【自己顕示録】


2000年10月


タイ旅行記(バンコク)

/事前/

7月ごろだったか、今年の社員旅行はタイはバンコクだと決まった。私は入社3年目だが、仕事の都合で、いままで社員旅行には参加できていなかった。今回はぜひ参加したいと思った。旅行は10月。私は11日〜14日の班。

9月後半、ガイド本などで情報を仕入れた同僚がいう。

うわ、10月のタイって雨季じゃん。スコールばりばりで、道が浸水して、歩けないらしいぞ。

その本の写真やWebをみると、ちょうど先日の名古屋の大雨後みたいな市街が写っている。Yahoo! Asiaで天気予報を見ると、連日RainかClowdかThunderstorme。最高気温は32度前後。うひー。

自分でもガイド本を買って、何を見ようか計画する。アユタヤまで行かなくても、王宮やらワット=ポーやら綺麗ではないか。ウキウキしてきた。

『旅の指差し会話帳(1) タイ』(情報センター出版局)も購入。日本語と絵とタイ語が併記されたもので、指差して見せながら発音して意思疎通を図るものだ。代表的な返答も、同じページに収められている。

さあて、ガンガン喋るぞー。−−付け焼き刃じゃあ言葉は通じないと分かっていても、なんとか楽しんでこれそうだ。

胃弱な私がタイ料理の刺激に付いていけるだろうか。それが心配だ。

補足:ERKさんから、「フルーツは、むきたてのじゃないと食べちゃダメ。カットフルーツは、保存状態が悪いし、生水で洗ってあるから危険。ジュースも、氷が生水の可能性があるからダメよ。」などと言われた。ERKさんは、大学の卒業旅行で東南アジアを廻っているのだ。また、旅好きなカメラマンさんから、「現地では10倍くらい吹っかけられるので、気を付けて」などと注意をもらう。うーむ。私は海外経験ゼロなので、どうなることやら。)

/11日/

*出発*

ここんところ、仕事が込んでいて、24時以降帰宅が普通。でも、前日は19:00には会社を出てやろうと決めていた。しかし、そううまく行くはずはない。DTP発注会社の担当デザイナーの病欠などの不慮の事態を含めバタバタがあって、けっきょく22:00まで会社にいた。同僚KBRJRも同じ時間まで会社にいた。

朝06:00に起きた。07:08新宿発のNeX(成田エキスプレス)に乗らなければいけない。うー、つらい。間に合うには間に合うが、朝飯が…

空港にて先輩のKMSMさんと合流。話を聞くと、KMSMさんはバンコクに2週間ほど滞在した経験があるという。彼に付いていけばバランスよくいろいろ楽しめそうだ。私は海外旅行初めてなので、KMSMさんに導かれながら手続きを済ます。

余談:団体としての集合時間になっても、同僚KBRJRは来ない。話によると、いま個人手続きを済ませているところらしい。あとで本人に聞いたところによると、起きたら07:00で、そこから車をすっとばしてきたようだ。)

フライトは11:00から17:30まで6時間半。初めての機内食を食べたり、ドリンクをもらったり、映画を見たり、寝たりして過ごす。−−ドリンクといっしょに柿ピーが…ここは名古屋か? −−機内食はマズイ^-^ なんつーかペースト状なのに堅い肉という不思議なものを食べてしまった。

1時間半経って、ようやく大阪を抜けたあたり。先は長すぎる… 結局3時間くらい寝てしまった。

余談:偶然窓際に座ったので、雲の様子や飛行機の翼の動きを見られた。けっこう細かく翼が動くのに感心。飛行って大変なんだ。掲示を見ると、対地速度900km/h。外気温は-50℃。)

到着1時間くらい前になると、現地の雲が厚いらしく、飛行機が揺れるようになる。うぷ、酔うぞ、気持ち悪いぞ。とほほ。

*ホテル−市場探索*

到着。曇ってはいるが、雨は降っていない。ラッキーだ。17:30なんだが、時差があるので現地では15:30。空港からバスで宿泊先へ。なんとHilton International。ゴージャスだぜ。

部屋割りなどの説明を受けた後は、本日は自由。KMSMさんとKBRJRと、さらに同室のSDOさんとともに飯を食いに出る。

ホテルを出て北に向かい、ほどなくチャラームロック市場(th. petchaburu/ chalermlok market)。連綿と連なる屋台に、怪しい食べ物からグッズまで(エロ本、服、時計、小さな家電など)、ありとあらゆるものが並んでいる。−−通りのいたるところに、なぜか野良犬がいる。しかも体格のよい野良犬だ。あれも食べるんだろうか…?

補足:後にガイドさんに尋ねたところ、「仏教国であるタイでは、野良の動物も殺さない。だから野放しで増えるんです。」とのこと。「でも、下手に可愛がったりしてはいけませんよ。万が一噛まれたりしたら、狂犬病になっても不思議じゃありませんから。」)

食べ物は、引き裂いた肉やソーセージが、カットフルーツが中心。調理済のものは、焼き串が多い。鳥は丸焼きもある。−−ところどろこにカエルもいる(;_;) 綺麗に皮を剥いて真っ白になったカエルが、姿のままならべられている。うひー。カエル恐いよー。

MKSMさん曰く、こういうところで食べるのが美味しいらしい。が、今日は体調も万全でないので、もう少しよいところを目指す。ラチャダム通り(th. ratchadamn)との交差点にてISETANを発見。南下して、そちらに向かう。

余談:タイは交通事情が悪い。悪いというか、明確に車優先なのだ。大きな道は車道であり、しかも一方通行に整備されている。歩行者が向こう岸に渡るには、原則は陸橋を渡る。ムリに道を渡ってもよいが、車は止まってくれないうえに、警官に見つかると罰金を取られる。)

余談:そういえば、ゴミを捨てても罰金刑だ。たしかに、町にも店にも、いたるところに警備員がいる。混沌としたなかでも秩序が守られている。)

*なんとなく通じた*

ちょうどこの当たりで、現地の観光客狙いの客引きに、ソバ系の店の宣伝を受ける。わたしは、事前に勉強したタイ語で「マイ=アオ(いらないよ)」と言ってみた。

「oh、マイ-アオ、OK! then、トゥクトゥク?(とバイクの真似)」

なんかしらんが、通じたようだ。「そのかわり、バイクタクシーはどうかい?」などと攻めを変えた。通じたという単純な事実が嬉しい。

*ISETAN−対面にて飯*

その彼を放っておいて、ISETANへ。しかし、まだ18:00なのに閉まっていた。張り紙によると、今日は17:00まで、しかも明日は休み。棚卸しかなにかのようだ。

対面のストリートが、小さな店と屋台のオンパレードになっていた。KMSM氏曰く、「ここはデパート街だから、屋台も安全」とのこと。実際、多くの店が中国語と英語で品物名が書いてあり、かつ値段も明示されている。

余談:インターネットカフェもたくさんある。また、町中にある看板にも、URLの併記されたものが多い。バンコクは都会で、原則は日本と変わらない。)

その中のひとつの小さな脇道に入り、屋台の食べ物を眺めた後、安全のためにレストランに入る。タイスキのお店テキサス(なぜテキサス?? ^-^)。ファミレス風だ。店員はカタコトの日本語も喋れるし、英語もカンペキ。ここにて、牛豚エビ野菜をシャブシャブ風に食べる。チャーハン・春巻きも添えた。どれもこれも美味しいが、特にチャーハンが美味しい。やはりタイ米は炒めるのが美味しいらしい。パクチー(香野菜)も上品。−−ここでたっぷり食べて、4人で716B。約2100円。タイにしては高いんだが、文句はない。

その後、屋台で汁麺を食べる。1杯30B(90円)を、4人で2杯。チャーシューとワンタン入り。スープは塩味中心。これまた美味しい。

このあたりは集合屋台になっているようで、屋台でアンチャンに注文すると、中央のテーブルに通してくれた。なんと、作ったものをテーブルまで運んで来てくれた。だれに代金を払って良いのか一瞬悩んだが、集めに来たネエチャンと店のアンチャンがちゃんと意思疎通していたので、このネエチャンでよいのだろう。

注意:もっと卑屈な市場では、無関係の人が金をせびりにくることもあるらしいので、注意が必要。)

なお、この屋台では、交渉で英語も使えた。アンチャンらも、客が観光客だと見ると、はじめから値段を英語で言ってくれる。ガイド本には「英語はぜんぜん通じない」とあったが、あれは嘘だ。いやがられるかもしれないが、英語は通じるし、日本語で客引きをする人も腐るほどいる。

注意:といっても、日本語で客引きをやるような店は、あきらかにボる店だと思うが… ボるっつっても、現地の倍くらい取られても、日本の相場と比べたら まだ安い。「まだ安い」といって払っちゃうと、逆に問題。その金額は相手にとっては超大金なのだから。)

*SOGOを冷やかして帰着*

腹を満たしたところで、更に南下。プルーンチット通り(th. ploenchiht)との交差点で東に向かう。ちょうど市街を1周してホテルに戻る算段だ。

この交差点のあたりに『そごう』がある。時間が遅いために本体は閉まっていたが、同じビルにある他の店を冷やかしてみた。

あやしいみやげもの屋のなかに、VideoCDとインチキCDを売っている屋台があった。VideoCDは日本では消えたが、こちらでは一線で活躍しているようだ。映画からエロまで、なんでもアリだ。インチキCDのほうは、サンタナやビートルズの適当選曲ベストがある。ちょうど、80年代に日本の本屋さんでCDを売っていた感じだ。ジャケットは偽ジャケット(オリジナルのジャケットに極力似せた油絵)で、この脱力感がたまらない。

補足:いま考えてみれば、1つくらい買ってくればよかった。こういう面白いものを押さえないあたり、どうも私は旅が下手だ。)

ウィッタユ通り(th. withayu)との交差点のところに、イギリス大使館がある。ここから北上すれば、ほどなくホテルだ。

ホテルからの位置関係を見直すと、北はマーケット街、南はデパート街。あきらかにこちらの通りのほうは高級で、ファーストフード系(マクドナルド、ケンタッキー、バーガーキング)、コンビニ(セブンイレブンが多い)、レストランが並ぶ。−−こちらにいれば楽なんだが、遊びに来たんだから、北の市場を見るほうがいいんだろうなあ。

余談:私の買ったガイドは、旺文社の『個人旅行(14)タイ』。付いている地図を現地で使うにつれ、KMSMさんの持っている『地球の歩き方』のほうが便利だと実感。旺文社のものには、有名ホテルや見所の場所は付いているが、曲がり角にある建物などの記載が少ない。したがって、歩くには向かないのだ。)

この晩は、疲れているので、そのまま睡眠。

余談:TVでユーゴのクーデター(市民革命?)を知り、驚く。逆に、同僚のSDOさんに「なんで今日まで知らないの?」と驚かれた。周知の事実だったらしい。とほほ。)


/12日/

*ツアー観光−川くだり*

朝6:00にモーニングコールにたたき起こされる。ホテルの朝食はバイキング。様々なごちそうの中から、おかゆとフルーツを食す。おかゆは日本と同じ味だった。

8:00、強制バスツアー開始。

まずは川辺に移動して、ミニフェリー(で名称はいいのだろうか…)で15分の川くだり。川は大きくて有名な川なんだが、土が目一杯溶け出しているので、茶色くて汚らしい! しかも水しぶきがボート内部に掛かってくる。それもまた醍醐味か…

:川の名前、忘れた。)

*ワット=アルン*

第1到着地は、ワット=アルン(暁の寺)。三島由紀夫が大絶賛したという地。現場で見ると… 遠目は綺麗だが、保存状態がよくないので、近づいたら見れたもんじゃないぞ。後日アユタヤにいった同僚いわく、あっちも似たようなもんだったそうな。

ツアーでは、付くなり現地のJTB業者が記念写真を。

「はーい、ニコニコしてください。にこにこ、さんこ、よーんこ!(パシャ!)」

(だれだ、現地の業者にこんなことを仕込んだのは!)

(JTBは、今回の旅行代理店です。)

写真撮影時、どこかからかよってきた民族衣装のオネエチャンが、かってに写真に写ってきた。あとから「モデル代、50B」とか吹っかけてくるやつだ。誰も支払わなかったが… でもJTBは写りにくるのを止めなかったなあ。彼女らは、なぜか客を誉める日本語を仕込まれているらしい。男には「かっこいー」、女には「かわいー」と語り掛ける。うーむ。

他にも、勝手に撮影して、そのプリントアウトを刷り込んだ皿を作成して売りつけるパターンもある。ヘビ使いがやってきて大蛇を客に巻き付かせて、客がとまどっているうちに写真を撮って80B、というのもあった。

アルンは、中身の無い「ただのモニュメント」のようだ。当時の王様の趣味により、中国風になっている。前門の中にお釈迦様がいて、あとはモニュメントのみ。ところどころに門番である対の動物がいるほかは、なにもなし。

お釈迦様のところでは、僧がひとりいて、おまじないの紐をくれる。希望者は水で洗礼してもらえる。戒律のため女性には触れないので、女性に紐をあげる際には近くの観光客の男に仲介になってもらっていた。−−というかだね、そもそも貴方は なぜ紐をひとに配っているのだい? これは修行か?

ガイドさん曰く、「このモニュメントは、中国の陶器が貼り付けてあります」。近くで見ると、本当に「割った陶器」が貼り付けてあるだけ。奇麗でもなんでもない。日光の芸の細かさとは大違いだ。

余談:帰り道は、みやげもの屋ラッシュ。−−ポラリスが10Bだった。なお、同僚KBRJRがポラリスを求めたところ、強制的にチップを取られ、総額80Bかかったそうな。今回第1のトホホ記録だ。)

*王宮(エメラルド寺院)*

再度ボートにのり、こんどは王宮へ。王宮といっても、正確には「旧」王宮で、いまはただの観光地になっている。

余談:船着き場から王宮に向かう途中でもポラリスを売っていた。ゲートを出るまでが10B、出た後は5B。私はここで購入。さらに進んで王宮の入り口当たりでは、オバアサンが1Bでポラリスを売っていた。しかし、これだとチップでボられるんだろうなあ。)

王宮地区の入り口では、軍人が銃を構えて詰めている。また、市内でも、要所要所に警官や軍人がいる。

余談:タイでは、ボッタクリなどは暗黙の了解で存在する。しかし、治安が悪いわけではない。歩いていてもナイフなどは飛んでこないし、拳銃でも撃たれない。それを守っているのが、こういう軍事規律なのかな?)

王宮内部では、いくつかの古式の塔を見る。金ピカ系がおおい。壁にはハヌマーンの物語が原色ハデハデに描かれている。門番は、緑の顔で白い牙の像(夜叉?? わからない)。これがタイ式か。我々が親しんでいる日本系とは、かなりの趣味の違いがあるなあ。−−こちらも保存が悪く、だいぶ汚い。気候(雨)が激しい世界だから、しかたないのかなあ。

ガイドさんの説明がつまらないので、ほとんど聞いてなかった。ただ、集合写真の掛け声が進化していて、ウケた。

「はーい、ニコニコしてください。にこにこ、さんこ、よーんこ!(パシャ!) ごくろうさーん!」

だが、うちの社員は笑わない。みなあとでこっそり面白がるのだが、明示的には笑ってあげない。−−後にカメラマンがガイドさんに「みな笑ってくれない、悲しい」と漏らしたそうな。もうしわけない。ウチらはプライドばっかり高いのだ。

奥の寺院(本尊があるところ)の周りには、芸能の奉納ブースがある。女学生が集団で歌を奉納していた。けっこうポップな宗教歌で、ドミナントとトニックを繰り返す作りになっていた。ポップソングとは違うが、日本のお経よりは大衆歌に近かった。が、詳細を思い出せない。即座に採譜すればよかったと後悔。

ツアーの一環で、本尊の近くに寄った。僧が客に「正座しろ」と促すので、なにか講釈でも聞けるのかとおもったら、たんに座らされただけだった。マジメに参拝に来ているひとは、ありがたそうに拝んだあと、しばらくしたら出て行く。私には信心がないので、とっとと外出してしまった。

内壁に釈迦の転生譚が書かれているので眺めてみたが、暗いし剥がれているしで、ぜんぜん判別できなかった。残念。

じばらく自由時間になったので、逆行してみた。奉納ブースは、女学生がどいたあとは、観光客の休憩所になっていた(たぶん勝手にあがりこんだのだろう)。羔(こひつじ)(ってこんな字なんだ、驚いた)の像のまえでは、現地の人が賢明に線香をあげていた。しばらく行くと、中国系の一角があり、石像で仙人や桃源郷が掘られていた。ここだけ異世界。

さらにちょっといくと、なんと入り口に付いてしまった。ぐるっと廻って3分。狭い。狭すぎる。実際には、通りの各所から更に奥に見物があるわけだが… 王宮だろ?

再集合し、門から外へ。こちらには、王やVIPの宿泊所や裁判所がある。ああ、なるほど、王宮全体は もっと広いのか。さっきのは「エメラルド寺院」という一寺院にすぎないんだ。

王宮ツアーも終わり、バスに乗り込む。が、たどり付くまでの間に、観光客狙いのみやげもの屋に襲撃される。みな手にモノをもって、「いりませんか」とくる。「絵葉書、ぜんぶで100B」「おみず10B」「ぼうし100B」(ぜんぶ日本語)。オバアサンや小さな子供が多かった。

値段はだいたい100B。お札で払いやすいんだろうね。−−100Bあったら2回メシが食べられるわけで、1000人に声をかけて1人買ってくれたら、十分商売になる。うーむ、むむむ。

*まずい昼食、そして宝石商*

バスにゆられ、どこぞのホテルのバイキングで昼食。ソバやチャーハンなど食べてみるが、味付けがなるいし、そもそも冷めている。やはり、美味しい料理はホテルじゃなくて屋台なんだなあ。

その後、なぜか宝石商に連れて行かれる。JTBがバックマージンもらえるんだろうな。たどり着いたビルの名前がgemビルディング。うわー最低。

買う気が無いので、壁脇にあった水槽でランチュウを見ていた。

もしもしお客さん、そんなものばかりみていては困りますよ

と声を掛けられたので振り向くと、局長だった。うーん、it's joke!? 局長も買う気はないらしく、こちらにやってきたようだ。

ふと気が付くと、社長が高い宝石を買わされたようだ。断っていたのだが、けっきょく買わされた。

あの営業、しつこいな。なかなか見所のあるやつだ。あのしつこさこそ、営業の命だ。うちの会社がバンコク支部をだすときには、ぜひ引き抜かなきゃなあ。

うーむ… でもまあ、社長のフトコロとしては、あれくらい痛くも痒くもないんだろうなあ。

余談:このあと、ガイドさんが該当の営業に(日本語で)「がんばったね!」と声を掛けたのが印象的だった。そういえば、フロアマネージャーみたいな人も、ガイドさんに挨拶にくる。あからさまにJTBとつるんでるんだな。というか、当然か。見渡してみると、さきほどのランチでいた別のツアー客もいる。もうちょっと工夫してほしいなあ>JTB)

*タクシーにボられつつチャイナタウンへ*

昨日と同じ4人メンバーでチャイナタウンへ。タクシーに乗って最寄り駅のホアランポーン(Hua Lamphong Station)まで。

ホテル出口でタクシーを捕まえたのだが、失敗。KMSM氏が英語で駅を伝えたら、おかしなことをいうのだ。

「え、どこだ? 知らない。おい、ホテルのボーイさん、こいつらどこに行きたいって? んー、よく分からんなあ。ええと、総合で150Bで連れていってやるけど どうだ? ああ、料金メーターなら、壊れてるんだ。」

ホアランポーンは大きな駅なので、知らないわけはない。また、150Bも掛かるはずが無い。とぼけて ボッているのだ。こういうタクシーには乗らなければいいんだが、今回はちょっとした事情ですでに乗ってしまっていた。ドアはロックされているので折りられない。メータースイッチを押してみたが、本当に壊れている。だんだん面倒くさくなってしまって、100Bで駅まで行くことにしてしまった。負けたわけだ。運転手は道中もふざけていて、ツアーパンフを見せて「明日はここに行かないか? 安くするぜ」などと振ってくる。ああ、大失敗だ。

(タクシーは初乗り35Bで、あとは1kmごとに10Bだか5Bだかそんなもん。)

*混沌のチャイナタウンと泥棒市場*

チャイナタウンの路地は、細くてゴタゴタしている。何を売っているのかよく分からないような小さな露店がたくさんあり、またガキも走りまわっている。こんな狭いところなのに、トゥクトゥクや軽トラが入り込んでくる。ある意味恐ろしいところだ。−−去年の社員旅行は西安だった。それに参加したKBR氏とSDO氏曰く。

「中華街って、どこでもまったく一緒なんだね。これで砂埃が酷かったら、まさにシーアンだ。」

KMSMさんがかつて滞在したというホテルに行ってみたが、そこは潰れていた。

荒廃した空きビルの前には、ビールのフタなどをつかって将棋かチェスかなにかをやっているオッチャンがいる。ガイド本に「なぜかビールのフタで〜」と書いてあったのを読んでいたので、「うわ、ほんとにいるんだ」と感心してしまった。

その足で泥棒市場へ。路地いっぱいに店がならび、インチキくさい盗品まがいのものがたくさん売られているので こういう名前になったらしい。カメラ、ラジオ、工具、ファミコンのカセット、プレステのCD、そしてエロCD Videoが多い。ゲームソフトは、「5 in 1」と銘打った海賊版だ。KMSMさん曰く。

「本当にゲームかどうかは保証できないよ。ゲームボーイのカセットと書いてあっても、中身はクッキーかもしれないし。」

マキタのドリルがあったので欲しかったが、あまりに意味が無いので買わなかった。

*マクドナルド*

足がつかれたので、どこかで飲み物を飲むことにした。が、泥棒市場の路地には食べ物やが見当たらない。そこを出てしばらく歩き、マクドナルドがあったので入る。メニューがタイ語なので、唯一写真付きだったセットを頼む。バーガー+ポテト+コーラで75B。日本円に換算すると安いが、現地ではラーメン2杯の値段だ。高い! ちなみに味は日本と一緒だった。店内で子供がはしゃいでいるのも、日本と同じ。

入り口のドアに、ドアマン兼ガードマンがいる。犯罪のないように見張っているようだ。タイでは、ちょっとした店だと必ずガードマンがいるようだ。

フロア内にはトイレがないようなので、ガードマンさんに質問。(『指差しタイ語』を片手に)「ホングナム(トイレ) ユーディーナイ(どこ)?」 店を出て2階にあると教えてくれた。2階にあがる階段(電気の通っていないエスカレーター)の前に小さな女の子がいて、「トイレに行く人は5Bください」(英語)という。トイレチップだな、ということで5B渡すと、紙をくれた。

余談:質問の際に、丁寧語語尾「カップ」を付け忘れたことを帰国後に発見。質問でも「カップ」だとは思っていなかったのだ。自分は「トイレはどこでしょうか」と聞いているつもりが、相手は「トイレ、どこやねん」と聞こえていた^-^)

さらに余談:行きにWebで見つけた個人作成タイガイドでは、トイレを聞くには「ほんなん ゆーてない」と言えとあった。ソラミミごろ覚え系。)

*パッポンをなめてソンブーンへ*

この後、タクシーを拾ってパッポン通り(Th. Pappon)に行くことにした。いわいる歌舞伎町。ゴーゴーバーやらニューハーフショーがあるところ。『地球の歩き方』曰く、「ひやかすだけなら安全」とのこと。

タクシーを捕まえて、行き先を告げる。「パッポンストリート、OK?」 1台目は断られた。2台目はOKされた。メーターも付けてくれる。ノープロブレムだ。しかし、なぜ1台目は断ったのだろう? やっぱ危険なのか? (タクシーは60Bだった。)

タクシーは、泥棒市場の当たりを抜けていった。見ると、昼は怪しい電気雑貨を売っていたところが、いまは食事やら服やらを売っている。ひょっとしたら、夜のほうが楽しいかもしれない>泥棒市場。

ほどなく付いたところは、シーロム通り(Th. Silom)。分かりやすく繁華街だった。電飾イルミネーションが華やかで、人が通りを埋め尽くしている。例外に漏れず、通りの至るところに露店があって、服やらCDやらを売っている。ここから枝別れしている細い通りの1つが、高名なパッポンだ。

まだ18:00とはやいため、ちょうど夜の入れ替えで露店が店を広げているところだった。その様子を眺めながら、食べもの屋に向かう。途中で「タイ古式マッサージ」(いわいる足裏)のお店があったが、店の前には奇麗どころのお姉さんが3人腰掛けて待っている。そ、それは「古式マッサージ」ではなさすぎなのでは??

安全のため、スラウォン通り(Th. Surawong)まで出て、繁華街をちと離れたところにあるシーフードレストラン「ソンブーン」に入る。中国系。辛亥革命の孫文なのだろうか? ここでエビやらカニやらを食べるが、私には辛かった。とほほ。空心采ばっかり食べてました。4人で850Bほど。

*パッポン通りis歌舞伎町*

通りに戻ると、偶然にも(というか必然か)社員の別チームに出会った。「いやー、客引きすごいねえ。タニヤ通りもすごいよ。」とのこと。

我々は、まず「とんかつのとん清」のある通りを覗いた。途中に、少年ショーのバーがある。ニューハーフではなくて少年。店の前に顔見せ写真が貼り付けてあるが、これが ちとショック。「麻薬で性の奴隷にされました」的な細い少年たちがたくさん飾られているのだ。こういうのを白人ゲイが買いにくるんだろうか? この通りは、奥に行けば行くほど暗くてやばそうだったので、引き返した。

つぎにパッポン。準備の済んだストリートは、日本人狙いのこすい露店ばかり。

「シャチョさん、安いよ。みるだけタダだよ。」

(店員のなかには「シャチョウ」といえないネエチャンがいて、「ヒャクショウ」といっていた。「ヒャクショウ、みるだけタダだよ」。うーむ。)

露店に面白い漢字Tシャツ(大和魂とか、愛とか)があったので、値段を聞いてみた。なんと600Bだという(日本語で言った)。たけーよ! みなで非難すると、「いくらなら買う?」(これまた日本語)ときたので、日本語で「百」と答えた。首を振って「百、ダメダメ」というので、「マイ=アオ カップ」でさようなら。

ストリートの左右の建物は、ゴーゴーバーやクラブ。黒服の兄ちゃんが客引きをやっている。店の中は覗けるようになっていて、女性がバーに捕まって上下運動をしている。これをみてMBRとKMSM曰く。

「虫を誘う火のようですなあ」

「僕ら、飛んで火に入る夏の虫、ですか」

「本能ですから」

でも入らなかったけど。そういえば、客引きを断ると、あんちゃんがニコニコしながらパンフでお尻を叩いてくる。あれはどういうジェスチャーなんだろう?

続いて第2パッポン通りを。こちらには露店はなく、女性のいるバーばかりだと判明。ふつうのショットバーに見せる店も、コールガールが寄ってきて、交渉が成立したら奥に2人で消えて行くシステムになっていた。KBRJRが「飲むだけなら平気だから、飲もうよ」というが、なんか嫌なので断った。

通りを抜けたところにスターバックスがあったので、ここで休憩。ホットココア35B。

その後、吉野屋があるというので、そこがパクチー臭がするかどうかを確かめるために、タニヤ通りを抜けていった。このタニヤはまさに色町で、各店の前に女性が10人ほど待っていて、黙って客を迎えている。ポン引きのセリフもパッポンとは違い、かなり直接的だ。

「白黒ショー、吉原あるよ。ソープランド、どう?」

お店の名前も「バー あけみ」(日本語)だったりする。こりゃあダメじゃん。あとで知ったのだが、このストリートは、バブル期の日本人がこういふうにしてしまったらしい。あーあ。

タニヤを抜けて、再度シーロムへ。このへんに吉野屋があるはずなのだが、潰れたのかアイスクリーム屋になっていた。残念。謎は解けずしまいか。

タクシーを捕まえてホテルに戻る。この兄ちゃんは、運転も丁寧だし、こちらが言う前に自分でメーターをオンにするなど、良質だった。運賃は50Bだったが、チップを弾んで60B支払った。


/13日/

*はじめての雨−現地のTV*

今日は、晩飯までは自由行動。同室のSDO氏はoptinal packを申し込みアユタヤまで。アユタヤは遠いため、なんと朝7:30出発だ。とんでもない話だ。

彼に付き合って(というかモーニングコールが鳴るので必然的に)6:00に起きると、雨が降っている。スコールではなく、押さえた感じの雨。雨季だと言うので脅えていたにもかかわらず、これがツアーで最初の雨だ。あとでガイドさんに確認をとると、「だいたいこんなもので平均ですよ」とのこと。

じきに止むと思われたので、ひとりホテル部屋で現地のTVを見ていた。見られるチャンネルは4つほどあり、1つが映画、1つが「徹子の部屋」風の会話番組、残り2つがTVショッピングをやっていた。言葉は分からないが、「いまなら、さらに1つオマケ!」「まあ、なんてお得な!」ってなことを言っているのだろう。

10時には、雨はあがった。

*スカイトレイン*

出発前の計画では、ワット=ポー(涅槃庵)や国立博物館を見に行こうと思っていたのだが、ツアーで保存状態の悪さを知り、行く気がしなくなった。昨日の夜、地図を見ながら考え、サイアム(SIAM−シャム??)にあるjim thompson's house / museumに行くことにした。ここならば、スカイトレイン(高架モノレール)でカンタンに行ける。ホテルから5分ほど南下すれば、そこにプルーンチット駅(Ploenchiht)がある。

私の買ったガイド本には、路線図と値段は書いてある。最初の1駅が10Bで、次が15B、以降は21駅ごとに5Bあがり、40B以上は乗り放題。しかし、切符の買い方が書いていない。

駅に行くと、発券手段は自動販売機のみ。英語とタイ語で説明が書かれている。路線図に駅名と値段が書いてあるので、対応する金額ボタンを押せばよい。

…のだが、コインしか受け付けていない。お札は使えない。困った。ふと見ると、入り口に窓口があり、それで両替をしている。みな、黙って札を差し出し、黙ってコインを受け取っている。なぜ黙っているのかは知らないが、それを真似して20Bをコインに変換。2つとなりのサイアムまで購入。

余談:現在のタイの貨幣は、お札で20B、50B、100B、500B、1000B。コインは10Bと5Bと1Bがあるが、おつりでしか受け取る機会はない。)

自動販売機から現れた切符は、テレホンカード大だった。これを自動改札に通す。改札機は流線形の奇麗なもので、日本よりセンスがよいと感じた。

ホームにあがると、ちょうど電車が出たところだった。時刻表が見当たらなかったので当ても無く待ったが、心配することもなく程度な間隔で次の電車がやってきた。

電車車両は、広くて奇麗だ。ちょうどNeXくらいではなかろうか。時間帯のせいか空いており、子供がはしゃいで走りまわっていた。−−こういうのは万国共通だ。

*サイアム*

ガイド本によると、サイアム学生の憧れのファッション街。ようは原宿だ。

ホームを出ると、奇麗なビルと奇麗な歩道があり、高校生くらいのヤツが制服でワイワイ歩いている。カップルもいるが、友達連れのほうが多い。カップ入りアイスフロートを持って歩いていたり、携帯電話で会話していたり。地べたに座っているのも数人いるし。キックボードも多い。

降りて最初の感想は、次のとおり。

「あちゃ、来るところ間違えたかな? これじゃあ日本だよ。」

サイアム=センターというビルに入り、tower recordでCDを見る。現地のものよりも欧米のもののほうが多くて、日本のtowerと変わらない。うーむ。このビル自体も奇麗すぎるし、入っている店もブランド系の服や貴金属や化粧品のお店ばかり。高校生は柱に寄りかかりながらキスしてるし。厚底サンダル履いてるし。プリクラとってるし。うーむ。

己の選択に疑問を感じつつ、第1目的地のマー=ブーンクローン=センター(mah boonkrong center:MBK)に移動。

余談:タイの道路では、歩行者よりも自動車が優先される。横断歩道があっても、めったなことでは車は止まってくれない。信号も、「歩行者 青」にはなかなかならない。そのためか、いたるところに横断陸橋がある。人間は階段を昇るべし。)

*MBK*

サイアム=センターがロフトやハンズのあるビルだとしたら、マー=ブーンクローン=センターは中野の駅横集合ビルだ。小さな店の集合ビルで、全体に値段が安く、猥雑で乱雑。女子高生向けの安っぽくて可愛い髪飾り、あやしい文字のTシャツのお店がたくさんある。フロアごとに緩いテーマがあるようで、上のほうは家電だったり家財だったり。最上階はアミューズメントセンターで、その1つ下が食事街。この食事街が目当てだ。

余談:実際には、各フロアに、おやつ系屋台や喫茶店が数点ずつある。1Fには、「8番らーめん」があって驚いた。もちろん、メニューはタイの麺になっていた。あとで同僚に話したが、みなそもそも「8番らーめん」を知らない。あれは愛知にしかないものなのか? だとしたら、タイにあるのが余計に不思議だ。)

食事にはまだ早かったので、あやしい日本語のTシャツはないかなーと探し回った。が、意外にもない。中国語のものが1つあっただけ。置いてあるのは、安物のタイみやげ狙いTシャツばかり(色褪せが酷い! 99Bだから安いけど)。広いフロアを歩けど歩けど、ない。もっとも、午前のためか開いていない店がたくさんあったので、午後に再度チャレンジしよう。

余談:新宿高島屋タイムズスクウェアより広い。)

それにしても学生が多い。金曜日のはずなんだが、こういうものなのだろうか? −−観察してみたが、基本的に日本の高校生と何も違わない。ヤマンバ=メイクがいないのと、極端なイチャツキはないくらいが違いか。

*食事街*

MBKの食事街は、日本のデパートの上のほうにある集合レストランと似ている。各店は販売だけして、客は中央の食事席で気ままに食べる。ジャンルは中華とタイ料理で、ぜんぶで10店くらいかな? そのなかで、シュリンプ入りチャーハン(fired rice)を食べた。

高級店ではないため、とくに料理が上手いわけではない。チャーハンは、油でベチャベチャになっていた。でも、美味しい。ここまで毎日チャーハンを食べているのだが、どれもこれも美味しい。タイ米自体がチャーハンに向いているのだろう。以前に日本が米不足のときタイ米を輸入して「白米に炊いて」食べてマズイと文句を言ったわけでが、なんと無能だったことか!

食べ終わった後、食器をどうしたらよいのか悩んだ。周りの客を見ていると、どうも置いたまま帰ってよいようだ。そうこうするうちに、女店員がワゴンで回収にきていた。声を掛けて、ジェスチャーで片づけてもらった。−−その際、チップを払おうと思ったのだが、困ったような仕種とともに、笑顔で断られた。やはり、タイではチップは例外的な場所でのみ必要なものらしい。

余談:この食事街では、なぜかバーツを「専用クーポン」に変換してから買い物をする。各店には「coupon only!」と注意書きがある。1Bを1クーポンに交換でき、あまった分は1クーポン1Bで返してくれる。なぜこういうシステムにしているのか、いまひとつ理解できない。強盗防止に役立つのかな?)

*雨振れど傘ささず*

ビル外にでると、そこにはイベントステージがあった。MBKはタイ東急と隣接していて、東急サイドでイベントをやっているようだ。ちょうど新宿アルタ前みたいなもので、奇麗な垂幕とは裏腹に、安っぽいTV番組の収録みたいなミニ=ショーが開催されていた。

このとき、ポツポツと雨が降っていた。しかし、誰も傘をさしていない。さしているのは、白人の観光客だけだ。ガイド本によると、タイ人は、カサをささなければいけないような雨の際には、そのへんのビルに入り込んで雨宿りするのだそうな。私は折りたたみの傘をカバンに忍ばせていたが、この中で傘をさしては「目印」になってしまうような気がして、現地人と同じように濡れて歩いた。

ラマ1世通り(th. Rama1)を西に歩き、national stadium stationを越え、クリ=タイ=マンション(krit thai mansion:中華系の安ホテル)にて細い路地に入り北上。

路地の入り口に[Jim Thompson's House / Museum]と看板が出ているからよいが、そうでなければこの道は恐いかも。通りは本当に細いもので、店など何も無い。途中に1つ小さな町工場があり、ナットを生産していた。あとは汚い屋台が1つあって、現地の人がソバを食べているだけ。ほんとうにただの路地なのだ。現地のひとがまばらにいて、こちらを「なんだ あの観光客は」と見ている。もし夜だったら、恐かっただろう。

しばらく行くと、無事にjim thompsonに到着。

*jim thompson's house / museum*

jim thompsonは、世界的に有名なタイ=シルクのメーカー。その創立者jim thompson氏は、金と権力にものを言わせて合法非合法を問わずに美術館を収集した。Jim Thonpson's House/Museumは、彼が実際に棲んでいた家を使った美術館。というわけで、シルクの美術館ではないのでご注意を。

敷地に入ると、手前にシルクショップがあり、中庭にカフェ、奥に美術館がある。

美術館に入ろうと、奥の守衛に声をかけると、「カフェでチケットを買ってくれ」(英語)と言われた。カフェの女性に「excuse me, i wanna go the museum.」といいかげんな英語で伝える。100B支払うと、次のように英語で言われた。

「あなたは英語が喋れるようですが、ガイドは日本語と英語とどちらがよいですか?」

ええ、ガイドなんて要らないよ! ひとりでのんびり見させておくれ。余分なお金を使うつもりも無い。

カタコトのタイ語で「要らない(マイ=アオ カップ)」と断るが、英語でなんやかんや注意された。悲しいことに、聞き取れない(;_;) 「perdon me?」 どうも、ガイドは絶対に付けないといけないらしい。100Bに込み込みになっているらしく、「ガイドは無料です」と日本語で説明された。観念して日本語ガイドを受け入れる。

:いま思えば、盗難防止のためにガイドが必須なのだろう。)

余談:美術館入り口で、荷物を預けるよういわれる。これも盗難防止なんだろうなあ。財布などは手元に持つようにし、素直に荷物を預けて入場した。)

中で日本人客4人と一体にされ、一人のガイドさん(かわいいタイ女性)に引き連れられて見物した。ものの由来、部屋の説明、タイの建築形式について、いろいろと説明してくれた。結果から言えば、日本語ガイドさんにいろいろ説明してもらえて、ためになった。

ガイドさんはカンタンな日本語のやりとりはできるが、複雑なのはムリ。出土場所を聞こうとしたのだが、通じなかった。英語なら通じるが、私にボキャブラリーが足りない。「起源はどこ?」というつもりで「where is the origin?」と尋ねたら、「これがオリジナルです。レプリカではありません。」(日本語)と言われた。とほほ。英語勉強しなきゃ>俺

余談:途中で、白人ツアーとすれ違った。あちらのガイドが「こんにちは」といってくれたので、「サワッディー=カップ」と応答。あとでこちらのガイドさんが「発音が上手です。どこでタイ語を勉強しましたか?」と言ってくれた。お世辞だが、嬉しいものだ。デヘヘだ。)

見学ツアー後も、「家には入れませんが、中庭は自由に見学できます」とのことなので、いろいろと見物させてもらった。床は赤いレンガ、建物は赤い木造(レッドチークか? 塗装か?)、いたるところに熱帯系の派手な緑の観葉植物がある。ところどろこに木像や石像があり、面白い。蚊がいるのが難点だが(;_;)

歩いているうちに、東屋があり、白人ツアーがガイドに引き連れられて入っていくのを目撃。我々は見せてもらえなかった。悔しく感じ、小屋前の守衛に英語で事情を説明。

「excude me, i'm a japanese tourist. my guide tour is over. but, i wanna see in this room.」

かなりデタラメな英語だと思うが、意外にもカンタンにOKをもらえた。

中には、額に入れられたタイおよび中国のイラストが数点飾られていた。油絵じゃなくて細身水彩。お祭りではしゃぐ子供がテーマのようで、おなじモチーフの絵が集められていた。

もうしばらく庭を眺めたのち、カフェに移動。途中でさきほどのガイドさんに会ったので、お礼を言って別れた。

*cafe*

カフェは屋外で、屋根はあるが壁がない。Jim's Houseの池やヤシに面している。蚊も飛び込んでくる…

menuをもらい、teaを見る。english breakfastなどの普通のものに混ざって、"jim thompson brand"というものがあったので、そちらを頼む。ウェイトレスが「red tea or yellow tea?」と聞きてきたが、意味が分からない。perdonすると、現物を見せてくれた。ティーパックの色だ。中身がどう違うのか分からないが、なんとなくyellowにした。「with milk」と付け加える。

お茶は普通の紅茶ポットに入れられて出てきたが、注いでみると中国茶に近いものだった。香りやヒネが烏龍茶風。とりあえず一杯目はそのまま飲む。美味しいが、ミルクティーが飲みたい気分だったのだが… 二杯目に、思い切って砂糖とミルクを入れてみた。予想外に美味しい。ミルクによってヒネが消え、深みだけが残った感じだ。

*silk shop*

続いて付属のショップへ。美術品の絵葉書やカタログに加え、jim thompson brandの製品を買える。

シルクのハンカチ・スカーフ・バンダナならば買える値段(350B)。柄は(タイでの神聖な生物)が多く、色違いや構図違いがたくさんある。同じ柄の綿ハンカチもあった。比較のために、シルクと綿を、同じ柄の色違いで1つずつ購入。

他にも、カバン、Tシャツ、ネクタイ、上着(現地の民族衣装)があった。女性用肩掛けカバンで、魚のイラストがプリントされたものがプリティだった。パウル=クレー風の画風だからjim thompsonとは完全に無関係なのだが、あまりの可愛さに、同じ柄のハンカチを探してしまった。

結局、美術品のカタログとハンカチのみ購入。合わせて1000Bちょっと。

購買時に、『指差しタイ語』で「お勘定をお願いします−−チェックビン ドゥワイ」と伝えてみた。お姉さんは笑顔で「Oh, Yes! チェックビン ドゥワイ」と答えてくれた。−−やっぱり、言葉が通じると嬉しい。

手持ちバーツがなかったため、クレジットカードで支払った。−−実は、カードでの買い物は生まれて始めて。Visaだから大丈夫だとは思ったが、念の為に「can i use this card?」と確認してしまった。お姉さんは「Yes」とにこやかに答えてくれた。が、俺の英語の組み立ては日本語風だから、きっとヘンな会話なんだろうなあ(;_;)

トイレに行きたかったので、ガードマンさんに場所を尋ねる。−−そうそう、この店にもやはりドアマン兼ガードマンさんがいた。用足し後、また細い道を歩いて大通りに戻る。

*discovery center*

discovery centerは「新しいライフスタイル」を目指して作られたビル。テナントにLOFTが書かれていたので、日本となにか違うかどうか見てみることにした。

このビルがまた奇麗で、どこから割っても日本のソレ系のビルと完全にいっしょだった。テナントも、オシャレ系の服、オーディオシステム(bang&olfsen)、輸入書店、宝石店など。東京なら渋谷に、名古屋ならば栄にあるソレと変わらない。あまりの「同じさ」ぶりに驚いた。LOFTは「店内棚まで」同じだった。

それはそれとして、LOFTでは面白い枕を見つけた。2つsetの大き目の枕で、真っ白なシーツにくるまれていて、一方には「のび太くん」、他方には「しずかちゃん」と書かれている。“ドラえもんが流行っているから”という単純な理由ではない、なにかエロティックなものを感じてしまった^_^

上の階から、EWF [let's groove]の重たいベースが響いてくる。CD屋が大音量で流しているのかと思って階をあがると、そこはゲームスペースだった。楽曲は、ジャレコのVJのものだった。音ゲーはこれ1つのみで、フロア中に響き渡る音量になっていた。−−他の筐体はsega中心。

*雑居ビル*

だが、私の望みはこのようなオシャレなものではない。日本語の書かれたあやしいTシャツが欲しいのだ!

大きなビルの反対側の地区は無数の雑居ビル(2F建て)になっていたので、今度はこの中を徘徊した。東京ならば中野のブロードウェイ、名古屋ならば大須みたいな雰囲気。小さな店が猥雑に並んでいる。大半が服か小物の店だ。

いくつかの店で「あやしい柄」のシャツは発見したが、日本語のものはない。中国語のものはあった。−−道行く人を見ていると、100人に1人くらいは「愛」とか「大和魂」を着ているのに、100店以上廻っても見つからないのはなぜだ??

かなり歩いた後、ひときわ猥雑な雑居ビルにて、ようやく希望の品のある店を発見した。洗剤のトップの箱面をプリントしたTシャツ。スパンコールをならべて「味の素」としたもの。スポーツ着の背中にNAKATAと書いたもの。などなど。これだ、これっすよ!

だが、女性もののようだ。サイズが小さいし、この店に置いてある他の商品がすべて女性もので、着せてあるマネキン人形も明らかに女性。−−思い返せば、文字Tシャツを着ていたのはすべて女性。日本で考えてみても、ファッションのバリエーションなのだから女性向けになっていて当然かもしれない。

値段も高めだし、買うのも恥ずかしいとあって、購入を見送ってしまった。−−今思えば、高いといっても300B=900円だし、自分で着れないとしても話題として購入するべきだった。

疲れたのでお茶を飲みたかったが、奇麗な喫茶店はどこも満員。あきらめて、公園にあるフロート屋にいく。30Bのやつを頼むと、予想よりも大きなカップで出てきたうえに、オマケとして試供品ヨーグルトを押し付けられ、チップ込みで35B取られた。うーむ。

小腹も空いたので、ホットドッグも注文。タイ語に加えてHotDogと書いてあるが、並んでいるのは棒状のワッフル。「ワッフルでもいいや」と思い頼んだのだが、食べてみるとこのワッフル生地の中にソーセージが入っている。味はほのかに甘い。予想外に美味しい食べ物だった。

*会社主催 タイ宮廷料理食事会*

19:00より、会社主催の食事会。ホテルに集合し、バスで会場に移動。別のホテルのレストランに入る。

出てきた料理は、春巻き、トムヤンクン、レッドカレー、などなど。どの味付けも「控えめ」で、パクチーは極力入っていないし、ナンプラーなど蜂蜜を混ぜたように甘くされていたりして、かなり辟易した。市街で出てきたものが美味しかっただけに、やはりホテルではまともなものなど食べられないのだと再確認。

食事の脇では、インチキくさいバンドによる民族音楽の演奏と、それに合わせた舞踏が披露されている。宮廷衣装の女性と、ハヌマーン姿の男性と、その2人。滑稽劇のようだ。−−同じときに食事会に参加していた別団体(中国か韓国)のお客は喝采しているが、ウチは全員黙っている。うーん。つまらないのは事実だけど、反応してあるのが儀礼なんでは? KBR曰く、「うちはインテリだからさあ、こういうときダメなんだよね」。

ふと気が付くと、ハヌマーンがやってきて、ジェスチャーで「いっしょに踊ろう」と誘っている。別団体のほうからはカンタンに1人抜き出せたが、ウチの人間は断ってしまっている。ハヌマーンが局長らを誘ったのを見てマズイと思ったのか、営業のIKGKさんが立ち上がって「僕、踊りましょう」と申し出た。それを見て社長が追加ご指名。

「シモ、踊れぃ!」

シモとは、営業部の課長のSMYMさん。こういうとき営業さんは大変だなあ、と思いつつ、我々は拍手で送り出す。

てな感じで食事会はオシマイ。ホテルの部屋に戻ったら飲み直ししようと思ったのだが、思いのほか疲れていたようで、ベッドに付くなり眠り込んでしまった。


/14日/

*帰路*

朝もはよからバス移動して飛行機にのり、ぼんやりしたまま日本へ。−−機内映画は、ディズニーっぽいアニメ。ヨーロッパでサギをやっていた男2人が逃げ込んだ先がアステカかなにかで、そこで神様(ケツァルコアトル)に祭り上げられる話。たぶんタイトルは「エルドラド」。ディズニーでこんなのあったっけ?

空港から東京へは、KBRJR氏の車にてw/KMSM。首都高はほどほどに込んでいて、3時間かかってようやく新宿。

タイは楽しかった。が、思い返せば、「もっとバカなことに金を使えばよかった」と後悔。旅慣れていないせいか、性格のせいか、けっこうケチってしまったのだ。

そうやってケチったわりには、帰国後に家の中で1万円を無くしてしまった。非常金としてパスポートとともに首掛け袋に入れておいた1万円。それが消えた。帰宅時まではあったことは確か。しかし、この袋の中身をどうしたのか、記憶がまったくない。ごみ箱をひっくり返しても、みやげ袋をひっくり返しても、出てこない。トホホすぎる。阿呆だ>自分


(余談)

どなたかタイにいったら、フミポンのCDを買ってきてください。フミポンとは、現在の国王であるラーマ9世(だっけ?)の本名。彼が学生時代に吹き込んだJazzの演奏です。私は発見できませんでしたが…






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