【音楽雑記】


2001年6月〜4月

6/9

/AEROSMITH [just push play] /

初めて外部プロデユーサーを使わずに作成されたアルバムになる。アルバムタイトルには、「再生ボタンさえ押せば、あとはあなたを満足させる」という意味が込めらている。内容に関しては、本人らも大満足の模様。事前にプレスもたいへん褒めていた。「第3黄金期」系の表現が多かった。

実際、内容は良いと思う。しかし、[nine lives]のほうが好きだ。

全体に、ファンク色の強いヘヴィーネス=ロックが多い。[permanent vacaition]を思い出すが、聞き比べてみると、演奏力・コーラスともに本アルバムのほうが高い。

(2)just push play

ファンキーだ。リフのメロが安定して聞きやすい。サビ部分でのコーラスとメイン=ボーカルの掛け合いがよくできている。

(ただし、自分で「walk this way!」と叫んでしまうのは反則だと思う。なぜここで過去を呼び覚ます必要があるのか −−これで引退するつもりなら許すが。)

(5)trip hoppin'

これもfunk系だ。綺麗に組み立てられたギターリフの上で、rag dolldude系のポップなホーン=ラインが踊る。ボーカルには(エアロ王道なんで)新しい部分はないが、落ち着いて聞ける良作だ。

(6)sunshine

ブルース色を消して、マイナーコードの強みを出したミドルテンポのロック。サビのタイラー声のハーモニーの動きが、本作で一番綺麗だと思う。

実はAメロがフレーズ・演奏ともにfalling in loveの焼き直し。こちらのほうが気持ちよくまとまっているから、いいんだけど。

ここに挙げなかった曲も、悪いわけではない。−−というか、このアルバムは悪曲がないと評価してよいだろう。どれも平均レベルはクリアしている。

だが。新境地かといえば違うし、「かつてないほどの安定演奏」「同じ方向だが質が最強」とも言いがたい。たしかにjust push playして掛けっぱなしで全曲気持ちよく聞ける。裏返すと、減点はほとんど無いが、飛びぬけた傑作もない気がするのだ。−−たとえば、[permanent vacation]のほうが、演奏は下手だがアイディアは多彩だ。

とくに、バラードものは弱い。4曲中1曲が評価できるのみだ。前作[nine lives]ではバラードのラインナップが多彩かつ質が高く、ロック演奏の深みを見せつけた。そのあとだけに、バラード曲が軽いのはもったいない。

(7)luv lies

イントロからAメロまで、「またやっちゃった!」感溢れる、エアロ王道バラード。だがサビのメロが(エアロとしては珍しく)コード展開やフレーズが歌いまくっていて綺麗。ちょっとだけミスチルっぽい気がする。

ちうわけで、個人的な趣味としては、[nine lives]のほうが好きな作品だ。

/aerosmith[nine lives]/

1作前。1997年作品。感想を書いていなかったので、今書く。

全体としては、ロックとバラード系が交互に現れる、バランスのよい作品。ロックは多少パンクっ気が入っていて、ハイテンポでイキオイ中心のものが多い。バラードに関しては、エアロ至上最強というか、完成というか、ともかくハイレベルだ。

演奏面では。

(余談:バラードといっても、エアロのものは骨太ゴリゴリのものが多い。演奏だけでなくボーカルがブルーチューン(非マイナー)なのも関係していると思う。)

(1)nine lives

ギターのフィードバック=ノイズのみで始まったと思えば、タイラーの声の早回しがネコの鳴きまねをする。−−ジャケがネコなのと、この「nine lives」自体が「ネコは8度生き返り9つの生を歩む」という伝説を扱ったものだからだ。

その後、ドラムとリフが入ってくると、驚くことにハイテンポ(BPM190くらい?)のパンク系8ビート演奏だ。イキオイだけの荒っぽい作品。でもボーカルは丁寧にハーモニーを押さえる。それがけっこう気持ちよい。

(3)hole in my soul

王道バラード。

1番(という言い方はどうかと思うが、ともかく1番)のAメロのあいだは、ギターの簡単なカッティングとボーカルしか鳴らない。Aの終わりでドラムフィルが入り、Bメロ+Cメロとだんだんとバンド演奏で盛り上げ、サビに突入する。サビでは盛り上がり大会になる。

−−実にありがちだ! それを堂々と演奏し、しかもメロも演奏もレベルが高い。この「いつも同じことをやってきました」感がイヤミにならないのがすごい。

ちゃんと聞いてみれば、どこで何を盛り上げるべきかを深く把握しきった人間の仕業が見て取れる。巧みなものを普通にまぶす。高い地力が要求されることだと思う。

(5)full circle

これも王道バラード。しかも90年代の《エアロ王道》だ。cryingamazing系、「同じ曲でしょ?? アレ??」といいたくなるほどの類似性。しかし、この曲は完成形と評価できると思う。

−−「いままでエアロを聞いてきて良かった」と感涙する何かを感じる。なんというか、某格闘マンガ(グラップラーBAKI)から引用すれば(不完全引用だが)、こんな感じだ。

見たまえ。私は40年間毎日欠かさずこの正拳付きを1000本繰り返し打ち込んできた。これが、その成果だ。
(6)snomething's gotta give

ハイテンポなパンク系8ビート演奏。でも楽曲はエアロのポップさを持ったロック。サビの《タイトル叫び》部分と下メロの掛け合いがカッコイイ。

(7)ain't that a bitch

パワー系ブルーチューンのローテンポのバラードだ。大変感傷的で美しいメロディだが、タイトルはPrince並に下品。演奏は力強い。−−大げさだが、《ロックでバラードをやる》ということに関する1つの金字塔だと思う。

イントロとAメロでJazzっぽい入り方をし、少ない動きで調を提示する。Bメロで伴奏が複雑に和音を動かす中、ボーカルは単音のみでタメる。サビで一気にメロディが爆発する。−−このフリとこのメロで、なぜここまで力強い音楽になるのか、不思議だ。

すごいのばBメロだ。実際には単音とはいっても、音を伸ばす過程で1/4音くらい滑らかに下げる。この音場がえもいえずセクシーだ。実際にはハーモニーを足しており、かつ演奏のほうがコードを展開させている。この分厚い音場の効果は絶大だ。−−つまらない表現だが、脱帽モノだ。

(10)kiss your past good-bye

ミドルテンポのクリーンなポップ=ロック。A-サビ-A-サビという単純なリフレインの構成で、フラットな16beat。−−ヘタしたらhey jude(beatles)みたいな臭い曲になってしまうところを、エアロは演奏力と構成力で綺麗にさっぱりまとめている。

この演奏を聞くと「アルバム終わりです!」「ライブ終わりです!」というメッセージを感じるが、このアルバムは15曲入りで、まだまだ終わらない。

(11)pink

10の「終わり性」と呼応してか、「アンコールの始まりに落ち着いた曲を」という雰囲気を感じる。これまたミドルテンポ、ちょいユレ16beat。

評価する単語を探してみたが、なにもでてこない。−−すごくsimpleな楽曲。2小節ごとに冒頭に「pink」と入る、2小節ループの演奏。リラックスした演奏なんで、聞き手を緊張させない。単純ながらもブルーノートの響きの綺麗さをキープしている。

−−ようは《ふつうの綺麗なロック=ポップ》としか言えない。だが、それが非常に良いのだ。

アルバムの全体に、《普通》を突き詰めてきっちりしっかり演奏した感に溢れている。そして、《しっかり》演奏するのは実はすごく難しいからこそ、それを達成した作品に触れると人は感心するのだと思う。


5/19

/ウルフルズ/

5/19の自己顕示欲へ。)

/count basie[basie in London]/

56年のライブ版。後期ベイシーバンドの最高ライブ版と評価されている。しかし。どうも私には合ってないようだ。

根本的に音バランスが悪い。御大のピアノが大きすぎる。ドラムが小さすぎ、かつハイハットやロールなどの弱音が聞き取りにくい。ホーンセクションも。弱音演奏時はピアノに隠れてしまう。

ジャンルも。4beat/swingのテンポを早くして、部分的にビッグバンドを生かしたメリハリのあるリズムフィルを入れる。これが、なぜかイマイチに感じる。全員がタイミング一致で(カウンターメロなどナシで)フィルやブレイクを入れても、全体のリズムは単純な気がして。−−ひょっとして、裏にある対抗リズムが弱音で消えているのかな?

april in paris](同時期のスタジオ録音)では、スローナンバーで複雑な複合リズムを聞かせたり、弱音トランペットのハーモニーを効果的に押し出したり、はてはマンボをやってみたりと、音楽的な幅にかなりの余裕があった。−−私は、こちらの録音のほうが数倍好きだ。


05/12

/curtis mayfield[something to believe in]/

80年作品。メロウとゴスペル中心の作品。全体としては軽い。聞きやすいしソツないが、濃くないので物足りない。

だが。tripping outはスゴイ。もともとラジオでコレを聞いて猛烈に感動したので購入した。

(3)tripping out

ローテンポ(bpm84くらいかな)の3連16beat。FM7-E7-Am-Am7というメロディックマイナー進行。ユニゾンでリズムを刻むギターとベース。包み込むストリング。つぶやく声。−−全体にありがちなカーティスソングだし、実際には歌はたるい。しかし。

中盤以降。FM7-E7-Am-A7のA7の小節にて、ホーンセクションによる短いフレーズが入る。譜にしてしまえば、ものすごく単純だが…

[.... .... a.b. c.de |---- --.. .... ....]
4から起しで1にズレ込む。e-----の部分は、非スライド(指運?)によって1オクターブ上がる。

ソプラノ(?)サックスとトランペットの合音。トランペットは非ミュートで暴れながら高音を提供する。この響きが非常にセクシー。お尻の上昇音の不安定さも、際立って魅惑的だ。

また、後半では、カッティング=ノイズだけのギターフレーズが差し込まれる。左手をネック頭から腹のほうに動かしながらのノイズ=カッテイング(ティキトゥクン! )。パンクバンドみたいな演奏なんだが。歌のエロティックさにすごくマッチしている。

序盤は抑えて抑えて進行しているのに、中盤からトランペットが誘いの響きを乗せ、だんだんとギターの息遣いも荒くなり、最後にcurtisが裏声で「so sweet! so sweet! 」と感極まって。−−そして曲は終わる。

soul musicの官能が凝縮されたエンディングだ。−−歌のフレーズはぜんぜんたいしたことないんだが。

/山崎まさよし[僕はここにいる][セロリ]/

ラジオで[僕はここにいる]を聞き、非常に感心した。店頭にて[セロリ]も見つけたので、SMAP版と比べるため一緒に購入。

彼の歌は、独特の張りのある声の出し方で、初めて聞いたころは気持ち悪かったんだが、いまは快感に感じる。

僕はここにいる

bpm84くらいのゆったり16beat。長調だけど、bメロのマイナーフレーズが特徴的。ポップだけども甘すぎない、綺麗な歌です。山崎の声のキャラクターにベストマッチした曲ではなかろうか、と思う。この3年の「日本語の歌」で一番声に感動した。

*構成面*

構成が、上手いというか卑怯というか。大きくは次のとおり。サビを出さずに2順して、あとはサビのみリフレイン。

a-a'-b-a'-b'-c-間奏(c)-c-c'-後奏(c)〜

:小文字を構成単位記号として、大文字を和音記号として使います。)

*楽器進行*

aとbのあいだは、ドラムが出てこない。アコースティック=ギターとベーに、全編ストリングス。小さな音でリズム効果音が鳴っている。b'のラスにて、フィルとしてタムが入り、そこからようやくフルセットのドラムが入る。本番開始。あとはcをリフレインさせる。

−−これで感動しない人は、音楽の聞き方を知らないか、常套手段を嫌いすぎるひねくれものだ。

*abでのコードとメロディ*

コード展開は、abではゆったり展開が基調。aはトニック(C)から半音を生かして回る。しっとり感あふれる滑らかな動きになる。

c--- --bc b--g ag-- | b--- --bc g--a --g- | 
C                     CM7                   (←Cからの半音下がり)

f-ga ---- .... ..f- | f-ga ---- g---.. g-|
Dm                    Fm(a♭)   G7

d--- --cd c--a .a-- | c--- --bc b--c --b- | 
Dm         C#aug      F on C    G7         (←Dからの半音下がり)

e--g---- .... .... | .... .... .... ....|
C        Fm          C         G7(A'ではC7)

bでは、いきなりFM7-FmM7と胸キュンに盛り上げたあと、半小節単位でC-G+4-Am-Gdimとガンガンたたき上げる。C7で十分なところを、わざわざc#を使う(A7やGdimにする)のは、よほど泣かせたいときだ。−−ボーカルも順当にスケールを上り行く。聞き手は、ここで確実に意識を奪われる。

e--- --ca c--- ..c- | e--- --ca c--- ...g | 
FM7                   FmM7(a♭)

g--g ag.. c--c dc.. | e--e ..fe g--f --e- |
C         G+4         Am         Gdim

F6(Dm)にいったん落としたあと、最初のbでは普通にトニックに帰る。しかし、2度目のb'では、1小節でDmのあとにFm7に攻めに行く。ここでeを♭にするとは! −−ボーカルも、先ほどのアゲに続く追加の高音アゲ(fからaフラへ)を使い、感傷を継続させる。ここでG-G7と入り、前述のとおり初めてドラムセットも入りこみ、サビだ。

1回目のbの場合
f--- --ed ed-- ..d- | d--d --e- f--e --d- | dc-- 〜〜〜
F6                    Fm        G7          C    Fm      C       G7

2回目のb'の場合
f--- --ed ed-- ..de | f--f --g- a--g --f- | d--- 〜〜〜
F6                    Fm7(a♭e♭)           G     G      Gsus4   G7
*c(サビ)*

サビはかなり単純な循環コード。いままでと違い、半小節の早い動きを基調にしている。そもそも、ドラムセットが入るのはここからだ。リズムが強くなった一方で、一転してメロはほとんど動かない。主軸を固定して、周りを速い動きで包み込む。これで、無限ループのリフレインでもくどくならないばかりか、題材である「かなわない恋」の感じも出るわけだ。

bc-b -c-. bc-b -c-. | bc-b -c-c .... ...c| 
C         G           Am        C7

de-d -e-d -e-d -e-- | de-d -e-f ---- ed-- 
Dm7       A7          FM7       G7
*あえて苦言を出すならば*

あえて苦言を出すならば、2点。

(あれ、ラスのコードはA♭か??? ルートはGを抑えてると思うんだが。)

シチューを食べよう

bpm110くらいの3連ポップ。シチューの宣伝ソングだったんだよね。ほのぼの感あふれてかわいい。

イントロから、(トニックは本当はBだが、Cとして示す)C-C-Caug-Caug-F7onA-F7onA-A♭-G7と、これまたかわいい展開をする。半音でG-G#-Aと上がり、そこで一息入れたあとにD#-D(並行でC-B)と入るわけだ。かわいい。

g-- e.. d-c --g | -ge. d-c ---|
C                 Caug(なのでg#ね)

a-a c-d e-d c-d | e-d c-d --- ...|
F7onA(e♭)        A♭(e♭)G7
セロリ

bpm90くらいの心地よい16beat(少々ユレ)。綺麗なポップソング。

SMAPのとは演奏が根本的に違うのね。あちらは、シンセで(エレピだったかな? 持ってないから記憶のみ)イントロを綺麗に飾っていたけど、山崎オリジナルのはアコースティック=ギターとハーモニカだ(エレキギターのリードもあるが、ハワイアン風?)。

楽器もシンプル。Aメロではベーとギターのみ。シェイカー系のパーカッションが加えてあって、リズムを細かく聞かせている。BとC(サビ)では、シンセによる飾りが入る。ティンパニ系の派手なフィルドラムも。

−−このうえで、張りのよい声が踊る。やっぱ綺麗な歌だと思う。

Bメロが、SMAPに比べて甘めに崩れている気がする。SMAPのほうがカッチリ歌ってるというか。−−山崎の声は、低いようで成分が高いので、Bメロの低音メロでも声が抜ける。いっぽう、キムタクは意外に低音成分が多いので、Bメロが重たく響く。そのため、カッチリ聞こえるんだろうな。


(余談)

歌詞も好きだったりします。[僕はここにいる]では片思いな気分に浸れるし。[セロリ]では成就した恋が長続きすることを祈りたくなるし。

感傷的だ。我ながら珍しい。

それは別にしても。[お家に帰ろう]の「お家に帰ろう シチューを作ろう」という対は美しいと思う。



05/05

/音楽雑記:新宿virginリニューアル/

*やっぱ合わないぞ>Virgin*

4月21日に、新宿virgin mega storeがリニューアルされた。それまで01cityのB1Fのみだったのが、新ビル3F〜B1Fを占拠。

店内きれい! 3Fにカフェ(といってもドトール風)があって、窓から外を見ながら お茶できます。店内の音楽を聞けるから、音楽聴いてボーっとするにはよい空間。ほかにも休憩用イスがあって、多くの人がボーっとしてました。

品揃えは…ダメです。ぜんぜんダメ。量も少ないし幅も狭い。それ以前に、棚が見難い。横にラックが6つ並んでいて、分類進行は2つセットで横から下へ(次の文字図)。イレギュラー。意図がわからん。棚BとCの間に立った人は、混乱するだけじゃないのか???

図:virginの棚進行)
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|【棚A】|【棚B】|【棚C】|【棚D】|…
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| 並1 | 並2 | 棚7 | 棚8 |…
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| 並3 | 並4 | 棚9 | 棚10 |…
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| 並5 | 並6 | 棚11 | 棚12 |…
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分類も変だ。

ところで、視聴機システムが新しい(「CDを持ってきて、バーコードを通すと、その曲が聴ける」)。 ただ、全CD対応ではなくて、《視聴OK》シールが貼ってあるヤツのみ。 でも、なぜかどのCD通しても「このCDはデータがありません」と言われた。 もちろんシールは貼ってある。なんで〜〜〜???

*新宿タワーの企画コーナー*

というわけで、けっきょく新宿タワーにいってきた。 例によって、7Fの企画コーナーが面白い。

ELO

今回感動したのは《ELO新譜記念コーナー》。 その新譜は6月発売なのに、すでに視聴できる。 実はELO初めてなんだけど、すげーいいよこのアルバム。 王道のロックが、悪びれずにデーンと横たわっている。メロは、ロック系から、ビートルズ並にメロディアスなのまで。実際には特徴ないくせに、何気なく良質。

−−ELOの昔のアルバム聞いたけど、変にオーケストラが入っていて逆にチンケだった。それよりも、前進バンドであるMOVEの1stがよかった。ふつーのモッズなんだけど。モノラル録音なんだけど。バンドリーダー別人なんだけど。これがまた。カッコいい。

はっぴいえんど

あと、《喫茶店ミュージック》なコーナーが。 ここに[はっぴいえんど]が! なんとかロマンってやつ。4人の顔のイラストのヤツ。 これもよかったよ〜〜 もっとフォークロックでつまらないかと思っていたんだけど、 B面相当に入ると、かなりファンキーなのがあったりブルージーなのがあったり。 やっぱ上手い>細野晴臣+松本隆+松任谷ダンナ+大滝詠一

frankie valli

ライノレーベルのコーナーもあって。そこでfrankie valliを聞きました。宣伝ポップに「50年代最高のバンドなのに、評価が低いのは何故だ! 」とあったので。1曲目が[shelly]で。この時点で惚れました。だれもが知っているdoo-wopの名曲。どこから出てるのか不明な裏声で、コーラスがワウワウと進む。欲しい! でも邦版2740円は高い! こんど洋版探すべし。

また、「“君の瞳に恋してる”のオリジナルはココだぞ!」ともあったので、聞いてみました。ちょっと時代が下がるのか、ステレオ録音だった。裏声キンキンではなくて、だいぶ落ち着いた声。有名な演奏フレーズも、すでにこの段階で完成されていたんだな。80年のユーロビート版よりもこちらのほうが雰囲気もいい。納得の名曲です。−−ローリン=ヒルのテイクみたいに極度に変えたのも好きだけど。オリジナル系だと、やはりオリジナルにはかなうまい。

ところで。店内放送で、[機関車トーマソ]ってのがかかってまして、声が大槻でした。これ、《特撮》の曲?? 歌詞がひどく壊れてた。うろ覚えだが…

僕はきみの友達、だから遠慮しないで言ってごらん。 僕がお前を刺してやる。死にたいなら手伝ってやる。

補足:大槻参加のインディーグループ[電車]だそうです。検索したら出てきました。)


04/12

/空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ/

スピリッツかなんかの新連載のマンガで、主人公がバンドをやっていて、この曲のタイトルが出てきた。懐かしい! おもわず口ずさんだ。

星も出ていない夜に 弟と手をつないで 何も言わず待っていると 音もなく静かに 
空飛ぶ円盤が 雲から やって きたのさ

空飛ぶ円盤が 本当に来たよ! 空飛ぶ円盤が 本当に来たよ!
ちっとも待たせなかったろって 円盤は得意そうに そう言ったよ


映画に出たことのないヒトは乗せてあげられないって 円盤はすまなそうに そういったよ 
だけど弟は1度だけ映画に出たことが あるのさ

空飛ぶ円盤に 弟が乗ったよ! 空飛ぶ円盤に 弟が乗ったよ!
ちょうど映画でみたように あとはススキが揺れるだけ


空飛ぶ! 円盤に! 弟が! 乗ったよ!!! 空飛ぶ! 円盤に! 弟が! 乗ったよ!!!
ちょうど映画でみたように あとはススキが揺れるだけ

驚くことに、四人囃子公式サイトなんてもんが存在する。歌詞コーナーを見ると、けっこう記憶間違ってることが分かった。買うか>Q盤[一触即発]。

(この公式サイト、ディスコグラフィーはあっても、[いま購買可能なCDタイトル]は無いんだよなあ。会社じゃなくてファンが許可とってやってるみたいだし、しょうがないか。)


04/08

/arrested development [best of]/

リーダーのSPEECHは、歌も歌えるラッパー。声は高くて太いし、味がある。だたラップするだけでもポップな声なのに、フレーズの中に喋りラップを混ぜ込む。見事だ。

SPEECHの2ndが大好きだが、3rdはイマイチで、arrestedの新作もイマイチだった。だからこのベストにも不安はあったのだが、聞いてみたら最高だった。ひれ伏した形。

追記2002年8月:いや、ここまで褒めることもないな。いまやトラックとしてはDr.Dreのほうが上だし。でもarrestedの1st(テネシー入っているヤツ)は聞いても損ないと思う。)

(1) people everyday (metamorphosis radio edit)

タイトルからわかるように、SLYのeveryday peopleのサビを使った曲。カバーになるのかな?

ミドルテンポの3連16部で、ギターとベースとドラムだけのシンプルな1小節ループを延々と繰り返す。最初にダサダサなコール&レスポンスを8小節やるので退屈だが、このあとにeveryday peopleのサビが濃厚コーラスで降ってくる。これ以降は、SPEECHと女性の掛け合いラップがHipに続く。しゃべり/ラップ/歌の自然な切り替えによるみごとなライム。

−−イントロ以外は最高に気持ちいいっす。

余談:2曲目mr. wendalは、SLYのlifeを4部音符分サンプルしている−−気がする。)

(3) raining revoluton

暗い! スローテンポ、マイナーチューン。ベースフレーズだけでなく、ドラムからハイハットを抜いているのも重たさを強調している。見事な歌うラップが続いた後、サビにてoooohという悲しげな唱和をバックにタイトルがつぶやかれる。−−すんごくカッコいい。

私には英語聞き取り能力はないけど、途中のブレイクの叫びからすると、内容は「黒人差別と戦うためにcoloredであることを誇りに思え」みたいな内容かな。

(4) tenessee

この曲でグラミーとったんだっけ。たしかにすごく印象的な曲。

オープニングで、コンガと男のつぶやき「tenessee」だけの1小節ループが4つ繰り返される。このうえのドラムループとギターカッティングとベースの1小節ループがかぶさる。ミドルテンポ、やっぱマイナーチューン。

やっぱりSPEECHの歌うラップがうまいんだけど、この曲はサビのフレーズが明快に歌だからいいんだろうな。take me to the another placeという3音の上り下りによるフレーズ。物悲しいのだけど、とても力強い。

(5) afican's inside me (zingalamaduni mix)

ハイテンポの2小節ループ。小節の1と3だけで鳴るベースがグルーヴィーで、エレピのテーマフレーズとブロックコードがよく目立つ。SPEECHのラップとメンバーとの掛け合いが綺麗。

サビのメロディとして、一番好きだ。キーはGmで、コードは半小節ごとにGm/D-E♭-Cm-Gmと回ってる。メロは[.... f.e. d..c --b-]を繰り返す。この平坦なフレーズがどうしてあの物悲しさを生み出すのか。不思議だ。

(8) ease my mind

オルガンフレーズによる2小節ループ。ミドルテンポ、珍しくメジャーチューンだ。Aメロ分は歌ラップ(SPEECHのmovin' onに似てる)。

サビはタイトルをラップする。ベースが同じなのに、ここでギターのフレーズが入るとマイナーコードに感じる。不思議なものだ。

(9) fishing 4 religion

ハイテンポのマイナーチューンの1小節ループ。ベーとドラムが細かく動いて鋭角的だが、全編に詠歌風の白玉コーラスを入れているので、全体としては丸まっている。珍しくあおり系の派手なラップで突き進み、サビではタイトルのショートコーラスで繰り返す。アルバム中で一番攻撃的で、かつだいぶfunkな曲だ。

後半では、SLYの[stand!]のサビを引用して歌う。

(10) natural

シンセベースとギターが織り成す2小節ループ。少々ハイテンポめのメジャーチューン。ベードラだけ割れていて、ちょっとピシャピシャ音を含めてある。エレポップみたいな音。上記のベーのリフが王道チューンなので、雰囲気を柔らかめにしたかったのだろう。

ラップ部は特に語ることがないが、サビは絶品だ。2順以降のサビでは、爽やかでポップなスキャットとnatural naturalというつぶやきが入る。この部分、化粧品のCMに使えそうな勢いだ。美麗。

(13) mama's always on stage

どっかのブルースから取ったと思われるハープ(ハーモニカ)のブルーノートのトリルをループに使っている。強烈だ。珍しくスクラッチ音が全編にちりばめてあって邪魔なんだが、そういうマイナスポイントも、このハープによって消されている。この荒々しいハープを聞くだけで価値がある。

余談:このCDのマスタリングのせいか、イントロの3連の頭1拍が落ちている。)

04/01

/椎名林檎[真夜中は純潔]/

自分で買ったのは始めて。ラジオで聞いて、冒頭の「洗い立ての 黒い髪が」というフレーズが好きになった。演奏がスパカラで、それもよかった。

でも、買って歌詞カードを見たらルビが全部カタカタでデカダン読みにくいし、奇麗な音だと演奏も感心しない。音に関してはmixがよくないんだろうなあ。

CD面に印刷されているクロネコが可愛い。マネキン風の林檎も奇麗かも。

真夜中は純潔

スカパラ演奏。メロには昭和の歌謡曲でいうところのブルースの味がある。でも、演奏はハイテンポなスカ。ホーンのフレーズとかも気持ちよい。

ピアノは得点低い。あと、ウッドベースがエレキベースなフレーズを弾いているのも、個人的にはいただけない。

シドと白昼夢

swing風のポップ。≪swing≫であって、メロとか基本的にJazzではない。−−ムリに探せば、シナトラ風ポップスのニュアンスはある。−−そのニセモノっぽさがとてもカッコイイ。そういうその許せるキャラクターだ>林檎

演奏も歌も優れてるから、まあ、ジャンル名なんかただの遊びなんだけどね。

愛妻家の朝食

クレジットによればスケルツォってなってるけど、こういう音楽をスケルツォっていうのかな? 私には普通の椎名林檎ソングに聞こえる。サビのマイナーコード展開が切なくて、いいねえ。

アコーディオンをcobaが弾いているのが気に入らないが^-^

/la petite bande [J.S.Bach cantatas BWV 82-49-58]/

カンタータ集。1993年録音。BWV82はバスの独唱。あとのはバス+ソプラノの2声。

49のオルガンを除けば、問題点なし。私は基本的にクイケン兄弟ラブだから、感想を記しにくい。かなり満足しているから、批判精神が低すぎになってしまうもの。

BWV82

イエス誕生を知ったとある老人の歌。いちおうCm(ハ短調)なのかな。

冒頭テーマは(Amで記載すると)abc----ba----と、すごくあからさまなポップフレーズだ。かなり歌謡曲。演奏のほうも、メインメロディー+伴奏展開+サブメロディーと、ポリ性は押さえてある。

独唱カンタータだから、アリアとレチタティーヴォを繰り返すのみ。そういう意味では、展開に幅がない気がする。la petite bandeの厚みのある演奏とBachのメロディーだから、実際にはかなり満足して聞き進められるんだが、でももうちょっと意外性も欲しいところだ。

#5(最後のアリア)がかなりポリで、テンション高い。なんだかんだいっても、侮れない楽曲だ。

BWV49

シンフォニア(演奏のみ)付き。E(ホ長調)だと思う。

演奏にオルガンが入ってる。このオルガンが、まったくリバーブもトレモロも掛かってない音。足踏みオルガンの音か? 教会オルガンの空気感とか、Jazzオルガンの濁りとか、そういう深みがまったくない。これのせいで、音楽を楽しみにくい。ジャマだ。

曲は奇麗。掛け合いのレチタティーヴォがあるし(#3、CDだと#8)。2つめのアリア(#4、CDだと#9)のロ長調でのポリのメロディが凄く奇麗(..a- --bc dcba f.e. e---)。でも、最終デュエットのように演奏の前面にオルガンが出ちゃう曲だと、やっぱり興ざめする。

BWV58

ハ長調。1曲目のデュエット、ポップだ! 3連の3拍子。礒山の本のいうとおり、かなりダンスミュージックだ。

教会にくる一般人を惹きつけなきゃいけないわけだから、とうぜん原則ポップになるのかな。






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