【ネコとか唄とかそんなもの。】

2006年03月 11-20日

よりぬき: 音楽雑記neko写真マンガ美術各種感想悪夢別の月/年

<< < 2006年3月 > >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
or other month/year

PR:日本留學情報網 taiwan2japan 從台灣向日本

Generated by nDiary version 0.9.4

2006年03月11日(土)

03/11●春の新宿御苑の梅・桜・子供・台湾閣photo

photo photo photo

photo photo photo

NHKニュースによると、梅が例年より遅く、桜が例年より早いため、今年は東京あたりで2つが同時に咲くという。様子を見に、新宿御苑まで。まだ混雑というほどの人手でもない。

梅は立派に咲いている。いい香り。

桜は、早咲きのものがいくらか咲いている。−−んー、例年のことだが、やっぱ桜は大して好きになれない。梅のがいい。台湾杉のほうがいい。

03/11●新宿御苑のカメラおじさんたちphoto

photo photo

いつもどおりカメラおじさんたちがいっぱい。デジタル一眼率が高いのに驚く。しかもNikonkならD200、Canonなら20Dクラス。KISS Dは少ない。たまにいると、ものすごく小さなカメラに見える。1D系もD2xもいる。Nikon2台体制のひとまで。

フィルムは、いるけど少数。驚いたことに、PENTAX645を使っているひとがいた。奥さん(らしき)が助手をしていて、予備フィルムの装填やレンズの管理をしていた。

(みんなが三脚を立てているのを見て、思わず写真じゃなくて測量をしたくなった。もう機械の扱いも計算のしかたも一切思い出せないが、ちょっと働いてみたい。)

03/11●マザーのUSBが壊れた

screenshot screenshot

数日前、キーボードとマウスの調子が悪くなる。断続的にしか反応せず、マウスはカクカク飛ぶし、キーはかってに「あああああああああああ」になったり。USBからPS/2に切り替えてしのぐ。

今日ようやく気が付いた。USBが根元から逝かれている。外付けUSB HDDもNG、本体内蔵のカードリーダー(USB経由)もNG。デジカメ写真を取り込めないので気が付いた。

「システムの修復」をあれこれやるが、どれも当たらず。しょうがないので、PCI USBブリッジとカードリーダーを買ってくる。1380円+1280円、最安値。

せっかくカードリーダー内臓タイプを買ったのに。すごく悔しい。ちょっとの出費とはいえ。

[calender]

2006年03月12日(日)

これでスピッツを【三日月ロック】まで感想コンプリート。買ったのはだいぶ前。

03/12●スピッツ[惑星のかけら](ほしのかけら:1992:3rd)music

screenshot

1曲目から、恐ろしくハードでゴリゴリの音のギターリフが出てきて驚く。アルバム全体に、ハードさ・骨太さ と ポップ・美メロが同居している。恐ろしき完成度。

いったんこの境地に達しておきながら、それを捨てて、[空も飛べるはず][ロビンソン]などのチャラチャラした路線に変わって、大ヒットを勝ち取ってみせた。恐ろしき商売人根性。−−商業音楽家として、最大級の敬服に値する。当人たちは、アーティストとして ものすごく辛い道を選んだと思うのだ。

01 惑星(ほし)のかけら
 上述のとおり、ゴリゴリ・骨太のギターリフに始まる。重たいミドルテンポ。
 Aメロではギターが長音ジャーーーンとフィードバックを拾って、そのまま消えてしまう。基本ドラムとベースのみ。simpleで効果的。マサムネは抑えた声で歌う。動きは小さめ。
 サビはギターもハードにリフを刻み、メロも動き目。でも声は張り上げない。その抑えた感じが気持ちいい1作。
02 ハニーハニー
 ポップなブギー。「すかんち」みたいだ。そして美メロ。美サビ。
03 僕の天使マリ
 ポップなカントリー。そして美メロ。サビの「マリー(マリー)」の掛け合いが綺麗。
04 オーバードライブ
 ふたたびゴリゴリ・骨太のリフ。
 歌部のギターは単純なリズム カッティングだが、ミュート部の《ノイズ》と《ハーモニクス》が絶妙で、脅威の域。曲名どおり、オーバードライブの歪みが心地よい。
 そういうハードな音でありながら、歌は 気を抜いて冗談を言っているような雰囲気の 優しいポップ。美メロ。そして美サビ。名演奏
05 アパート
 その後のスピッツのキラキラ路線(ギター)を先取りするような感じ。アルバム内で相対的に軟派。あまり好きじゃない。
06 シュラフ
 スローテンポで、ちょっとプログレ風味の不思議なコード展開をする、浮遊感あふれる1曲。フルート入り(まさにプログレ)。Aメロは3小節進行だし。変幻自在さを見せ付けられる。
08 波のり
 サーフィン音楽をパロったかのような、ノーテンキで軽快なサウンド。そしていきなり「僕のペニスケースは 人のとは ちょっと違う」などと言い出す。ヘンタイ。しかも6小節展開。なんだこりゃと思いつつ、サビからintroのキメ再現(ベンチャーズのドゥクドゥクまで含む)の再現への流れは、どうしようもなくポップ。脳をやられる1曲。
09 日なたの窓に憧れて
 これもキラキラ路線(シンセ)。現段階では異物感。
10 ローランダー、空へ
 intorはハードロックなのに、A歌は力の抜けたバラード。演歌に近いアレンジ。
 サビは、不思議なメロ+コード。(VI度下降 1.5+I度帰結 1)*2+IImVIの2+V度 1*4。キテレツでありつつ、大胆な美展開。名演奏
11 リコシェ号
 インストのA部+シンプルなキャッチのみ歌のB部。サントラみたい。アルバムの終わりとして面白い。

03/12●スピッツ[花鳥風月]からスピカ(1999:8.5)music

screenshot

‖全体像

アウトテイク集。インディーズ時代の[おっぱい]まで収録。ライナーを読んでいない(レンタル)なので詳細不明なのだが、ひょっとしたらデモ曲集と呼んだほうがいいのかもしれない。

(訂正:教えていただいた。B面集だそうな。)

アレンジは全体に簡素というか手抜きというか、リズムに合わせてギターをジャカジャカやっただけの程度が多い。私は あまり満足できない。

‖スピカ

その中で。[03 スピカ]が、例外的に、圧倒的に光る。単純なアレンジなのにリズムが力強くて、メロも直線的でいて(単純そうでいて)しかけがあり、強く印象に残る。

無粋だが、サビ頭を採譜する。してみると、サビは長7度を配置した、スレスレで美にも醜にも転ぶところで立ち回っていると分かる(1・2小節目はb、3・4小節目はe)。−−シロウトさんがカラオケで歌うと、この長7度が歌いにくくて困るのではなかろうか。

	C(M7)Em7   E7   Am  
	efgb --cb |--cb -a.g
	FM7  Am/e  Dm79 G7  
	face --fe |--fe -d.d
	 
	Em7         Am   C7
	dddd -efg  |---c ..ac
	FM7          B♭  G7
	f-e- dc.b♭ |---- b---
	

この微妙で不安定なメロを、綺麗なコーラスと単純なギターカッティングで包み込み、力強く美しい響きで表現している。

(私の大雑把な理論は「音楽が快楽を与える原則は、トニックとスケールに対して音場を これでもかと不安定にして、そこから帰結して安定に戻ること」。まさにそれに沿って作ってくれたかのような作りだ。)

‖ふたつのスピカ

実はこの曲は【一期一会】で椎名林檎がカバーしており、ラジオのオンエアが激しかった。林檎版は、イントロはオルゴール的なキラキラアレンジでローテンポにしており、サビからドラムが入ってテンポアップ…というふうにしている。先にこっちを聞いたので「面白いアレンジだ」と感心したものだが、オリジナルの 飾らないパワーに接したあとは、「小細工だな」と思ってしまう。

シンプルは強い。シンプルで強い。

03/12●スピッツ感想indexmusic

公式

‖後期

screenshot10th【三日月ロック】screenshot9th【隼】(ハヤブサ)screenshotmini【花鳥風月】より[スピカ]screenshot8th【フェイクファー】7th【インディゴ地平線】より[チェリー]screenshot6th【ハチミツ】

【色色衣】は、アルバムを持っているひとには無価値なsingle集だと思う。11th【スーベニア】は個人的にまったく気に入らなかったので、店頭視聴のみ。

‖初期

screenshot1st【スピッツ】より[うめぼし]screenshot2nd【名前をつけてやる】screenshotmini【オーロラになれなかったひとのために】screenshot3rd【惑星のかけら】screenshot5th【空の飛び方】

4th【Crispy!】は聞いたけど気に入らないので未記述

03/12●RADIUS・microKORG

screenshot

KORGの新製品。コントロールパネルが薄く突き出ているのが 見た目にかわいい。

最近QY70いっぽんやりで、microKORGをいっさい弾いていない。もったいない。 売ろうか と思ったり。

死蔵と売却、どっちがもったいないだろう。

[calender]

2006年03月13日(月)

まんだらけ+ブクオフでマンガ売却。ダンボール1箱、40冊くらいで5700円。なかなか優秀。

今日は中野フジヤでFA*85/1.4EDがAB-品5万円を発見。激烈にお得。でももう写真を撮らない可能性が高いのでスルー。ものすごく後悔。

03/13●今日の救出回収:岡村靖幸[早熟]music

screenshot

外箱(紙の化粧箱)なし、帯なし。1350円。@阿佐ヶ谷ブクオフ。思わず回収。

(いまみたら、今日のamazonにはもっとお得なのがあったが、まあよし。マーケットプレイスは送料が高すぎるので気に入らないのだ。)

本作は、【靖幸】【家庭教師】の間に出されたベスト版。同じくその間に出されたsingle[peach time]の唯一の収録アルバムでもある。

愛情示すには ある程度がむしゃらさが重要です
肝心なのは今 ほらお前のカウントがなくちゃ! 1・2・3!

なんで僕らが生まれたのか 絶対 きっと
オンナノコだけ知っている
なんで僕らが泣き出すのか 絶対 きっと
オンナノコだけ知っている
ほら もうじきさ 苦い青春にgood bye

この時期にふさわしく、音楽はポップかつダンサブル。歌詞は見栄っ張りと愛嬌にあふれる。名曲だ。これを回収できたことを嬉しく思う。

本作には、初期シングルの[dog days][shining](君がスキだよ)も収録。

バージョン違いでは、[Lion Heart]のHollywood Version(ちょっと豪華オケ)も収録。peach timeのremixも。

[聖書]は、残念ながらalbum版がそのまま入っている。この曲は、single→同収録remix→album版(brand new horns!)と3段階に進化したとうのに。

[out of blue]は、オジリナル版とは叫び「フォーー!」の位置が違う。なぜ変えたのかは知らぬが、この変更版(4の位置)よりオリジナル版(3.5)のほうがリズミカルで好きだ。

あと、どこかのsingleのB面で[out of blue]のライブ版があった気がするのだが、それは収録されていない。勘違いかもしれない。

(余談:本作発表以降だが、[あの娘ぼくが〜]のB面[ホームシックVer.]は、ローテンポ+アコギ1本によるまったくの別テイクで、名演奏。[ターザンボーイ][パラシュートガール]のB面は[イケナイコトカイ]のliveだった。この2つはいまだアルバム未収録。−−全集には入ったのか?)


ジャケ裏は、prince【lovesexy】を意識したのか、ヌードに十字架onlyの靖幸のバストアップ写真。これでは さぶ だ。

[calender]

2006年03月15日(水)

03/15●看板「本当」photo

photo

中野ブロードウェイの駅側出口あたり。

03/15●2006年3月15日の月齢は15

今日の月

photo

15がそろっていい感じ。記念に。

9月以外でも十五夜というのだろうか。

[calender]

2006年03月16日(木)

岡村について書こうとしたら、たぶん単位がKBで収まらないと思う。時間も無限に掛かる。ので、表面だけ。−−これで13kb。校正も切りが無いので、これで放置。

03/16●岡村靖幸のデビュー前(うろおぼえ)music

  • たしか高校中退(Webでは「帰国子女」という情報もみたが、確認できず)
  • 渡辺美里のツアースタッフとして参加(ローディー??)
  • 曲も提供([泣いちゃいそうだよ]という、実に岡村らしいタイトル:未聴)

渡辺美里のレコーディング時に、待合室で踊っていたところをスカウトされる(と聞いた:ソース不明)。

  • デビュー前はシンガーandダンサーに専念するはずだった
  • レコーディングしてみたら、他人の歌詞ではどうしても感情を入れられない

というわけで、シンガーソングライターダンサーになった(C)どんなことしてほしいの僕に。

03/16●岡村靖幸[yellow](1st)music

[out of blue][check out love][water bed]は永遠に不滅です。

[water bed]のPrince Methodぶりはすごいと思う。それ以外は、けっこうふつうの80年代ポップ。

03/16●岡村靖幸[date](2nd)music

screenshot

[19][いじわる][どうかしてるよ][うちあわせ][不良少女][イケナイコトカイ]は永遠に不滅です。

リアルタイム当時の私は「岡村は3rdの靖幸が出発点」と思っていたが、今聞くと 2ndで十分すぎるほど開花している。ポップとダンスとダークの融和の快楽、あるいは混ざらずに並べることでの快楽。岡村得意のエロ語りもすでに導入されている(が、ちょっとテレが見える)。

[いじわる]のPrince Methodぶりはすさまじい。具体的には(1)頭ビートにベースなし (2)ベースは3〜4のみにネチョっと (3)2小節に1回のみハンドクラップ (4)[.... .... X--X ....|.... X--X .... ....]のリフ など。間奏部のドラムは[hausequake]まんま引用だ。

本作では外部プロデューサーがいる。そのおかげか、エグさがありつつも、素直なポップアレンジとして聞きやすく優れている。

名バラード[イケナイコトカイ]は、何度流れてきても、つい いっしょになって感情をこめて歌ってしまう。こんなに大事なことはそうはないよ(C)ラブタンバリン。


高校生当時。同級生のオンナノコがこんなことを言っていた。

「シティーハンターのテーマが入っているから買ったら、騙された!」

同じく、その曲(Super Girl)をシティーハンターで聞いたうちの母は、こんなことを言った。

「この歌詞、いいたいことがちっともわからない。ヘンな歌!」

ダーリン、21で仕送りもらってる!(C)Super Girl

03/16●岡村靖幸[靖幸](3rd)music

screenshot

全曲・全演奏が非常にレベルが高く、個性も豊かで、おろそかな気持ちでは記述できない。

vegetable
 曲の基本はアップテンポのロカビリー型ブルース。でも、そんな言葉で収まるモノではないのだ。
 ゴージャスなホーン。豊かなベースライン。的確なスライドギター。イントロから吐息ドラム。ポップ。「青春しなくちゃマズイだろう」
 後半のスキャットコーラス以降のアドリブのテンションもすごい。そのスキャット自体も、4小節ループで作られた大きなもの。ふつうは単純な半小節叫びとかでおざなりに作るのに。
カバー
ラブタンバリン
 エレポップ。ちょっと聞いただけでは、ナヨナヨのヘンな曲。「このバラ持って、TVの男たちのように 告白タイムを見つけ出したい」
 ラストだけ、突然音が全部消えて、ドラムとワウギターだけになり、あげく32分音符で激烈hitキャッチが鳴る。天才は照れ隠しも強烈だ。
どんなことして欲しいの僕に
 スロー。エロ。Prince Methodの塊。吐息ドラム。2種類の粘着ベース。抑えたシンセパッド。裸のトランペットの鮮烈なメロディ。
 語るイントロ。超裏声のわななくAメロ。歌うBメロ。コーラス(ボコード?)の分厚いサビ。
 歌詞の内容は整合が取れない。パートによって、いまともにいる相手が口説いている対象だったり、愛人だったり、悪女だったり聖女だったり。でも、そんな整合を求めるようなヒトではないのだ。
友人のふり
 ちょっとたるいバラード。ごめんなさい、例外的に、好きじゃない。
聖書(バイブル)
 ダンス。実は歌部は好きじゃない。
 イントロの語りのエロさ、その背景のシンセ音楽の深刻ぶり、なにもかも素晴らしい。−−イントロは[lovesexy]のオマージュだ。
 後半の「brand new horn!」以降のアレンジは絶妙。
だいすき
 「しーはー!」の子供合唱団のスキャットで始まる。超ポップ。「オンナノコのために今日は歌うよ」
Co'mon
 ドラムとシンセベース中心の煽りファンク。Princeの[タンバリン]を数段ゴージャスにした感じ。だんだんと足されていくギターやホーンのフレーズが素晴らしい。
Boys
 「大人になるまえに まず立派なる 子供になろうよ」。ミッドテンポ。口サンプリングドラム「こんこんこん」。マリンバの不思議なリフ。全編で響き渡る合いの手ギター。ポップ。
 「ゆうべ見たのさ 電車の中でマンガを読む 親父くらいのひとを/あぁ、ダサイんじゃないのかなあ」−−ごめんなさい、日本の風紀の乱れは それどころじゃ済まなくなってしまいました。
 ちなみに、後半の語りのバックでのギターフレーズは、Princeの[GramSlam]まんまコピー。
愛してくれない
 ねちっこいジャズ風バラード。ブラシのドラムとベースのスラップ含むフレーズが絶妙。
Punch↑
 自虐的な会話「岡村って気持ち悪いよねー」から始まる。Prince[controversy]パロか。
 演奏が始まると、激烈なビートのダンスソング。Bメロでの「絶対!」などの合唱がハデで好き。
 ラストでタンゴに変身する。でも、ぜんぜん違うフレーズではなくて、実ははじめから同じベース。ドラムを変えただけ。
バスケットボール
 ミッドテンポのポップ。ものすごく綺麗なバラード。しめっぽいやつじゃなくて、元気なやつ。実はかなり とても 本当に 大好き。
 「いつも 大人たちに 振られ続けてた/パパとママの涙など見たくなかった」「雨がしとしとと降り続けている/そんな気持ち 君だけは そっと分かって」「僕ら誰もいない教室の 机に書いてある意味の無い落書きさ」
 クリアなギターのカッティングとシンセがすごく綺麗。ベースフレーズもすごく凝っている。ドラムはリンのハンドクラップを含め、Prince Method。

本作から自分プロデュース。

本作から、岡村ハートが導入される。


アルバムが違うが。[peach time]でのウッドブロックの「こかっ こかっ こかっ」のディレイは、Prince[dance on]のコピーだわ。いま初めて気が付いた。

screenshot早熟

03/16●岡村靖幸[家庭教師](4th)music

screenshot

当時の音楽誌すべてが大絶賛したといっても過言ではない。衝撃作。論文が1つ書けるほど。

どぉなっちゃってんだよ
 エグいファンク。ギターのフィードバックから始まり、猛烈なリズムが提示される。
 Aメロは、コンガでリズムが崩してあり、歌メロもおかしな形で、ぱっと聞いて形が分からない。にもかかわらず。この鮮烈な歌は 抗えず耳に残る。
 Aメロ・Bメロの歌詞内容は社会への皮肉。絶望的。「ねぇ 職場のとなりの席がバカなセクハラ上司で キミを撫ぜたら殴るの?」「だって重要なことなら だれかれ問わずにファッション×2」
 それを越えると、メロもコーラスも歌詞も美しいサビが。「どうなっちゃってんだよ? 人生がんばってんだよ。一生懸命って素敵そうじゃん!」。この声の素晴らしいこと。聞けば分かるが、彼はすべての怠惰を優しく受け入れ、乗り越えるのだ。
 間奏部の32分音符によるアコギのカッティングは本当に鮮烈。
 後半は、「ベイベエ、週刊誌が俺について書いてることは全部嘘だぜ!」などのおかしな語り(Prince[controversy]パロ)とギターソロ、コーラスなどが複雑に絡み合う。アドリブ部もキメ打ち合奏部も、ともにクオリティが高い。
(正直、いま聞いていて泣けてきた。この才能が いまは失われたというのか…)
カルアミルク
 手の抜かれた打ち込みドラムとベースによる、軽いバラードポップ。でも歌は切ない。
 歌詞は相変わらず矛盾する。でも、「がんばってみるよ 優勝できなかったスポーツマンみたいに ちっちゃな根性みにつけたい」という部分は 本当に美しい。
(E)na
 ポップファンク。メロディアスなベース、シンプルなカッティングのアコギ、低めのスネア、ウッドブロック、合いの手のホーンズ。見事なアレンジの極地。
 コード進行はブルースなのだが、それに気づくのにずいぶん時間がかかった。それくらい鮮烈。
家庭教師
 エロ。ダーク。吐息ドラム。語り。アコギの不思議なリフに始まり、ねっちょりドラムが被さって行く。そして猛烈に目立つサビ。フリーク。
 歌詞は全体にわやくそだ。大学生には家庭教師も付けないし、門限もないだろうし、授業参観もない。「送金だって30万も毎月じゃパパかわいそう」。でも、それでいいのだ。その全体の違和感が、この曲のフリーク性をあげている。と思う。
 間奏部のギターフレーズは、Princeの未発表曲[semi-a collia](spellうろおぼえ)のパクリである。ブートから引用するのはいけないな。
あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう
 ポップ。美メロ。青春って1・2・3 ジャンプ!。名曲。
カバー
ビスケットLove
 ミドルテンポのファンキーなポップ。リズムボックス+アコギ+スライドギターの不思議な音空間。
 そしてエロ。ボーカルのはじけ具合が素晴らしい。

ホーンやベース(上手い!)などの例外部分を除くと、すべてが岡村自身による演奏。そのせいか、打ち込みベースは妙に簡素すぎたりする。

03/16●岡村靖幸[ターザンボーイ](single)music

半年後くらいにリリース。アレンジ・曲としては[カルアミルク]の焼き直しみたいな曲。ドラムはPrince[alphabet st.]をコピっている。

03/16●岡村靖幸[パラシュートガール](single)music

その1年後くらい。超ポップ。「天真爛漫なガッツポーズ見せた あのオンナノコが来てない」の部分のイキオイのあるコーラスのよさ、「キミの弁当箱 ほうばんなきゃ 部活でもがんばれない」という自分勝手な歌詞、いろいろとハイクオリティ。

ただし。この曲は構造がおかしい。メロの基本パートが5つもあるのだ。普通は多くて3つで、増やすとしたら中間部分などに変化を持たすために応用パート入れる(応用パートはリフレインしない)。なのに、本作は基本が5つ。正直なところ、ポップ音楽として構造が成立しているとは言いがたい。複雑すぎるのだ。

このへんも、天才が悩んで悩んだ結果のフリーク作品だとして、singleとしては受け入れられた。ターザンボーイと対(boy and girl)で、なにかのストーリーが生まれそうでもあった。アルバムでのポップな昇華が期待できた。


カップリングは[イケナイコトカイ]のlive。エンディングの「my girl」のボーカル上昇がスタジオ版より1段階高く、7+3度まで上がる。

03/16●それ以降の岡村靖幸music

【家庭教師】5年の間をあけて、アルバム【禁じられた生きがい】が ようやく出る−−が、期待したようなポップと狂気の融合はここにはなく、混乱した岡村が見えるだけ。複雑すぎるダンス音楽。不安定なだけで美しくないメロ。エグいだけでエロくない歌詞。私の好きな岡村は死んだ。

このあと、彼はさらに潜伏してしまう。

ロッキンオンの電話インタビューによると:

「ブルセラでパンツ売っちゃうとか、そういうのに衝撃を受けて、こんなんじゃいけないと思って、どうやったら思いが伝わるのか分からなくなっちゃって」。

−−そうなのだ、エロを歌う彼は、世界でいちばん真摯に愛を信じていたのだ。

(ごめんなさい、日本のモラル崩壊はそれどころじゃすまなくなりました。)

Webで読んだ記事だが。小室哲也のラジオにゲストで呼ばれて、こんな病的なことを話したそうだ。

岡村「ねえ小室さん、ディスコで踊ってて、オンナノコが声を掛けてきて、“よし、キミならデビューOK、だからホテル行こう”なんてことあるんですか?」

どうでもいい余談だが、ロッキンオンで、民生か誰かのインタビューにて。

「スタジオの廊下をフラフラしてたら、すごい豪華な打ち込み機材がゴミに出されてんの。見たら札が付いてて、“岡村靖幸”って。これ見たときは興奮したね。」

その後、2年に1度くらい なんとかsingleを出すが、ポップのかけらも無い音楽ばかりがリリースされていった。

さらに8年くらい潜伏したのだろうか。single[モン・シロ]、アルバム[Me-imi]など出るも、傾向は同じ。

そして2005年。彼は大麻吸引の現行犯で逮捕される。しかも渋谷のタワレコのトイレで。2度目の逮捕だそうで、実刑が出た−−もう「本当に大事なキスを販売」(C)(E)naしてくれるひとは 本当にどこにもいなくなってしまった。

03/16●岡村靖幸 初期ビデオクリップ集music

私に岡村を教えてくれた高校時代の友人がくれた。

out of blue
 どしゃぶりのなかを、鬼気迫る顔で岡村が踊っている。奥のほうに、抱き合っているカップルがいる。間奏部分で、岡村が突然そのカップルから女を奪い取る! 男が「なにすんだ」と怒り、取り返す。歌に戻ると、また岡村1人で踊り狂う。
check out love
 部屋の中で岡村が1人電話を待つ。その断片画像を、ストップモーションで、ものすごく早いリズムで不安定につないでみせる。
young! oh! oh!
 部屋の中。岡村と、外人美人。外人美人は岡村にジェスチャーで「ねえ、遊びに行こうよ」などとモーションを掛けるが、岡村は座り込んで何もしない。
 が、サビになると 突然起き出し、狂ったように踊る。そして、歌に戻ると、また座り込む。
 外人美人は間奏部分で あきれて部屋を出て行ってしまう。
dog days
 ハマショーのようなグラサン、ブルージーンズ、白Tシャツ。歌の内容どおり、オンナノコに浜辺で振られる話。
19
 真っ白なスタジオ。たくさんのヒトが、思い思いの楽器を持ちながら、マネキンのように動かない。そのあいまを縫って、岡村が1人、歌い踊りながらみなに語りかける。
 間奏部分では、岡村が動かなくなり、皆が走り回る。歌に戻ると、またみな止まり、岡村だけが踊る。

03/16●岡村靖幸 映画[どんなことしてほしいの僕に]music

意図不明の青春映画。音楽は絡んでこない。ので、purple rainを意識したわけでもなさそう。金山和彦が助演。女優は忘れた。

1つ、車で海に向かうシーンかなにかで、岡村がギターをジャカジャカやりながら「電車でんしゃイエーイ!」と騒ぐシーンがある。あえていえば、これが未発表曲か。ちなみに、いいメロ・いい叫びだったりする。

[calender]

2006年03月18日(土)

03/18●ドゥキダカラ。

screenshot

レギュラー(あるある探検隊)が、ある番組で韓国料理店に行ったとき、こんなふうに自己紹介をしていた。

西川くん「アイム Japanese イ・ビョンボン。ヒーイズ Japanese ペ・ヨンジュン」
松本くん「…アナタノトガ ドゥキダカラ。」

西川くんの唐突の無鉄砲な自己紹介に、これだけのボケをかました、その松本くんの芸人根性に乾杯。


番組は、土曜日にやっているフジテレビ[バニラ気分]のなかの1コーナー、[値引き探検隊](12:50〜13:10)。各商店街自慢のご飯を、たとえばオムライス900円を、ガツンと200円まで値下げさせる、そのイキオイある交渉がけっこう好き。

昼飯を食べに行く居酒屋(やすらぎ)がこの番組を流していて、このコーナーだけ好きになっている。

[calender]


goto: latest or index or 拍手する
2004 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2005 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2006 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2007 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2008 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2009 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2010 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2011 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2012 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2013 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2014 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2015 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2016 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2017 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2018 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2019 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

よりぬき: 音楽雑記neko写真マンガ美術各種感想悪夢別の月/年

<< < 2006年3月 > >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
inserted by FC2 system