、足首が完全に断裂している。足と足首が分離して、足先だけコロンと転がっている。ひとだかり。弊社先輩kmgiさんの悲痛な叫び声。そのほか、オバチャンが「これはヤバいんじゃない…」とボソボソつぶやいている。

わたしは先生に事態を解決してもらおうと、壇上に駆け寄る。そこからセバスチャンを見ると、血が一滴も出ていないことが分かる。

「ああ、これは夢だな、それにしても痛そうでイヤだなあ」と思いながら、状態を反芻。ふと見ると、友人toy1が(夢の劇中ではなく解説者として)解説をはじめた。コンポーネント指向ヒト型ロボット。

ここで目がさめた。4:00だった。

そのあとはイシュトとリンダが出てくる殺戮の夢を見たが、詳細不明。


6/23

/めし土日:坂角新作:銀のぶどう:ウー/

振り返ると。今週は肥る食事ばっかだ。

6月23日(日) 17:30 尾張屋@中野坂上

江差ソバ(カズノコの天ぷらとネギ:汁ソバ)
カズノコ本体と衣の間に感じる出汁と醤油の味が美味しい。

帰宅後、新宿 銀のぶどう[胡麻だれ ぷりん]。 豆乳の香りのある柔らかいプリン。 胡麻餡ペーストのたれ。濃すぎて、単品で舐めると辛いくらい。 混ぜて薄めて食すとちょうど良い。お茶に良く合う。

さくらんぼ[高砂]試すが、いまいち。酸っぱいばかり。やはり佐藤錦がいいか。

6月23日(日) 12:00 玲瓏

今日は鶏肉が無い代わりにソーセージ2種。 ふだんよりも粗引きのものが出て、こちらのほうが美味。

帰宅後オヤツで坂角新作[天まり]。揚げたゆかり。 揚げ系は以前にも売っていたが、それは味もパッケージも下品なスナックものだった。 今回は旨み濃縮に成功した感じで、パッケージも艶なし黒を基調に高級系。美味い。

6月22日(土)20:00 香港キッチン@四谷三丁目

土曜日です。w/ erkさん。2人で以下を食す。

ひさびさに来たが、やはり気軽で安くてそれなりに美味い。

(余談:askrさん(通称:親父様)のもとに「時間があれば伺います」と約束していたのだが、空腹と足の疲れがそれを許さず。無連絡でキャンセルとなってしまい、大変申し訳ない。)

帰宅後に:

ウー、焼き菓子は嗜好にバッチリ合うことが判明。店頭サンプルの きなこクッキーもgood。

(注:無レポートだったが、期待のプリンは甘すぎてダメだった。生菓子は全滅。)


先週、お気に入りのクロネコの風邪が酷かったことは報告したとおり。その後ずっと会わなかったので心配だったが、今日ようやく発見。まだ息は粗いが、ヨダレや目ヤニは落ち着いた模様。

また。某アパート脇では。前には大人しいヘチャムクレが1匹だけいた。誰かがここに餌場を作ったようで、その結果多数のネコが住み着き、前のヘチャは居なくなってしまった(行方知れず)。この悲しい状態は、なんとか写真に収めたい。

それはそれとして。ネコ集会場1の隣の家の外にケージが置いてあり、中に真っ黒のウサギがいる。デブチン。耳が大きい。erkさん曰く、ロップイヤーという種類だそうな。ウサは見物しても動かず、ただただ鼻をピスピスさせている。さて、このウサはどうしたのだろう。家主の友人が旅行か何かで、臨時に預かったのだろうか。

/意地:チーズカレーヌードル/

土曜日の話。


チーズカレーヌードルというのが出ている。 無償に非常に食べたい。 が、わたしはカップラーメンは一生食べないと誓ったのだった。 涙。

日清カレーヌードルは高校時代の思い出があふれている。 学校帰りに友人のTiSiとよく食べたものだ。 (スーパーで、買った麺をその場で食べられるところがあった。) あのカレーヌードルに、なんとチーズ入りが。 麺にまでチーズ練りこみ済みだという。 美味いとか不味いとか、そういう問題じゃない。 食べたい。

でも食べない。涙。 erkさんは言った。「月に1度くらいなら自分を許せばいいんじゃない?」 でも食べない。カップ麺を食べないのは、19歳以降の意地なのだ。

カップ麺は食べない。ポテトチップスなどジャンクフードも食べない。科学の味の強いジュースも飲まない。ファーストフードには行かない。これは意地だ。

食事は、ちゃんとしたお店で温かいものを食べる。お茶はいれたものを飲む。

/大蔵流 茂山家 妖怪狂言/

(@領国 江戸東京博物館)

(執筆日:8月4日)

ちゃんとした狂言の一派による、古典じゃない新作狂言集。原作は京極夏彦が担当。氏は[ゲゲゲの鬼太郎](TV版)の脚本も担当…というので、ポップな劇を想像したが、実際には古典・伝統の基礎を押さえ、言い回しや表現を多少現代風にしたものだった。狂言であり新劇ではないのだから当然か。

とりあえず。江戸東京博物館ショップで買ったタヌキのしぼり。

*狂言というもの*

私は古典芸能を知らないので評価不能だが。愛知県民の感覚で見ると、吉本新喜劇なみの大げさな身振りと台詞回しによる喜劇ですな。物語も演技も説明的・明瞭かつ突っ込みどころ満載で、それが見る人に笑いを出すのだろう。基本的は動きをすべてセリフでも繰り返すので、「そろり そろりと参られよう」「ばたーん」「うわ、おどろいた、どなたですか?」てな白痴か犬山犬子かという会話が無数に見られる。

衣装は用いるが、舞台は基本的にはセットなしの狭い四方。そのなかを立ち振る舞いぐるぐる回りながら距離移動感を表現するのが面白いかな。また、キツネつきは尻尾を付け、狗つきは狗毛と耳を付けるなど、あくまでもストレートなのが心地よい。

タイトルが「妖怪」狂言なので、おどろおどろしいシーンや怪談ノリがあるのかと思いきや、全編あっけらかんとした笑いonlyでした。

しかし、どの物語も「ここにまかりいでたるものはXXでござる。」で始まるのはなんなんだろうね。これが俗に言う《狂言回し》というものか。

*(古典)梟*

完全古典。一瞬たりとも楽しめなかった。言葉がわからん。こうしてみると、後者2つはやはり《新作》なのだなあ。

*狐狗狸ばなし*

旅人を化けものが騙すお話です。よくあるやつ。主人公の男が暗い山道に怯えながら「そろり そろり」と歩いていると、逆手から女が「ばたーん」と行き倒れる。−−行き倒れる人は「ばたーん」とは言わないっちゅーに。てなかんじで見手が突っ込みを覚えるが、最終的にはこの女がキツネ変化で、この「ばたーん」も気弱な男をびっくりさせようと遊んでいたことがわかる。

くだらさな抜群といえば。このあと2人が同行して夜道を行くことになるのだが。

男「暗くてのう、キツネに鼻を摘まれても気づかぬくらいじゃ。」
と、女がさっと回りこんで鼻をキュっと摘む。

男「あれー。なにかあろうぞ。」
女「なにもおりませんよ。」

ここまでの馬鹿馬鹿しいことを2度3度もどうどうと繰り返した。ドリフか吉本かっちゅーところですな。

物語は単純。

オチ。

狐「人が人を騙す世の中だもの、ケモノがケモノを騙すのもことわり。」
狸「しょせん同じ穴の狢ではないか!」
狗「いや、わしゃ狗じゃ!」
狸「それをいうたら、わしも狸じゃて」

このオチのくだらなさもgoodだが、題目終了後に各演技者が唐突に無表情になって狂言歩きでソロソロとシテに下がるのが やたらおかしい。これは狂言の《絶対》なのだろうが、私にはとても新鮮だった。

*豆腐小僧*

豆腐小僧は、昔有名だった妖怪なのだが、いまはどうみてもただのおっさん。−−という設定。逆に、太郎冠者と出会って、逆に豆腐小僧がびっくりするくらい。

太郎「人に合ってビックリする化け物があろうことか」
豆腐「妖怪を驚かす人があろうことか」

豆腐小僧は、人が己を知らぬことにガックリする。

太郎「化け物というからには、化けるのであろう?」
豆腐「化ける。とは。はて?」
太郎「狐狸ですら化けるではないか!」
豆腐「それはケモノだ。バが足りぬ。本来の化身とは神仏による神妙なもの。狐狸など、化けるにあたわず。」
太郎「しかし、わしは化かされたことがあるぞ」
豆腐「それは馬鹿にされたに過ぎぬ。」

てなかんじで、インテリで気弱なおっさんが、せめて「妖怪として忘れ去られ、消滅する前に、せめて1つ人を驚かせたい」と奮戦する。

太郎冠者の勧めで殿を驚かせようとするのだが、旅帰宅にて空腹の殿は「ちょうど豆腐が食べたかったのじゃ。太郎冠者、気がきくのう」と豆腐を奪ってしまう。これによって、今度は殿が新・豆腐小僧になってしまう…というオチ。

全体にユーモラスでgoodでした。


6/22

/正宗展@根津美術館/

w/ erkさん

*テーマ*

正直なところわたしは刀は苦手で、いまいちよさが分からぬ。erkさんが刀を好きで、連れて行かれた感じ。美術館入り口で説明ビデオ15分を上映しており、そこで雑知識を放り込んでから挑む。

今回のテーマは正宗。鎌倉時代後期の名工 刀鍛冶。その凄さを分かりやすくするため、展示は年代順に、数代前の師匠格から正宗の孫弟子までを展示。刃だけでなく、太刀拵(たち こしらえ:鞘とか)も豊富に展示されている。−−これ幸いと、わたしは拵を中心に見てゆく。

*徳川家ゆかりの拵*

位置口2品目から圧巻。作は忘れたが、家康流れで徳川家に残る逸品。

金の梨地で鈍く光り輝く太刀拵。鞘には葵の御紋が点々とあり、その部分が黒め意匠で金を引き締める。柄は白いブツブツのいかめしいもの。−−erkさんに教えてもらった:鮫肌の加工品だそうな。−−目貫部分は、もう忘れたが、やはり金の御紋だっただろう。

鍔(つば)は一切記憶に無い。なぜならば、そのあたりを覆うように、紫の太い紐で何重にも結わえてあるためだ。これは帯刀するための金具部分を覆っているのだろう。

−−いきなりとんでもなくリッチだ。惚れ惚れと立ちすくむ。

*刃*

しばらく刃を見ていくと、正宗の師匠あたりから刃が黒くなる。素材の含有率が変わるのかな? より細く、より軽く、より鋭利に…(??)。反りも少ないものが増え、より光具合が素直になってくる。これも技術の向上なんだろうか(たんに趣向の違いかも)

正宗になっても、やはり私には差異が分からない。鋳鉄の際に出る雪化粧を…と言われれば「これかなぁ」と思うくらい。「長剣よりも脇差のほうが切っ先の形がよいな」くらいは思うが、それは別に正宗の特徴ではないだろうし(切るものと刺すものの差か)

刀の峰の部分に掘り込みの溝が入るようになったのは分かる。正宗の時代だとシンプルな溝で、そのシェイプがなかなか見ごたえがある。より後の時代だと、ここに宝剣模様をつけたり密教真言(梵字)を彫ったりと、ゴチャゴチャしてしまってくる。それよりは正宗のほうが好ましい。

(余談:erkさんに聞いてみたが、この溝の意味は不明。「軽量化と重量バランスの工夫ではないか」とのこと。そういえば、“よく切れる”と宣伝している包丁も、刃の一部に穴くりあけがある。これと同じだったりして。 )

(余談:刀ファンらしき老人集団がいて、その話を聞いていると面白い。峰に傷のある刀を見て、「合戦の模様を創造させるよい品だ」と評価。峰の部分を“シノギ”と呼ぶんだとウンチクを語り、「シノギを削るってのは、この部分で合戦ひしめき合うことを本来は指すんだ」etc。)

*その他の拵*

太刀拵としては、冒頭にあった金梨地のバリエーションとして、黒漆地のうえに模様として金梨地部があるものが、見た目には一番綺麗。黒と金は互いを引き立てあう。

目を引いたのは、真っ赤な蛮刀。ふくらみの大きな節がいくつも連なり、先端が丸みを帯びて曲がって収束している。色は漆で落ち着いた赤。名称を見ると「海老ごしらえ」。まんまですな。たぶん鎧もセットで赤いんだろう。−−こういう傾いた(かぶいた)ものを見ると、「いかにも蛮勇、雄雄しい姿」「異国情緒」を感じるから不思議だ。

正宗の弟子の時代になると、目貫も細工が非常に細かい。たった2cmくらいのところに、金で作った獅子や鶴がが肉付き豊かにあしらわれている。これとあわせて、刀面に掘り込まれた真言や三根などの密教symbolを見ると、刀の持つ《魔よけの機能》を意識しているのかなーとは思う。−−好みはsimpleのほうだが。

オーラスから2つ目に、竹漆拵だかなんとかいうものがある。上下2つ、それぞれ違う竹を合わせ、そのしなりと節を生かしたまま鞘にし、形を整えたあとに漆を塗り、金の金具で固定したもの。−−だと私は思うのだが、erkさんは「名称から考えて、これは漆文様で竹節を描いたものだ」という。ガラス越しでは判別つかず。残念。

*みやげもの*

根津美術館特製の本、鑑賞シリーズ5[日本刀にみる花鳥風月]。上記の徳川家拵の類似品あり。金細工の目貫多数。その他、どの写真も美しい。

p22にある「23番 雁稲穂蒔絵大小拵」が特にgood。柄のベースはつや消しの黒。このうえに金で稲穂が描かれている。なんと神々しいことか。

デジカメで撮影してWebに転載するのは簡単だが、本書はall time販売商品なので自粛。皆さん根津に足を運んでください。


6/21

/少林サッカー/

(@新宿MILANO座 18:30の回)

公式サイト『電影双周刊(no.580 JULY2001)』掲載記事(個人有志訳)

香港の喜劇王 周星馳(シャウ=シンチー)(英語名:ステファン=コー)の作。彼の中にあるブルースリーへの敬愛とサッカーへの親しみが生み出した。名作喜劇。

*あらすじ*

(あえて少しだけ書く)

20年前。ファンは圧倒的なサッカースターだっが。が、ハンが申し出た金額に目がくらみ、八百長をし、観客の暴動によって足を折られ、すべてを失う。

そのファンがいま、とんでもない逸材を見つけた。シン。彼は少林拳を普及させることだけに意欲を燃やす。その鋼鉄の脚をサッカーで使えば…

シンの修行仲間は、いまは皆それぞれの仕事に。ほとんどが落ちぶれており、貧乏であるとともに少林への情熱も無い。しかし、シンの説得と自らの猛省により、ついに奇跡のサッカーチームが生まれる。ズブの素人だった皆だが、ファン監督の指導により成果はあがり…

ハンが主催するトーナメント大会。少林チームは順調に勝ち進み、ハンはオカンムリ。ハンは自らのチームに薬物を使用してまで、少林チームを押さえ込みに掛かる。はたして結果は?

*観ていて最初に思ったこと*

思わず、自分の体が動く映画だ。アクションに、ボールの動きに、体が反応して動いてしまう。気持ちいい。

*全体に*

非常に演出の行き届いた喜劇だ。筋は“貧乏・弱虫から強者へ”といったジャッキーチェンなどの拳法もの王道に借りつつ、差し込むジョークでも人物設定でも映像面でも 細部まで気を使って作りこんである。たとえば、《鋼の頭》がヘディングするときは、どんなに小さなシーンでも必ず金属音がする。真剣に世界を作り上げてこそ、このおかしさは生まれる。

ポーズや動作、クンフーの補助にCG加工を用いている。が、けしてCGに頼らず、きっちりと肉体を駆使している。だからこそ映える。のだと思う。シンのみならず、たとえばあの旋風脚によるボール捌きは、人間側のアクションがキマっていなければ(CGのみでは)フォローしようが無い。

余談:キーパーである若僧のみ、演技があと一歩。パンフによると、彼はもともとはチンピラ役だが、顔がブルースリーに似ているために、シンチーが主役クラスに抜擢したとか。今後の鍛錬に期待か。)

物語も表現も、アイディアはマンガ的だ。実際シンチーはマンガをたくさん研究しているらしい(パンフより)。しかし、それを肉体アクションとワイヤー表現とCG加工によって、見事に実写加工映像にしている。この作品は映画だから素晴らしい。と思う。

*オープニングから*

オープニングからツボを突かれる。惑星直行かと思えば、地球−少林修行者の禿頭−サッカーボールのドアップ。

続くスタッフロールでも感心。−−音楽に合わせて、小さなイラストを多数コピーしたものが流れ飛ぶ。一定ごとにイラストと位置が変わる。その合間に、画面狭しとサッカーボールが踊るのだが、このボールが小イラストにあたると、当たったものだけ「イテっ」という顔をする。

本編でも。回想の八百長暴動シーンから現在にモーフィングする部分、ハンの悪党笑いぶりは見事。その後のファンの落ちぶれぶりも、シンの衝撃的な脚力見せ付け登場も、どれもこれも見事だ。

*展開を積むことの素晴らしさ*

いきなりサッカーが上手い訳ではなく、始めは悲しいほどヘタで、でも繰り返すことによってきちんとサッカーになっていくあたりが偉いと思う。皆がクンフーに目覚めて「帰ってきた」あとでも、そのクンフーだけでなぎ倒すのではなく、きちんとドリブルし、きちんとパスをし、きちんとトラップして、きちんとシュートする。

実力差のある試合では、一方的に少林の力でねじ込む。相手も強い場合は、きちんとサッカーしたうえで少林の力を使う。初期の試合よりも、後半の試合のほうがサッカーが上手くなっている。

−−このような描画の生真面目さ、この細かさが素晴らしい。他の部分をマジメに描画してこそ、クンフーによる荒唐無稽なぶっ飛び映像が映える。と思う。

*音楽*

大人数による気合発声(ウッ!とかハッ!とか)を綺麗に取り込んでいる。メインテーマのローバス2種類+シャウトによるリズムが非常に心地よい。この音源が手に入るなら欲しい。

*好きなネタ(1)*

チーム結成後の練習試合。反則でボロボロに痛めつけられたあと、メンバーが己の精神と肉体の至らなさを悔い、ようやく精神を研ぎ澄まして「帰ってきた」。その瞑想シーンも素晴らしいし、その後の体術さばきもサッカーへの還元も素晴らしいが。なによりも。

シュートをミスってしまったシンの後悔の念が素晴らしい。すごい勢いで膝を折り、頭を抱え、肘を天に向け、叫ぶ。アイヤー! 

−−なんたる悲痛か!

*好きなネタ(2)*

決勝戦。キーパー(魔の手)が痛めつけられて退場後。あの地獄のシュートに対してどうするかで、控え室は内乱状態。それを収める3兄(鎧の肌)。

キーパーとしてゴールに着いたあと、スーパー証券マンであった彼は、ポケットから携帯電話を取り出す。クイックアクションで電話コール。奥さんへ。

結婚して20年間、秘密にしていたことがあるんだ。実は。

君を愛してる。

*ムイ(1)*

ヒロイン。香港のトップアイドルのヴィッキー。これに《顔中に吹き出ものの病気があり、自分に自信がない少女、だが太極拳の達人》という役をさせるあたりで、もう惚れ惚れとしてしまう。

登場、太極拳で念を練りながら饅頭の種をこねるシーン。そのポーズ、その動き、その気の流れのCG表現、その表情の曇り具合、どこをどう取っても惚れ惚れしてしまう。行動の1つ1つにシンが感心して目を見張るが、私も同じようにして見た。とくに、種の粉に陰陽を書くシーンで決定的。love。

中盤に差し掛かったところで、シンはムイを連れてホテルのショーケースを見せる(シンはホテルで掃除人をしている)。シンもムイも貧乏で、普段は砂塵で汚れる界隈で、汚れたままに働いている。ところが、このホテルの中は別世界。夢にでも見ないような綺麗な白い壁、大理石の階段、スベスベの生地のドレス、まばゆい宝石… −−それまでのムイは引っ込み思案の暗い表情しか見せたことがないのだが、ここで初めてその目を緩ませる。こわばったまま、恐れたまま、でもこの綺麗なものに純真な喜びを見せる。

−−この表情の変化。すごかった。実力派だな>ヴィッキー。love。

わたしは、ここまでのムイを愛する。

*貧富を考える*

その後のムイは、自分の殻を破るために努力し、失敗する。どうしたらいいのか分からないため、失敗と自覚しながらさらに失敗する。

(イボや膿跡の除去作業の傷跡が生々しい表皮、残る不自然な白い逆シミ、ごまかすための濃いメイク、かつメイク方針がわからないことによる とんでもなくケバい結果。店員に薦められたのであろう、これまたとんでもないサテンのpurpleのドレス。肩パット。怯えたままムリにハイになる。崩れる表情。)

この整形後(少林チーム初勝利後)の酒盛りでのムイの提示は、本作品中でもっとも異色の“意外さ”による笑いのシーンでありつつも、貧乏な少女のリアルな悲しみでもあると思う。

そのあと。シンたちはサッカーシューズを捨てる。新品が手に入ったため、「もう古いシューズとはお別れだ!」

観ている私は思う。日本人ならば、苦労をともにしたモノならば、その御礼として取っておくのではないか。これは国の違いか。−−劇は進む。

ムイ「またシューズに穴が空いたら、持ってきて。また縫ってあげる。」
シン「何を言っているんだ。もう新品のシューズを買える。もう貧乏じゃない。もう穴空きのシューズなんて履かなくていいんだ!」

ムイ、静かに静かに涙をこぼす。−−この演技も素晴らしい−−だが、シンにはそれを飲み込めない。

ここで私は思う。このムイの涙は、《変わってしまったシン》に向けられたものではあるが、視点は私とは違う。

私は日本人だ。日本国内平均から見れば裕福ではない。定収のない家計のために、一時的には貧困ですらあった。だが、それでも十分に裕福なのだ。−−貧乏のために食事の量が減ることがあっても、質が下がることがあっても、食そのものを抜いたことは無い。大家に追い出されたことはない。ツギあての服や靴は履いたことがある。雨漏りの酷い家にいたことはある。でも、それだけだ。欠乏と呼べるような状態にはない。友達と同じゲームを持てなかったりした程度だ。−−しかも、今は(実家の状態を無視して自分個人で考えれば)自分は裕福だと思う。

シンは、それまでの非常な貧困と奴隷のような扱いに耐え、ようやく金を得た後、古いシューズを投げ捨てる。このシーンにおいて。私は、真に共振することはできないし、違和感を感じても自分の立場を正当と確認するにもあたわない。もちろん、ムイに対してもだ。

そんないわれの無い不安を私は感じた。−−知らぬ間に、自分はなんと遠いところに来てしまったのだろう、と。

もちろん、これは映画を楽しむこととは無関係。

*ムイ(2)*

(ムイを好きなので、さらに書く。)

決勝戦当日。シンはムイが饅頭屋をクビになっていることを知る。

「うちは甘い饅頭が売りなのに、しょっぱいのしか作れないんでは役に立たないんでね!」

シンは残っていた出来そこないの饅頭を食べる。回想および想像シーン。泣きながら饅頭を打つムイ。涙混じりの饅頭。−−ここでのシンの微妙な表情は素晴らしい。

(が、上記の独白のとおり、私はここでシンがどう感じるのかを想像するのを断念した。どう思うのが主人公として正しいのか、私にはわからない。)

試合の終盤。ついに3兄まで倒れたあと。メンバー不足で試合の断念を迫られたとき、ムイが「私が出ます」と現れる。剃髪して。清々しい笑顔で「どういう髪型がいいのか分からなかったから、剃っちゃった!」と。そして、シンのために繕ったシューズを出す。

(このシーンは非常に輝かしい。が、私はかつての曇った表情のムイを愛する。このムイも嫌いではないし、ムイのためにはこうあるべきかもしれないが。)

小ネタのあと、悪魔のシュートにムイが対峙する。誰もが惨劇を予想するが、ムイは太極拳の型によって相手の力を曲げ、利用し、ボールを制御する。ムイの手のひらで踊るボール。さらにムイは回転を加え、それをシンへパス。

−−ここが作品のクライマックスであり、かつ最大に涙を流せるシーンだ。劇中でかつてムイが語った「柔よく剛を制す」が頭の中でリフレインする。直前の映像表現では、ムイのオーラが白い守り神となり、敵のオーラが黒い悪魔となる。その黒の乗り移ったボール、“悪意を持って”向かってきたボールが、いまやムイが手のひらの上で白に包まれている。なんと美しいことか。なんと神々しいことか。

このあと、このパスを受けてゴールできないならばシンは男じゃない。見事に決めて見せるわけだが…あの全身きりもみ回転も凄いし、フィールド中を破壊しつつ巻き込んで進むシュートの表現も凄かった。どうやって撮影するんだろ?

*エンディング*

この映画で最も素晴らしいのは、試合後のエンディングだと思う。シンが本来の自分の野望を忘れずに、それを達成させた。観客のほとんどがこれをサッカー映画だと思い込んだタイミングで、見事に少林の映画に引き戻す。

この、伏線というよりは《忘れたころに》ネタで作品をしめるあたり、本当に心から拍手を贈る。

(どうでもいいが。あのバナナのねえちゃんが(若き日の)鈴木京香に見える。)

*惜しむらくは*

私は次の演出を期待していたが、一度も無かった。たとえば、シュートを外したシーンで。あるいは、修行につまづいたシーンで。

クンフーが足りないぞ!

(気でもオーラでもいいけど)

こういうセリフがないより前に、反省という要素が徹底的に外されている。意図的なものだとは思う。説教臭くあってはイカンのだろう、少なくとも今回は。

でも、この叫びは欲しかった。ギャクとして、筋として。

*パンフレットより*

周星馳インタビューを読むと、意図的に戦略を練っているのが心強い。つねにファンを意識しつつも、自分のファンのためだけの作品にせずに、市場を意識し、興行成功を意識している。今回は明確に、自分の好きなブルースリーとサッカー、国内の少林拳への愛情、そして全世界的なサッカー盛り上がりをmixしたとか。

脚本1年、撮影4ヶ月、ポストプロダクション9ヶ月。綿密に練り上げた作品であることを確認できて嬉しい。でないとこの映像にはならないよな。


(余談)

個人的な命題として、ラジーニ=カーント映画と比較してみると… 

その前に、そのためにネタ分類。基本的には、ほとんどのネタは笑わせるために仕組まれている。と思う。が、2タイプに分けられるかな。

  1. サッカーアクションなど、表現として真剣なもの。それが真剣かつ荒唐無稽かつ圧倒的だからこそ、見ていて笑える。
  2. はじめからジョークなもの。たとえば、ウェストサイドストーリー風ダンスシーン。シンの軽口集。自分のチームがあれだけの離れ業をしておいて、決勝戦で相手を見て「ワイヤーアクション?」と驚いて見せたり。

でも、少林サッカーの最終ゴールなど、真剣に真剣にクンフーでボールを蹴った結果、周りの人間を巻き込んで吹き飛ばし、すべてを崩壊させ、ゴールキーパーの服を飛ばし、結局はゴールどと吹き飛ばしてしまうようなシーンは、(1)と(2)の渾然であり、区分ムリかな。でもまあ、それはそれとして。



6/20

/めし平日:目黒ちゃぶだい みごとなメンチ/

6月20日(木) 20:30 台湾小皿料理 台南担面麺@新宿京王

w/toy1氏。2人で以下を食す。

話題は。

先日の手羽先会合の感想。
Net思い出話から2chコミュニケーション論。
日本空間論。

toy1氏:閉鎖空間安定テーゼを提出
私:造園で学んだ一般論「西洋ブロック塀閉鎖」「和風垣根あいまい境界」
toy1氏:時代区分。江戸前後の変化。平和ボケとしての垣根。より前段階でのお堀。

いま思うと。垣根というのは、閉鎖内部の連帯(もたれかかり)をさらに高めるためのあいまいな敷居であるのかな。

すると、「2chの外に書いちゃダメだよ」と「昔ゲー板のやつはアフォばっかりだ」は、やはり矛盾せずに日本的にどちらも2chコミュニティーの見事なありかたなのかな。

ところで、slashdotはどういうコミュニティなのだろう。そもそも互いにコミュニティ嫌いなので、2人ともよく分からなかった。

コミュニストとアナーキスト論。
自覚的“アンチのためのアンチ”。
2ch文語と口語。


ちかくの喫茶“亜麻亜亭”に移動。

カフェオレが出てきたら、 表面のクリーム層の1/3くらいに食い込んで透明の膜が。 シロップでも浮かべられたのかと焦る。 クリームから分離した脂質が合体したものだった。 かき混ぜてやると、non sugarで爽やかな甘味。素直に飲めた。

話題は。

電話ローミングビジネス。CISCOとルーセントと北テレコム。
Appleの1つ2つまえの社長ってダレだっけ。
増井さん論。
Newton/TablePC話題。

きっと遥かなjuvenile、瞳の中のレインボー。


そのあと私は歩いて帰宅。西口から地下通路を通って都庁まで。そのままパークハイヤットへ抜け、北上。中央公園北の交差点で看板地図を眺め、つくづくと方南町と中野坂上の位置関係の悪さにため息。ハの路に広がる大通りなので、《どちらにも行けるようにしばらく進む》というのが出来ない。−−新宿の南寄りから帰るとこうなる。北寄りなら青梅〜坂上〜方南町なので悩む必要ゼロ。

だんだん雨が辛くなってきたので中野坂上を選択。といっても新宿警察に抜けるのは癪なので、適度に西曲がり。成子坂下から青梅街道へ。そして中野坂上。そこから電車。23:30帰宅。

6月20日(木)13:00 目黒ちゃぶだい

小分けお重ランチ

わたし、生まれて初めて メンチカツ食べて美味いと思いました。 考えてみると、中身はハンバーグと同じなんですね。 今日のは、細かく刻んだ野菜がたっぷり。 これとミンチのエキスの混ざったジュースが カツのなかからジュワっと。 隣にあるオイスター炒めのソースと混ざる。至福。

6月17日(月) 23:30 宝の蔵

一年ぶりくらいの宝の蔵w/toy1氏さんと愉快な仲間たち 総勢8名(含む私)。

私が手羽先(の唐揚げ)(愛知県民ソウルフード)をひさびさに食べたく、 皆を巻き込む。お付き合いありがとうございます。

メニューが一新されており、品が減っていて驚く。

食べる前に宣言。

「この店舗は、バイトさんによって日によって、手羽先の味が違います。ある日は塩辛すぎたり、ある日は物足りなかったり。」

その宣言どおりで、今日は出てくる皿によって味がかなーり違う。 最初に食べたものは味がない。が、隣(toy1氏さんたち)の皿はgood。 次に食べたのは塩辛い(私はこれが美味しい)。隣はnice balance。 次はこちらがbest。隣は塩辛い。といった具合。 みなで食べ比べながら進める。これはこれで話題のツマになってよし。 4、2、4、1と頼んだはず。合計11人前。

ドテ(牛スジの赤味噌煮込み)が全体に好評(あるいは同意を得られる)。 といっても、ここのは赤ワインでまろやかにしてあったりして、 本来の下品さがないので、愛知県民としては物足りない。美味いんだが。

個人的には椎茸串焼きがエキスたっぷりで美味かった。

ラストのほうのオーダーで味噌カツを頼む。 この段階で食べられるのかと心配したが、あっというまに無くなる。驚く。 といっても私も食べた。正調八丁味噌でこってり甘くて美味しい。 カツ味は非常に爽やか。 油がいいのか、それとも(酔っていて気づかなかったが)鳥のカツか?

6月17日(月) 13:30 目黒ちゃぶだい(店名が正確には不明)

カンバンが「MAGURO」「ちゃぶだい」「目黒katchan」で、 どれが店名かいまいち分からん。 店内、席はすべて ちゃぶだい だった。

日替わり お重定食  小さな区切りに少量で種類いっぱい

美味い。おどろいた。あの怪しい入り口で損してないか? たぶんこのWebのところ。おねえさん2人が作って給仕してたから。

ごはんに乗せた海草の佃煮(というのか?)が とてもよい香り。ご飯進む。


6/18

/悪夢:人形と歯車/

シーン1:

数名で電車で移動。toは大阪。fromは謎。たぶん名古屋あたり。 各駅停車電車で移動中。 なぜかわたしは(トイレにでも行くのだろうか)途中で降りてしまう。 そのとき、なぜか脇にいたtoy1氏がいう。

「2つ駅を戻って、そこにいる特急に乗れば、彼らより先に大阪に着くよ」
私はそれに賭けるのであった。

シーン2:

演劇場。ホールを席が取り巻く。席は、遠くほど階段状に高い。スタジアム型。 だが、演出はこの客席らしき階段を用いて行われる。 私は席の上、渡り通路でたって見ていた。 後ろからロープが中央に。 そのロープにはいくつかの仕掛け人形がぶら下がっている。 私はふと足を滑らせ、席の中ほどに落ちる。 上を見ると、ロープを流れて人形が舞台に流れてゆく。 キリキリと音を立てて歯車が回る。 あの歯車に巻き込まれるかもしれない。挟まれたら痛そうだ。 そんな恐怖が頭をよぎる。

シーン3:

シーン2を冒頭からもう一度みる。 ロープ人形を見て、下手な演出だなと感じる。

ここで目が覚めた。






ご意見ご要望及び苦情はE-MAILにて

e-mail to : jy3k-sm#!#!asahi-net.or.jp

inserted by FC2 system