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断片的なことしか覚えていない。
音楽をやる部活。ロック楽器も吹奏楽もある。それが体育館の使用許可をもらう。真夜中に顧問の先生についてランニングで現地に向かう。
マネージャーが1人、
「イラストは印税にしてもらってください」と叫んでいる。文脈不明。到着すると、煌々と明るい照明の中、バレーやらバスケやらやっている。この場で演奏するのか。音フィードバックはあるのかな。ちと不安。
楽器を抱えたまま、生徒代表3人+顧問で、現場の担当先生に挨拶。ふと脇を見ると、囲碁部が棋譜を並べている。これも熱いバトルだ。なぜかEさんはそこのマネージャーらしい。懐かしいひとをみて、深々と挨拶する。
みんな元気だといいなあ。
[calender]
denonのAliareシリーズ、Crest1000(廉価設定)の#170。収録曲は弦楽四重奏の#17と#14(K458と387)。
基礎音楽理論では、《音楽の三要素》として[メロディ][リズム][ハーモニー]を定義する。この理屈はバロック(bachなど)やJazzなどのポリフォニーでも成立するが、話が複雑になってしまう。
ところが。クラシックの中のクラシックたるこの弦楽四重奏では、メロディは高音・中音・低音を自在に軽やかに移動しつつも、同時には一本しかない(モノフォニー)。あとの楽器は、“ズンチャッチャッチャ”と和音構成のブロックリズム(ビート)を出しているか、メロディを補佐する形でユニゾン・ハーモニーするか、どちらかしかない。−−三要素が見事に結晶化しているのだ。
たまに対向メロディが弾かれる場合は、メインメロは白玉長音になっているか、一時的に休んでいる。ズンチャッチャッチャが移動するケースでは1度5度程度しか音を含まない。徹底している。
かように厳密なモノフォニー制限を受けながらも、モーツァルトの生み出したハイドンセット(始祖たるハイドンに捧げる組曲)は、メロディやリズムが目くるめく変化し、常に妖艶で飽きさせない。総体が明確に1つの音楽をつむぎだし、聞き手を包み込む。それがとても心地よい。
−−ずっとバロックのポリフォニー信者だったので、この心地よさにはとても衝撃を受ける。
ふとbachのヴァイオリオン+チェンバロのソナタを聴くと、メロディは2本が常に絡み合い、チェンバロの左手リズム部に聞こえる箇所ですら追うとメロディを持っている。この複雑な絡み合いもまた心地よいわけだが、でも万人に安心して薦められるのはモーツァルトだなあ。「バロック音楽が衰退してしまったのも止む無し…」
などとヘンな感傷を抱いてしまった。
(追記:注)
[メロディ][リズム][ハーモニー]は、たった1音だけで構成される歌ソロにも存在する。たとえば、メロディから音程を除去すれば、それがリズムだ。メロディから時間変化を除去して同時に鳴らせば(余分な音を避ければ)、それがハーモニーだ。
音楽は常に総体で1つであり、三要素は音楽を特定の側面でカットした場合の表現にすぎない。
ヘルムートリリング監修の全集の中の1つ#105(バラ売り)。副題が“keyboard works from the weimar period”とあるので、ワイマール期のバラ作品集なのだろう。BWVで903、922、818a、904、894が入っている。すべてチェンバロ独奏。
(全集hanssler edition bachakademie:この全集のサンプラーも持っていて、とても質がいい。そのころからrobert hill氏のチェンバロはかなり気に入っている。)
楽曲がどんなのかは説明しにくいが…fantasiaは、普段のbachとな異なり、やたらにハデなスケール移動でキラキラしてみせたかと思えばハデなブロックコード連打が来たりと、チェンバロのいいところを「これでもか」
と見せ付ける感じの楽曲になっている。fugaはいつもどおり。なお、私はfantasiaとpreludeの明確な差異はよくわからない
タイトルにはconcertoとあるが、このなかにはコンチェルトは1つもない。ただし、bwv894のpreludeが、なにかのコンチェルトの第3楽章とまったく同じテーマ部を持っている。−−いま手元にあるCDを片っ端から試したが、発見できなかった。おかしいな。
これも同全集のバラ売り#90。オルガン独奏。楽曲はprelude, fantasia & fugaだ。
当然ちゃんと楽曲になっているが、部分フレーズが別のコンチェルト/カンタータ/組曲に転用されたりしている部分がちょこちょこ見つかるので、表題が「アイディア」
になっているのだろう−−たぶん。
オルガンはふだん聴かないので、この演奏がいいとか悪いとかの評価はできないです。
いわいるorchestral suites。なぜbachでオーケストラ組曲なのかずっと疑問だったのだが、overture(序曲集)といわれると納得したので、バンドへの信頼感もあり購入。BMG版1982年録音(たぶん)。
楽曲は、ソロ部のないコンチェルトだと単純に考えて聞いている。チェンバロほとんど前面に出てこない、そのかわりオーボエ・ファゴットなんぞが大活躍。演奏は磐石で心地よいので、文句は一切なし。
BWV1067(2番)の5楽章の「g--d c.b. cbac | b--d c.b. a.g. f-ef | d--- ----」
というのが個人的には超有名曲なのだが、何に使われていたのだろう。愛知ローカルTVのCMでオーケストラ曲定番だったのかな。
SONYに移ったあとのSEON版、1976年演奏。チェンバロ独奏。ほかにはtoccata, fuga, fantasia。録音が太く、演奏のキレもよく、どれもお気に入り。とくにイタリアは数人持っている中で突出してbestだ。
2枚組みで、2枚目はチェロ組曲とリュート組曲からのレオンハルト編曲。悪くはないが、蛇足のような気もしなくない。オーラスはBWV903のfantasia。上記のrobert版もいいが、正統感はやはりレオンハルトが上。
実は前に「SONYに移ったあとのSEON版」
のブランデンブルグ組曲のCDが、音が非常に悪かった。どのCDも妙に安いし、このブランドを買ってよいものかずいぶん悩んだ。結果、このアルバムに関しては大正解だった。またいくつか集めたい。少なくともフランスとインヴェンションは買うつもり。
BMG版、1969年録音。当然のようにチェンバロ独奏で、かの有名な「この楽曲はチェンバロで弾くべきだ」
論文つき。
演奏が…厳格すぎます。固いです。「こんなにかしこまって聞かねばならぬものでしょうか、先生!」
と直訴したくなるくらい。いくら文化遺産的な荘厳曲とはいえ、これはちょっと辛い。
2枚組みで、2枚目のあまりにはBWV831のパルティータとともにイタリアが入っている。この版のイタリアは軽くて嫌い。
実はあまり気に入っていないCDなのだが、欠点があるわけではないので、勉強のためにとってある。
DHMのbaroque esprit(サンプラー)シリーズ。偶然中古屋で発見。レオンハルトのオルガンは通常のCD屋ではめったに見ないので、即決購入。
演奏は、いかにも荘厳な“イメージどおりの”bachオルガン曲。トッカータに始まり、あとはすべて“祈りの文句”が曲名になっているので、礼拝用の曲なのだろう。あまり詳細に突っ込んで聞いていないが、心地よい1枚。
ひさびさに行くと、2時間半があっというまに過ぎる。
「60年代リアルソウルが今よみがえる」と店員レビュー。まさにそんな感じで、サムクックやオーティスレディングの正統ソウルがいい意味でそのままメロ・演奏・空気感まで継承されている。聞いていて涙出てきた。
「ちくしょう、なんでこんなに懐かしいんだ」((c)クレしん)である。買わなかったけど。小遣い足りないのだ、ごめんなさい。
買ったのは、JB:2枚。Bach:レオンハルトで[フランス][イギリス][インベンション]、la petite bande[magunificat]。MOZART:クイケンのハイドンセットvol2と3。しめて1万3000円ちょい。
1970年作品だが、なぜか試聴機に入っていた。
JBいわく「自分のルーツとして、ゴスペルとR&Bはみな分かっていると思うが、実はJazzも大きい。このアルバムではJazzの面をフィーチャーした。」
とのこと。いつもより大舞台のホーンスを抱えての演奏。同じ曲のなかでも、ホーンがぶつかり合って激しいリズムを出すときもあれば、ゆったりしたswing感のときもあり、いろんな表情を見せる。ドラムが叩きまくりで、個人的にはやたら気持ちいい。
また、(【revolution of the mind】でも思ったが)“シンガー”としてもJBがやたら上手いことがよくわかる。叫ぶだけのトッツァンではないのだ。2曲目[Your Cheatin Heart]で心つかまれた。
[It's a Man's, Man's Man's World][Papa's Got a Brand New Bag]は、JB原版とはかなり違う世界を見せる。面白い。
が、タワーでは2480円だった。高い。amazonだと2188円。こっちで買う。
1967年のライブ版。超有名定番になっているので、期待して買う。
が、結果いまいち。悪いところはないが、押すべきところもない。これも先に【revolution of the mind】を聞いてしまっているからだと思う。
いつもどおりの紹介トークintroに始まり、ソウルフルに御大登場。[think]を歌ったり、ブルースの[KANSAS CITY]をやったり、客を煽ったり…と、悪くないんだがなあ。【revolution of the mind】のほうがバンドも当人も数倍はっちゃけてるから。うーん。
私はいらないけど、悪い版ではないです、はい。
(買って2年、ようやく感想を書く。)
同じくアポロシアターでのライブ、1971年。イントロからエンディングまでハイテンションで、楽器は、ギターリフもホーンフレーズもブロックリズムもすべて好調。御大のシャウトも、そしてシンガーとしての歌も絶好調。
「今日のステージは、あの有名なダイナマイトソウル! 紹介しよう、TRY ME、papa got a brandnew bag、SEX Machine…」と曲名を言うたびにバンドがフィルを入れて行き、入れるたびに音程があがる。最高潮に達したところで御大登場、バンドがリズムを刻む。御大ひとしきり踊る! 叫ぶ!
「なんで俺がhot pantsを好きか分かるかい? だって、what you is what you getだからさ!」と、カッコいいんだか悪いんだか分からないというか、なにか別次元のMCを言う。
「power to the pople!」のシャウトの張り! 演奏は、これもスタジオ版のレアグルーブさが少し潰れてしまっていて残念。
(余談:ここで繰り広げられるホーンフレーズの多彩さやギターリフの技を知ってしまうと、自分がPrinceに酔いしれていたのを恥ずかしく感じる。まあ、Princeは彼が聞いたものを消化してくっつけていったところをなんとか褒めたいのだけども、ファンク面にせよソウル面にせよ、オリジナルのひとびとのほうが濃いからなあ。)
これより少し前の時期のライブ版として【Love Power Peace】がある。Bootsy Collinsが参加した唯一のライブ版として高名。曲はだいぶコレと被る。
【Love〜】は、どちらかというとテンポが微妙にゆっくり目で、着実に演奏していく感じ。はっちゃけ感・ドライブ感を重視するなら、私は【Revolution〜】を圧倒的に薦める。
3枚組み、タワーで2510円だったので「3流廉価コンピか」
と思いながらも、代表曲を網羅しているので「single集だと思って」
と気軽に買った。
帰宅してよく見たら、Universal版のれっきとしたベスト版で、年代順・アルバム順にいいところ取りで演奏が並んでいる。立派なブックレット付きで、まずアルバムのジャケット写真が提示されて、そこから選んだ曲名がクレジットされる。
「どの曲が」
と語ることができないくらい、どれもこれも素晴らしい。
知らなかった曲で言えば、CD2にある【there it is】からの楽曲、とくに表題曲が素晴らしすぎる。ベースが[c--d .... .... ....]と鳴るだけのいたってシンプルな1小節ループ。冷静に考えれば芸などなにもないはずのこのループが、なぜここまでのグルーヴ感を持つのか−−そりゃ、絶妙に絡む弱音スネアや、ギターカッティングのリフ、ホーンのメロ、すべての絡み合いの結果だからだわな。
ふと気がつくと、【revolution of the mind】からとして[soul power][make it funky]がクレジットされているが、別のスタジオテイクが収録されている。これくらいのミスはご愛嬌なのかな。
正直、JBはどのアルバムをどう買えばいいのか、どのベストが信頼できるのか、いままで分からなくて手を出せなかった。CD屋に行ってもアルバムは少なく、変なコンピばかり。Jazzの大御所と同じ状態だ。
このブックレットで示されているアルバムも、大手タワーレコードだろうがHMVだろうが、見たことないものばかり。amazon.co.jpで検索しても、出てこないか、あるいは在庫切れ。買えないのだ。
その状態で、この3枚組みを買えた。この幸運を大事にしたい。
しかしまあ、同じ日にこんなにたくさんのBachとJBを聞くとは思わなかった。
[calender]
denonのAliareシリーズ、Crest1000(廉価設定)の#171と172。収録曲は弦楽四重奏の#19・#16、#15・#18(K465・428、421・464)。すなわち、#14〜19の6曲がハイドンセットなのだな。Kナンバーだとバラバラだけども。
感想は、vol.1とほぼ同じになるので略。もし1枚だけ買うなら、躍動感が素晴らしいのでvol.1をオススメ。もし無理やり聞き所を示すとしたら…
ところで。クラシックのカルテットは、指定調がCだったら4楽章ともCなんだろうか? このハイドンセットは、ざっと確認するかぎりそうだった。テンポは1と4が早くて、2・3どちらかがゆっくり、どちらかが3拍子というルールの模様。−−ちゃんとした勉強はしてないし、する気もない。
たとえばバロックのコンチェルトは3楽章構成と決まっていて、テンポは急-緩-急と決まっている。調性は、第2楽章で対調になる。CならばC-Am-C、AmならAm-C-Amだ。とても分かりやすいしドラマチックにしやすいので、賢いと思う。
といっても、バロックもソナタsuiteだと、たいして厳密な取り決めはなかったっけか。これまた不勉強。
[calender]
NHK[小さな旅]、どこぞの天体望遠鏡を紹介。スピカがまたたくのを大きく見る。点じゃなくて、フレアの煌きのような形状が見える。実際には地球大気のユレによる光屈折なのだが。ともかく綺麗であった。
[calender]
今日からしばらくやっている番組で、環境汚染警鐘のステロタイプ的なものなので、内容に興味はないのだが。
なんとなく公式サイトをみてみたら。このFlashのBGM。妙にパーカッションの音のいい、アレンジの楽しい[イパネマの娘]だ。読み込みも早いから、wavとかじゃなくて、Flash用のMIDIみたいなものなのかな。
Flashアニメの内容は、一見ペンギンがかわいいが、汚染被害紹介なので、見ていると悲惨。妙な気分になれます。
前半はストーリーもなにもなく、ただただドタバタと歌と踊りで進む。なのに一転して後半は《映画》で、複雑にストーリーが絡みだし、演技やら複線やらまであるので驚いた。とくに《謎の老人》の最初の登場シーン、「知っているひとは嵐と呼ぶ」
(大意)のカッコよさに痺れる。
ランガを守るシーンの殺陣のよさにも敬服。また、やられたザコはみな壁や窓を突き破って屋敷の外に吹っ飛んでいくのだが、それがCGでもSFXでもなんでもなく、実際にセットを突き破って飛んでいるだろうと思うと、撮影執念に頭が下がる。−−ただ、陰謀によるムトゥ追放のあと、暴力シーンがちと多すぎるかな。
気に入った役者・演技:
「ご主人様が死んだ」と聞かされたあとのムトゥの表情演技もスゴイ。ラジニカーント、笑顔とダンス以外もスゴイのだな。
オーラスで、ムトゥが正体(出生の秘密)を知らされた後も「旦那様はあなただけです」
と宣言するシーンで、かの印象的なメイン歌[主は世界にただ1人]が再歌唱される。こまかいセリフよりもこの歌一本が強い。見事なり。
でもやっぱり、166分は長すぎる。前半のストーリーは見なくてもいいんじゃないか。
それでも全体を通して、一番好きなのは改めて[菜食主義の鶏]だ。
「鶏」)をサンプリングしてリズムに取り入れる
(見ていて、「Princeや岡村はこういうのをやってくれたら嬉しいのに」
と寂しく思う。これもまた愚かな恋心だ。)
[calender]
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小寺さん:
[calender]
岡田くんから郵便がきている。結婚式のスピーチ御礼として、新婚旅行先の西表のお土産。
山猫あしあとキーホルダーがかわいい。レジン埋めの立体。フシギな手触り。
−−みせびらかしたいが、撮影しても表現不能だろうからやめておく。
virgin veritas版。録音日よくわからないが、初版は1985。タワーの宣伝ポップが「初期のSEONのあとの再録」
とあったので、こっちにする。SEON版より演奏時間が合計で25分くらい短い。
楽曲。イタリア同様、軽やか+踊る音の洪水で、とても気持ちいい。イタリアは単体コンチェルト(すなわち3楽章のみ)だが、イギリスは6楽章Suiteが6番まである。どれも3分程度の短い曲ばかり。46分+51分、たっぷり楽しめる。
音。とてもいい。チェンバロの繊細な高音だけでなく、締まりある低音が出ている。ラッキー。
2枚組みで1750円。安い。
SONYのSEON版、1975年録音。
なるい。たるい。楽曲として音のつながりがイマイチだし、演奏テンションも控えめ。このCDはいらない。
上記イギリスのブックレットの英語を私が読んだところ、フランスはバッハ作曲ではなく、他人の曲の編曲だとのこと。だからかな。
(なお、イタリア/イギリス/フランスのそれぞれ曲名は、それぞれの国発祥の音楽様式をBachが用いたから後年そう付けたらしいが、そもそもBachがそう明言したわけでもなし、厳密にその様式だけでもなし、さまざまな語弊の元になっている…とのこと。)
SONYのSEON版、1974年録音。
つまんない。盛り上がりところも、曲フレーズに感心するところもない。
もともとこの楽曲はチェンバロ演奏技法習得のための練習曲なのだから、作品として鑑賞すると辛いのかな。実は[平均律]もレオンハルトDHM版を買ったが、ちっとも面白くなかった。−−しかし、多くの著名アーティストが録音・販売しているのだから、作品価値もあるんだと思うが。わからん。
勉強曲だと思えば、「ああ、ここで右手と左手でフレーズ交換するとこうなって、左手のこのリズムに右手がこう絡むと2声のメロになって…」
などと思わなくもないが、そんなのはどの曲でもやれることだし。
[calender]
(2年間も感想書かなかったのか…)
スピッツといえば、こんなイメージだった。
そのイメージは、2000年以降のsingle[メモリーズ][夢追い虫]で覆された。しらんまに演奏力がすごくあがっていて、ロックで、物悲しくて、かつ歌詞が立脚点のあやういキチガイ犯罪者っぽいのだ。
そして本作を買ってみた。ひれ伏した。これはすごいバンドだ。
イメージ一新した。
「ありきたりのリズムを刻むかな」と思いきや、小節冒頭でバスドラとベースがユニゾンで強いリズムを刻み、あとの部分に余白を残す。この展開に惚れた。
「ミカンズ」と表現するあたり、あいかわらず言葉の才能がすごい。
「小節頭にドラム+ベースユニゾンで力をいれ、後半余白」をやってみせる。ブルースバンドなんぞの常套手段をポップに取り入れる。洋楽みたいだ。
「振り向いて欲しいだけの 見え透いた空振り」は胸に痛い。
「本当は犬なのに サムライのつもり」という絶妙な歌詞あり。
「だめだな ゴミだな さりげない言葉で溶ける心」など、妙に痛いのだ。
「ザラザラの世界へ」と意味不明なことを言う。
「東京の日の出 すごい綺麗だな」。これがまた、まったく綺麗だと思っていなそうな感じ。ひねくれ具合にもほどがある。
怪物作。
「これはプログレだ!」と叫びたい。
「それは謎の指輪 さらばシャレやユニヴァース|君が望むようなデコボコの宇宙につなぐ」
「はじめから はじめから 何もない|だからいま 甘い手で 僕に触れて」
「もしも君に会わなければ もう少しまともだったのに」だ。
「LOVEと絶望の果てに」
「君を自由にできるのは 宇宙でただ一人だけ」。
「ガガッ」とカッティングをいれるだけ。あとはドラムが猛烈にフィルを入れ続ける。このうえで、マサムネがディストーションつきで歌とモノローグの中間のようなものを語る。−−再現部では、展開しながらギターが暴れだす。恐ろしいほどのグルーヴ。
「右手に小銭ジャラジャラ|あなたのために蝶になって|飛んで行けたなら」
「ジュテーム? バカだよな」なんて歌詞、他のひとでは説得力がないだろう。
素直に傑作。ジャケの少女も妙に幻想的に綺麗。
「ウミガメだったころ すれ違っただけの」縁。美麗。
「愛はコンビニでも買えるけど」
「ヘンな下着に夢がはじけて」など、さりげなく奇怪な歌詞を散りばめている。策士だ。
「代わるがわる覗いた穴から 何を見てたかな」が非常に秀逸。サビの
「さよなら」コーラスも非常に秀逸。名演奏だ。
「終わることなどないのだと思い込んでれば」
「やり直してもよいのです ひとりぼっちでも」。A-B(サビ)-C(サビ補助尻尾4小節)というヘンタイ展開でも、すべてにおいて美メロ。
「いえい 猿が行く 猿のなかを」という不思議な歌詞。プログレだ!(いや違うけど)。
全体に暗くてあいまいでダラーンとした作品。これじゃsingle聞いて美を求める普通のスピッツファンも納得しないんじゃないか?
ただし、ラスト[チェリー]は大傑作。サビの「愛してるの気持ちだけで強くなれる気がしたよ」
は、言葉もメロも力強く美しい。ホーン・ストリングスを贅沢に使ったアレンジも珍しい。間奏ブレイク後の「想像した以上に すばらしい世界が 君を待ってる」
部の演奏の盛り上がりは必聴。
「なんだこのタイトルは」
「なんだこのナヨっとしたAメロは」とは思うが、どの曲もサビメロが美麗。頭が下がる。けど、女性アイドルとかに献曲しといたほうがいいのじゃなかろうか。
というわけで、2大ヒットsingle以外は大きなバツもなく、印象悪くないアルバムだ。
[calender]
すごかった。アニメーションの表現力+CG加工、それなりのレベル。いまの週刊アニメってすごいのだな。−−ただし残念ながら、主人公エドの声優、わたしは苦手。肉体の少佐が“センベイさん”なのは、なんとなく人脈が古い気がする。焔の大佐はいい。−−別側面だが、弟アルがルックスと声のギャップがあることで、マンガ版よりも《状態の異常さ》を意識しやすくなっていると思う。
話が単行本7巻(8巻は7月の新刊なので未読)を超えてずいぶん先に進んでいるので、さらに驚く。オープニングでのあらすじでの、寂しげな「〜〜賢者の石。それを追い求め、手に入れてしまった」
だけでも圧迫される。その賢者の石の正体にも、総督の裏切り事実にも、驚きながらも納得。
なによりも、今回のオーラスでの焔の大佐のセリフがよかった。狂おしさ、力強さ、ともに最高のレベル。
わたしは数年前、とある医者の夫婦を殺害した。その夫婦は、戦争時に敵味方の区別なく治療した。そして治癒した人間が敵となり、市民がたくさん死んだ。
軍は何度も指導したが、その夫婦は改めなかった。そこで処刑の指令がくだり、私は従った。(ここで悲痛な表情の“焔”氏回想が入る)
それ以来だ。私は、軍の上層に食い込む覚悟を決めた。命令とはいえ、不合理な指令に従ってはいけない。従わなくてよくなるために、自らが上層になるのだ。
だから、鋼の錬金術師よ、私がお前を追っているのは、総督の命令だからではない。自らの意思で、お前に腹を立てているからだ。
なぜお前は、(雇い主である)私に保護を求めなかったのだ!(お前はやっかいごとに巻き込まれているのだろう?)
こりゃあ迫力あるアニメだ。裏番組のカスミンを録画している場合じゃないのかも。
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