【自己顕示録】


2002年12月前半


12/15

/北野勇作[クラゲの海に浮かぶ舟]/

1994年 角川/2001年9月30日 徳間Dual

淡路島大震災の直前だそうな。いまとは文体も作風も違う。

*1章*

(12月10日(火)13:00)

最初の単元、心底つまらない。[かめくん]も[イカ星人]も最初の数ページで心臓わし掴みなのになぁ。この時期はまだパワーがないか?

と思って20p読みすすめた。ようやく面白くなってきた。

(大意)クラゲ生命体を人工作成する会社。主人公はその研究所の中心人物であり、会社の方針に反対したので、記憶をすべて破壊されている。見ず知らずのおんなのこがやってきて、「わたしはあなたの恋人だったじゃないの!」と主張しつつ、「ぼく」に《これまでのあらすじ》を教えてくれる。しかし、主人公は極度の慢性睡眠感で思考が働かない。

−−この《身動きがままならない》感覚は、たしかに北野作品だと思う。

さて、どこまで楽しめるかな。

*2章:概要*

(12月12日(木)13:30)

「君は〜〜した」形式で語られる、主人公の過去の思い出。

君は、宇宙飛行士になりたくはなかった。レーサーにもパイロットにもスポーツ選手にもなりたくはなかった。

科学者になりたかった。科学者になって怪獣を創りたかったのだ。

小学校の《将来の夢》では、“きちがいはかせになってかいじゅうをつくりたい”と記して先生に怒られる。

そんな少年が、唯一話し合えたのは、年上の友人であるキィちゃん。少年が中学生のころキィちゃんは本当の博士となり、とある会社に入る。ひさびさに帰宅した彼をナイショで訪ねていくと、キィちゃんは不定形の怪物になって横たわっていた。

キィちゃんは、その企業で生体改造のナノマシンを研究していた。途中から上司の指令が変わり、ただの殺戮機械のようなものを作らされることになりかけた。キィちゃんは拒否する。なにかの団体に意図に沿うように使われる怪獣なんで、怪獣じゃないからだ。

きみは、ようやく言葉をひねりだす。自分でもマヌケなことだと思いながら。

きみ「それってつよいの?」
キィ「ああ、強いな。本当に創ったら、おまえが知っているどの怪獣よりも強いだろう。でも、そんな怪獣なんて、ちっともかっこよくないんだよ。」

研究転換を拒否したキィちゃんは、思いがけぬことから(会社の陰謀?)プロトタイプの実験体として使われてしまったらしい。

*2章:紹介のような感想*

(12月12日(木)13:30)

秀逸。第1章はイマイチだったが、この第2章では完全に心をつかまれた。

この章では、これだけの感情が豊かに描画されている−−少年期の夢。その夢を分かち合う年上の友人「キィちゃん」の存在。キィちゃんが本当に「はかせ」になることの歓喜。そのキィちゃんにしばらく会えないことの寂しさ。その間に経た少年の成長。ひさかた振りの再開。そのキィちゃんの現状に対するショック。それでも、キィちゃんは少年に、少年はキィちゃんに、敬意と愛と理解を抱いて惜しまない。−−それを、十分だけど長すぎない分量の文章で、読者のこころに丁寧に植え付ける。

個人的にはパーフェクトを与えたい。このせつなさ、この驚き、この夢物語。「怪獣は怪獣であることが一番たいせつだ」というロマン。ステキすぎる。

*3章:概要*

(12月12日(木)20:45)

記憶の無い「ぼく」は、自称“かつての恋人”である田宮に促され、わけがわからないまま旧会社の追っ手から逃げる。行き先は、冒頭から問題になっていたリング状人工都市。はじめてくるはずなのに、ここでの情景の大半は1章で夢として、また2章の思い出として体験済み。−−この工程のなかで、半分は自然に、残り半分は脳操作によって、断片的に記憶が蘇る。

*3章:感想*

面白いことに、2章の「きみ」と「キィちゃん」、そして3章での新たな記憶として「キィちゃんの同僚」が、すべて「ぼく」の記憶として混濁して流れ込んでくる。考えてみると、「ぼく」の過去は記憶操作で消されているし、名前はいっさい明かされない。また、0章(プロローグ)で事故を起こした描画では、いっさい人称なしで進む(僕でも君でもAさんでもない)。このカラクリは、これからも活用されるのだろう。楽しみ。

この3章では、デジャブ描画と記憶が蘇りゆく描画が心地よい。微妙に脳がムズムズする感覚。

ガジェットとしては、分子アセンブラがgoodだ。物語中では大雑把なことしか語られないが、ようは人工的に生み出したDNA/RNAだ。本体は《設計図》なんだが、それだけではなく、自己複製性を持ち、蛋白合成による自己組織機能を持ち、しかも物理均衡にしたがって判断能力を持ち、環境に適応する。−−いきなりは人工生命は作れないが、人工生命の素の基くらいは作れる。その段階は設計者が制御できたが、けっきょく創造物は制御できない。このシビアな感覚が素敵だ。

陸クラゲ、ただのグニョグニョした人工動物かと思いきや、なんと記憶プールであることが発覚する−−というか、ここから「ぼく」の記憶を復元してゆく。記憶を抜き取ると、そのクラゲはしなびてしまう。そのギミックが可愛い。

*名文引用*

最終段の言葉がいいので、引用。

どんなものでも創れるシステム。

なんでも売っているデパート。

ヒトに夢を見せてくれる機械。

ぼくたちは、そんなものを作ろうとした。

そして確かに、それはできた。

そんな夢を見た。

夢は壊れてしまったのに、そのことに気づかないふりをして、

まだ見ている。

*4章:概要*

(12月13日(金)13:15)

記憶の断片化。記憶の保存。記憶の再生産。

そうしてここには、記憶の生化学コピーが残された。「データとして」ではなく、自己組織化と自己保存機能を持つ記録生体として。しかも、完全そろいの情報ではなく、分割したり、必要な部分だけ抜き出したりして。−−しかも10枚も孫コピーがある。

*4章:感想*

(12月13日(金)13:15)

なるほど。そう来ましたか。感心感心。

この記憶媒体は、それ自体が擬似生命だ。当然、合成あるいは成長過程で、この《記憶体》としての新たな意識は混入するし、そうでなくてもオリジナルの《記憶》がオリジナルを超えて成長するかもしれない。−−実に想像力を刺激される存在だ。

この本文を読みながら、裏に添えられたテーマのようなものを感じた。−−人間の人格は、それまでの自分の人生、すなわち環境に対する反応の記憶の積み重ねによって形成される。では、記憶が保存や再生産できたとして、《記憶のとある部分》だけを切り出して再生産したならば、それはもとの人格になるのか否か。

この本文によって、1章と3章の「ぼく」が、そのままキィちゃんであり、「きみ」であり、またキィちゃんの同僚であり、4章の「前任」であり、4章の「ぼく」であり、あまつさえ陸クラゲのなかのデータあることが明らかになった。クラインの壺ループの感触、キモチイイ。

読み終わり、帰社途中、つくづく思った。SFってキモチイイな。

*5章 2度目の読了*

(12月15日(日)23:00)

断片描画で、現在・過去・未来・虚構・現実がグチャグチャになって描かれる。その手法はのちの北野にはもっと顕著なものなのだが、この段階では 微妙に違和感を感じる。

つまらないわけではない。明るみに出る設定は刺激的だし、《ルールの改竄屋》の活躍はワクワクする。彼女(田宮)に関しては。正体不明ながらも十分愛嬌はあるし、《かつての恋人》という設定だし、この段階では十分感情移入できる状態にしたてあげておきながら、「ぼく」を裏切るようなそうでないような微妙な描画だけを残して消えてしまうわけで、「ぼく」同様に自分の胸にもポッカリと穴が開いたような寂しさを覚える。

この物語には明確な終末がないままに終了する。いままで読んだ[かめくん][イカ星人]も実は終末がないのだが、それは自然に「そういうものだ」と飲み込めた。しかし、[クラゲ]ではイマイチ納得がいかない。2度読んで気がついたが、物語自体は(激しく跳びながらも)カタルシスに向かって一定速度で収束しつつあったのに、それを中途半端にした状態で切れているのが気になるのかもしれない。

その点は気になるとしても、わたしはこの2章〜4章が読めたのだから、よしとする。

*余談:北野の過去干渉手法について*

5章では「ぼく」と田宮は「ニセモノ電気屋」として、各種の《ルール改竄》をしてみせる。物語を悲劇結末から救うために、ストーリーを書き換え、それを登場人物に気づかせないために過去も変え、《これまでのあらすじ》も変える。

そう、他人にわからないような巧妙な書き換えを行うためには、書き換えの痕跡など残してはいけない。それが原則。

だからもし、ゲームのなかにそんなものが残っているとすれば、それはきっとはじめから発見されることを前提とした痕跡なのだ。つまり、それが発見されることも<あらすじ>に入っているわけだ。

この記憶操作の感覚を実践したのが[かめくん]だと思う。

*余談:章名*

もともと4章のタイトルがRCの歌名なので、惹かれて購入を決意した。他のも歌っぽいが、そうなのかな。

どの章も、シメでこの章タイトルが綺麗に出てくる。北野がそういうオシャレなことをするとは、失礼ながら想像もしなかった。

*さらに余談*

小泉今日子、[かめくん]にも[クラゲ〜]にも登場。ファンなのか?


12/14

/土曜:風邪だがバッハ演奏会へ/

12月14日(土)14:00 そば・うどん 家族亭@池袋

鍋焼きうどん
(中外製薬)アルペンゴールド カプセル
(全農薬品)新リリス ドリンク

会員制のうまいステーキ屋があるということで、 それを紹介いただくためにAさんと待ち合わせ。 ところが、わたしのほうが待っている間に体調がかなり悪くなる。 頭痛過多、吐き気アリ、めまいあり。 今朝からおかしな肩こりがあるので気になってはいたが… これで2週間ずっとこんな感じだ。私、ここまで体よわかったか?

ステーキは中止。体に負担のなさそうなものに切り替える。 食後即薬屋へ。 薬を選んでもらって飲む。 本来は新宿をふらふらしてから夕方に望むつもりだったが、 断念して帰宅。2時間睡眠。

嘔吐感消えず。だが熱は35.5度。まったくない。 低熱(昔の持病)かと思うが、35度下ったわけじゃないのでいいだろう。 覚悟して家を出る。

12月14日(土)18:30 神戸屋キッチン@目黒

ミートパイ/ポンデケージョ
アッサム
昼と同じ薬

コンサートが19:00〜21:00なので、事前腹ごしらえ。 体調悪かったのだが、紅茶を飲むと嘘のように落ち着く。 すごい効果だ。

タクシーで明治学園白金チャペルへ。 チケットには“白金チャペル”として書いていないが、 Netでgetできる地図には明治学園白金キャンパスとしかない。 まあそれは許すとしても、 キャンパス内案内板には「付属礼拝堂」としかない。 日本語表記は統一して欲しい。

礼拝堂、外部のレンガとステンドグラスが非常に美麗。

体調は、音楽を聴いている間にある程度復調。 波動は偉大だ。

感想は音楽コーナーにて。

12月14日(土)22:10 果実園

イカとタラコのスパゲティ
赤メロン キウイ パイナップル
セイロン

せっかく白金だから聚寶園でカニ炒飯と考えていたが、 どうも21:00でしまるらしい。 慌てて電車で目黒駅に移動。 21:30(オーダーストップ)ギリギリに果実園に駆け込む。


12/13

/雑記:俺に騒ぐオフ/

*電波2chで発見*

http://dempa.2ch.net/oc/txt/2002/12/r3df3013a13915.html

コピペのテンプレを提供して、みんなでイジるスレです。そこそこ面白い。rndさんが傑作を教えてくれた。14番、初恋552〜562、ネコ喪失


成功したんだ。よかったな。楽しそう。

本スレもかかれているが、あれは(1)大人で(2)ちゃんと計画を練って(3)自省して行動した人間 が1(月雄)だったから成功したわけで、ただたんにマネしても失敗だろな。失敗どころか、場所がわるければヤーサンor警備員が出てきてプチ惨劇になるかもしれない。

こんなネタであっても、シロウトだろうとなんだろうと質の高さが要求される。非マス=プロダクトの時代。自分娯楽でも。


/平日:特製苺ケーキ:メロンソーダ祭り:ロイヤル挽肉/

12月13日(金)21:00 キッチンなべ@方南町

アスパラ+ソーセージの牛肉巻き デミグラスソース
千切りキャベツ ごはん 味噌汁

普通はアスパラ肉巻きの中にソーセージなんていれないよなあ。そのチープな豪華感がたまらない。なべさん、いいアイディアしてるよ。

12月12日(木)20:45 和平飯店@曙橋

タケノコと牛肉の細切りの甘味噌炒め 生ネギ細切り添え
ごはん ザーサイ 中華スープ
小龍包

21時に四谷四丁目でひとと待ち合わせ。だが、ちと精神的に耐えかねることがあり、19時には社を出る。あいまに時間が空くのでどうしようか考えたが、新宿から歩いている途中で思い立ち、すぐに都営線で曙橋まで。旧社屋時なじみの中華へ。−−といっても、馴染んでいるのは昼にいる経営者であるお母さんなんであり、彼女は夜はいないんだが。

この味噌炒めは、常時ある8つの定食のうちの8番。7番が銀糸うんぬんという名で、モヤシ+肉炒め。8番は金糸で100円upだからよほど美味いのかと思って頼んだが、金はたんに色だけの問題だった模様。

味は。最初、ネギが辛くて辛くて閉口したが、1/3食べたところで急にネギが無くなり、その直前はちょうどよい按配だった。ということは、最初に混ぜて均等になるようにするべきだったのだな。失敗。後半は、甘味噌と肉の旨味でご飯がよく進む。

食べ終わってもまだ時間がだいぶあるので、ひさびさに小龍包を追加。記憶よりもずいぶん小さくなったが、数は3つだったのが4つに増えていた。味は変わらず。

12月12日(木)13:30 ひるおやつ 果実園

(特製)梨コンポートのショートケーキ 苺もりあわせ セイロン

12:45に昼飯食べ終わったので、昨晩みて惚れた苺ケーキを食べようと、果実園に移動。

ショーケースにある苺ショートはすべて予約取り置きとのことで、サーブ不可能。

「そのかわり、ここにある梨ケーキのうえに苺を盛ると料理人がいっております。よろしいでしょうか。」

もちろんOKでんがな。結果、大きな苺が1つデーンとあり、周りにカット苺が6片くらい。big oneにはmore bigな緑のヘタもありまして、これが全体の見目をさらに麗しくしている。嬉しい限りなり。

30分くらいかけてのんびり食す。

12月10日(火)23:30 目黒ちゃぶだい

同僚5人と(k、i、o、o、g)
「料理3000円で適当に、飲み物は別」おまかせ
生ビール1/あんずサワー2/メロンソーダ

つきだし(山菜と豚肉の炒め物)/ もりあわせサラダ/マグロ半月盛り/ 鶏手羽先のピリ辛煮込み(ダイコン+ナスつき)/ 鶏串(ナンコツ、モモ、つくね、ぼんじり)/ ブロッコリサラダ(明太子ソース)/キムチ+豚肉+サトイモの炒め/ オキアミチャーハン/おちゃ

前も思ったが、トロってなぁこんなに美味いもんなんだな。舌先から脳をシビレさせる成分が出る。 ぼんじり。こんなにホクホクして柔らかいもんだっけか。美味かったなぁ。

話題は、oさんの新婚旅行での帰国日程ミスネタ。その他いろいろ。

iさんがメロンソーダを注文。続いてkさんも。その後全員がメロンソーダに移行。テーブルに科学の緑色がきらめく。ふつう、いっぺんにこんなに頼むもんじゃないよな。−−お店のヒトが食材追加注文の電話を業者にいれていたが、その際に「メロンソーダ在庫きれた」と発言していた。《我々の勝ち》ということでOKか?


24時帰宅、CDを再生、布団ひき就寝。まだCDが3曲目だったから、経過時間15分か。立派なり。数年ぶりに朝風呂を使う。

12月10日(火)13:00 台湾家庭料理小皿 ニイハオ(ほんとは漢字)

焼きビーフン+肉そぼろご飯セット
中華スープ ザーサイ サラダ みかん

はじめての店。まだ店尽きない。都会じゃのう。

集合ビル。薄暗いビル入り口を少しだけ階段おりる。となりは和食居酒屋、さらに隣はスナック。店入り口に木彫りの怪しい塊。よくみたら狛犬だった。店内は質素で寂しい感じだが、ところどころに赤と金の飾りがあるのが中華魂か。テーブル4つ、奥に座敷4組分くらい。30代の異人夫婦が営業。

味は。

京龍も台湾小皿だったような。駅前にも台湾小皿が。まえにたーさんと行った新宿京王B1Fも台湾小皿。台湾料理といえば小皿なのか?


北野勇作[クラゲの海に浮かぶ舟]読み始め。

12月09日(月)21:00 のこりもの

昨日の味噌汁
(小田急デパチカ)ナスの挟み揚げ 生ガキのフライ
冷やごはん

「ロイヤル挽肉使用」という謳い文句に惹かれた。実際うまかった。

12月09日(月)18:45 

17時、異様に腹が減る。1FのAMPMで豚マンを買う。肉まん80円のところ豚マン150円。値段分、肉が多くて歯ごたえもプリプリで美味い。あったかいし。おちつく。

18:30、すでに腹が減る。しかも異様に。頭もクラクラする。やばい、これはカゼの前兆だ。

わたし、いつもこうなる。まず最初に食欲中枢が壊れるらしい。

12月09日(月)13:00 目黒ちゃぶだい

とんぶり+とろろ 丼
天ぷら(豚肉+イモ+ニンジン+インゲン+タマネギ)
ごはん 味噌汁 レタスと海草の酢漬け

天ぷらのおつゆが、暖かくふんわりしただし。そういえば、実家はこういうふうだった。最近たべたモノだと、温度も冷たいし、味ももっとキレのある濃いものだと思う。うれしくて、ずいぶん飲んでしまった−−悪癖。とろろ丼にもかけて食す。うまし。

今日は雪。寒くてキツいが、写真をとりたくなる風景が多くて嬉しい。メシへの行きにみやこ荘でネコ撮影。ぜんぶで3匹しかいない。大フサですら濡れそぼって小さくなっていた。辛そうだ。


昨晩、ドライヤーがイカれた。強弱2段階のうちの弱を使っていたら、プチンという音とともに突然強風が。しかも非常に焦げ臭い。キケンキケン。

12/09

/mp3対応ラジカセをいろいろ試す/

(12月09日(月)21:00)

たかがラジカセでこんだけ書くとは、わたしもよほどスキモノらしい。

*CD-Rフォーマット*

マニュアルにはISO9660 level1/2じゃないとダメとあるので焦った。 カタログにもWebにもそんなことは書いてないじゃないか。これじゃサギだぜ。

と思ったが、ジョリエットで焼いたCD-RをISO9660 level2として読んでくれた。歓喜。ファイル名は自動的に下位翻訳してくれている。全角カタカナを半角として表示するあたり、がんばってるなと感心。−−もともとジョリエットの仕様で下位名前テーブルを持っているのかもしれないけど。

*付属スピーカーの音*
●旧ラジカセ:Panasonic RX-DS50

10年前に買ったもの。

●新ラジカセ:Panasonic RX-MDX80
*自分自身に感想*

わたしは自分がオーディオにまったく興味がないと思ってた。「鳴りさえすれば自分は満足」だと思ってた。違ったらしい。いままで偶然“及第点”な音場の世界にいたんだ。かなり意外。まあ所詮は高級ラジカセ〜ミニコンポの世界なんだけども。

−−昔はMTRからのmix downをラジカセ向けにやっていたから、きちんとしたAUXやらメタルテープ対応やらのあるシステムを探して買った。ヘッドフォンも1万程度のそこそこのやつだし。それがよかったんかな。

ヤバいな。サウンドシステムを整えたくなったら、どうしよう。お金も場所もないぞ。

12/08

/北野勇作[イカ星人]/

(2002年8月31日 初版発行 徳間デュアル文庫 書き下ろし)

かめくん]の作者の最新作。どうしても比べながら読んでしまう。

*紹介のような感想のような*

文体は[かめくん]類似。もっと研ぎ澄まされているかも。地の文や会話といった区別がわざと弱くしてあり、主格も省略が多い。それによって、自己・他己の境界、現実・虚構・TV・小説・電話などの境界が、まったく認知できないまま物語が進む。でも読める。この不思議さよ。

物語は、3部(イカソーメン、イカリング、イカメシ)に分けられ、中は8つ程度の単元に分解されている。1単元は短い場合は4p。長くても20程度。これが、相互に関係あるような無いような感じで進む。最初に主人公は「K」だと明示されるが、そのKとは示されないけどもKらしき話や、誰かの回想シーンだけの話もある。そもそも上記の通り、Kが出てきたあとに話が続くので「Kの体験」かと思えば「…とO島先輩がいう」としてスカされたりと、作者は意図的に《断片》を断片のままにする。

*分析のような*

共通で使われるイメージはある。《懐かしい》古きよき時代の回想。−−人類初のロケット打ち上げ。異星へのあこがれ。モノクロTVの時代からカラーへ。−−私はリアルタイム世代ではないが、伝聞やらTV番組やらで知っている。

そういう過去の世界が定期的にしみじみ語られるのだが、おかしなピースが1つだけ組み込まれている。それが《イカ》だ。こんな感じ(引用ではない)。

TVをカラー化するのは、いまここで実験をがんばっている《父親》だ。父は異星人であるイカ星人と協定を結んで、光線をカラー化する技術の特許をとった。イカの体内には蒼い光があるだろう?

(そして、TVの四角いBOXの中には、それぞれに1匹のイカが入り込んでいることになる。)

イカ星人に関する情報は、日々まちまちと変わる。本当に遠い異星から着た。地球人が火星をテラフォーミングする(異化する)ためにイカを送り込んだ。ヒトは体内に海を作り、そこにイカを住まわすことで進化を完成させた。云々。

*ふたたび紹介のような感想のような*

このようなさまざまな断片的な情報が、脳に入り込んでは抜けてゆく。残らない。−−残らないことの快感。

けっきょく主人公はイカ星人にのっとられたのか。妻は死んだのか。会社はイカ星人の会社なのか。そんな基本的なことすら「どうでもいい」まま終わる。解決するのでもなく、解決しないのでもない。−−それが疑問にもなんにもならない。

いってみれば、記述によって脳を直接操作される感じ。−−ちょうど、作品中でKがイカ星人に操作されるように。それをそのまま「体験できる小説」と考えてもいいのかも。

ただ、こういうものを意味づけしようとする作業はあんまり好きじゃない。解釈するんじゃなくて、総体を総体のまま感受したほうがイイ。…と思っていたら、作者があとがきでいいことを書いていた。

いったいあの小説の本当のところはどうなっているのですか、とか尋ねられたりすることがけっこうあったりするのでわざわざここに書くのだが、本当のところなどというもの、ない。

小説は−−少なくともぼくの考える小説は−−、そこに書いてあることがすべてで、その書き方でしか書けないからそう書かれているのであって、したがって、作者にとってそれ以外の「本当のところ」などというものはない。そんな正しい解答みたいあんものがあるくらいなら書いている。

*結論のような*

この小説は、読んで気持ちいい。

/日曜日:病み上がりでおとなしく/

12月08日(日)15:15

風邪療養中だし、外寒いし雨だし…ということで、ネコ写真も撮らず、シンセも弾かずにいる。こうなると、Web用文章を整えたり、先週のネコ写真整理をしたり…という作業がサクサクすすむ。いいのか悪いのか。なんか物足りないが。

必然的にマンガ喫茶はまたビハインド。

12月08日(日)12:45 

集会場1で、オレンジの子である白オレンジが、頭をお腹に突っ込むように丸まって寝ている。寒いのだと思うが、身じろぎしながら頭をグイグイとお腹に寄せる。かなりアクロバティック。かわいい。


12/07

/mp3のCD-R対応ラジカセが〜/

*購買報告*

風邪再発。寒気、頭痛。にもかかわらず、ヨドバシの特売が明日までなんで、新宿に出てmp3対応ラジカセを購入。最初つらかったが、薬を飲んで1時間くらいで楽になる。聞くもんだな−−あとは家で安静にしてなきゃ。


(余談)

帰り道、どこかの奥さんが、かなりよい匂いのする(お惣菜か?)ビニール袋をさげて歩いていた。このすぐ後ろをオレンジがついて歩いている。定位置である集会場1から考えたら、ずいぶん遠くまで来ている。こんなオレンジは珍しい。

さて、オレンジ婆さんは本来臆病なんだが、無事にもとの場所まで戻れただろか。


*比較*

いまの室内は、ポータブルCD/MD/PCを、1系統の入力しかないスピーカーに、そのつどケーブルを差し替えて使っていた。そういうシステムは大好きなんだが、場所の余裕がなくなってきたので、コンパクトな一体型を選んだ。音はもとより《ちゃんと聞くならヘッドフォン》派なので気にしない。

気にしない…つもりだったが、音・機能ともに、自分が想像した「この値段なら この程度」より大幅に下で驚く。正直、もっと先に行ってくれていると思い込んでた。2002年発売のPanasonic RX-MDX80なんだが。

EQが痛いなあ。これではヘッドフォンにしたところでダメなままだ。いままで音に関して無頓着でいたのは、その場その場に応じて《自分の欲しい音》に補正するのに慣れていたからだったと判明。MTRとかイジるのに慣れすぎたか。

ああそうか、録音レベルもautoだけか。コレで録音する予定はゼロだからいいけども。やっぱ自分でパッチングするのが一番いいなぁ。

といいながらも、当初の計画通り卓上から機器2つケーブル4本片付いたわけで、利益もある。難しいトレードオフなり。


(追記:12月9日)

それどころじゃなく、mp3は曲内の早送りも巻き戻しもダメだった。こりゃ「いちおう再生できます」だけだな…


/マイノリティが正義病になる危険性/

*ことのおこり*

Operaのユーザーが"Open The Web"という運動をrndさんの日記で知る。昔(1996年ごろ)にいくつか聞いたようなテーマだな。

Operaで正しく表示されると言うことはすなわち、世の中のほとんど全てのOS、ブラウザで正しく表示出来るようになると思います。 さらに多くの人にあなたのサイトを見てもらうためにもご協力をお願い致します。

それは蛇足の範疇じゃなかろうか。そういう言い方をするなら、わたしも古臭い気持ちを持ち出して、少し意地悪しちゃうよ。

*意地悪指摘*

その1。ソースを見れば分かるけど、このWebは意味無くBR要素を入れまくっている。だから、横幅が小さい表示系(Palmや携帯電話)ではおかしな改行になる。これは「正しい」?

その2。手元のIE6で見ると、囲み枠らしきものから文字が左に はみだしている。これは「正しい」?

:IE6.0.26〜。WinXP。)

*「正しい」を追うと本道が薄れるのでは*

もともと、この運動の主眼で考えたら、「正しい」というのはどうでもいいことじゃないかと思うのですよ。

もしOperaだと表示できないWeb/htmlがあった場合、Operaユーザーが記述の改善を求める主張をすること自体は、(命令や強制じゃなければ)まったくかまわないと思う。その場合、《自分たちOperaユーザーの利益のために》と堂々と主張してほしい。

ところが、主張を見ていくと、「Operaで閲覧可能にする」→「Operaで正しい表示にする」→「HTML/CSS仕様を守ってもらう」と、話がどんどんでかくなっていく。最後には、守ることがauthorの利益でもあるかのような微妙な表現になっている。−−そう読むのは意地悪かもしれないけども。

そもそも、このイントロにあるような酷いHTML/CSSは実在するか?

Operaでウェブサイトを巡回しているときに 「お使いのブラウザは非対応です」と言ったメッセージが表示されたり、 もしくはページ自体崩れてしまっているサイトに出くわした経験は有りませんか?

ゼロとはいわないが、Operaで表示できないほどグシャグシャになるケースは非常に稀少だろう(NN4なら、NN4のバグのためにソコソコかもしれない)

被害を実際よりも大きく見せる。被害者として運動を始める。論点を規格準拠に移管して正当性を(無関係なのに)主張する。最後には受益者をすり替える。−−もしこんなんだったら、サギですな。うがった見方をすれば、こういう極端な判断もできる。

野放しのままの「正しい」は、非常に大げさで広範囲なキーワードだと思う。そんなことを言い出すよりも、明確に「Operaユーザーを無視しないで!」とだけ主張するほうが、本来の意図が伝わるんじゃないかと思う。


12/06

/雑記:ヒレ、ヘレ、フィレ:ハインラインの時代へようこそ!/

*誰がために鐘はなる*

(12月06日(金)21:45)

鶏肉屋がサービスで来年のカレンダーをくれたのだが、写真ネタが「牛肉料理レシピ」だった。

*流行語大賞(asahi.com)*

(12月03日(火)18:45)

W杯を「ワラタ杯」と読んでしまった。重症>自分

*ヒレ、ヘレ、フィレ*

(12月03日(火)17:15)

同じもの。情報源1情報源2。情報from rndさん。ありがとうございます。

この後者の牛アイコン、むしょうにかわいい。gifフォルダなのにFlashなのも個人的にウケた。

(あ、いまフォルダと自然に書いてしまった。もう私の中からもディレクトリという単語が消えたか。)

*ハインラインの時代へようこそ!*

(12月03日(火)17:00)

3万9800円の掃除ロボットが日本上陸

*師走とベートーベン#9*

(12月02日(月)14:00)

不況の師走、第九高らか ラジオ用4分間バージョンも(asahi.com)

ネタ書こうと思ったら、先に記事に書かれてしまった。

「第九」が年末に集中するのは日本独特の現象。広まったのは終戦直後で、窮乏を強いられる人々の心を壮大な調べが励ました。

それはそれとして。キッカケはなんだっけか。数パターンをgoogleしてみたが、とくに結論は出なかった。残念。

/平日:今のベーマガ:Burn!!/

12月06日(金)13:45 祭り茶屋 伊土@新宿

豚角煮+ダイコン+チンゲンサイ
ごはん 豚汁

新宿西側の量販店界隈。今日は[ステーキの神様]は込んでいて入れず。てきとうに歩き回って、ココに。「自慢」とあるので角煮。ちと量が多くてくどかった。ダイコンが2切れじゃなくて6切れくらいで、角煮はこの2/3でいい。

豚汁が、味噌汁としてかなり美味かった。


書店調査。のついでで、ベーマガをよんだ。あのマンガ、まだあった(あろひろし担当)。つぐみちゃんが巨乳になっていて笑う。情報処理資格試験の話題が巻頭で、時代趨勢に驚く。本文分類は「Windowsプログラミング、PHP、ExcelVBA」など、なかなか納得。ExcelVBAでもゲームだったりするのがベーマガ魂。

12月05日(木)13:15 焼肉 貴味苑

カルビB
もやしナムル+切干大根/キムチ
コーン+レタスのサラダ/白味スパゲティ
ごはん わかめスープ 烏龍茶

カルビAは750円。B950円、C1150円。 偶然となりのひとがAだったので見比べられた。肉が違った。

貧乏育ちの私としては、Aの肉のほうが嬉しかったりする。 次はAにしよ。

味は。さいしょ よく焼いて食べていたら、ちいとも美味しくなかった。 ハラミが正解だったかと悔やんだが、 レア目にして食べたら 脂身や肉汁をほどよく含んで 美味い。 食べ方を間違っていたらしい。

12月04日(水)21:30 萬蔵ソバ@中野坂上より帰る

店を出る瞬間は、駅脇の書店(文教堂)に寄るつもりだった。それを思い出したのは、方南町着後。マヌケさ加減にあきれながら、地元の秋文堂へ。ここは実にマジメな書店で、エロ本はおろか水着グラビア誌すらない。池田大作の本があるのでソッチ系かと思いきや、天皇カレンダーの取り扱い店でもある。

文庫平台チェック。[猫だましい](作者忘れた)。文学や神話での猫の扱いを論じた本。けっこう面白いが、購入するにはいたらず。筒井康隆の自薦の短編集がジョーク1・2、ホラー1・2とある。北野勇作や大槻ケンヂが解説を書いているが、北野曰く「筒井について語ることはできるが、解説はできない」で、みな中学生時代の思い出話になっている。これはこれで熱があってよし。ジョークのほうは、意外と知っている作品が多い。わたし、そんなに筒井読んでいたっけか。ただ、久々に筒井を読んでみて、「北野の文体(や判断)のよりどころが筒井である」(大意)という独白には納得。

ひさびさにアサヒカメラなど読む。写真および文章の配置の自然さを再分析。改めて、impress[デジカメマガジン]の紙面が圧倒的に悪いということを再確認した。impressは、写真作品でも撮影サンプルでも、ぜんぶ《PCの製品写真》の置きかたにしておるのだな。

この辺でオナラが連発するようになり、辞去。これは胃の活動が活発なだけで、下っているわけではなさそう。

12月04日(水)13:20 victorian tea house

ウバ
半熟チョコレートケーキ

昼飯くいおわりが普段より15分はやかったので、 喫茶店に20分シケこんだ。

ここの半熟チーズケーキはうまかったが、チョコはダメ。 ウバは香りみごと。250円でこれは大盤振る舞いなり。 でも、後半にミルクいれたら死んでしまった。バカ>自分

ガイジンさんが2名いて、Nokiaのキーボード付きケイタイを使っておりました。 デカイなーと思いつつも、初期のデジタルムーバよりは小さい。写真で見るより無骨。 まあ、持っている人も無骨にデカイからいいんだろう。


[イカ星人]読了。

12月03日(火)23:00 魚馳走亭ちゃぽん@目黒

同僚6人で忘年会のようなもの。
刺身(甘エビ+タイ+マグロ)/焼きカマ/数の子
鴨すき/ごはん/味噌汁/ゆずシャーベット

味はまあ、なんてことなし。

腹がたった点2つ。(1)ゆずシャーベット、まだ食べているのに下げされた。美味かったのに。(2)最後にお茶がでたのだが、わたしの膝にこぼしおった。あちい。まあ、(2)に関しては陳謝しておったんだけど。

つきあいでビールをコップに4杯くらい。 やはり胃がグルグルしてつらい。水曜日朝がとくにひどかった。

12月02日(月)20:30 めぐろ三ツ星食堂

“おとぼけ”セット

同僚と3人で。oghr氏が唐突に「カレーを食べたい」というので。わたしは胃がグルグルなので避けたかったが、彼の発言はなぜか拒否できない。とりあえず刺激物を避けるつもりだったが、つい名称に惹かれて謎のセットを。

モノは。大きな船皿に、ごはん、レタス+炒めもやし、スパイシー鳥唐揚げ、エビカレー、ふりかけ。ああカレーはいっとるやないけ。まあ、カレー自慢の洋食屋だから当然か。味はどれもほどほどスパイシーで美味いんだが、今日の胃には堪える。


待ちのとき、調理カウンターを眺めていた。グラタンをオーブンで焼く様は面白い…と思っていたら、突然フライパンが火を噴いた。フタをして空気を断とうとしたが、消えない。奥さんが「どうしたらいいんだろ」と旦那に相談。旦那が消化スプレーを出し、吹き付けて鎮火。店内に焦げ臭さが充満して大変。

まずはコンロを止めればいいのに…と思うが、どういう理由からか実行されなかった。まあ、あわてて水を掛けられるよりはマシだが。−−水が跳んで爆発して、かなりひどいことになる。

ところで、消化時に隣にあったプライパンの料理は、そのままサーブされたけど、平気なの?(鎮火時はフタしてあったとはいえ) まあ、スプレーはただの不活性ガス(窒素の類)だろうから、いいのんかな。ようわからんな。

12月02日(月)13:00 やきとり一升瓶

豚しゃぶしゃぶ オリジナルソース
千切りキャベツ ごはん 味噌汁 漬物 やっこ 味付け海苔

はじめて。京龍に行くつもりだったが、手間の看板で見て、冷しゃぶのようなサッパリ風味を想像して入った。お店は、小さな小さな居酒屋。愛想の無い主人と、少しだけキレイなママさんが2人でやっている。4人座敷1つ、4人カウンター1つ。

味は。これ泥ソース+味噌+辛味成分でしょ辛ーいキツーい。まだ胃がこなれていないので、なかなか打撃的だった。まずいわけじゃないんだが。出会いが失敗。

行き、パチンコ屋の店外放送でピンクレディーが流れていた。帰りは、似たような曲調・声で、こんな歌詞。

「あのこが好き。この子が好き。すーき好き大好き。 遊びかたが なくなるほど 使い込んだオモチャ。」

なんでこの2行を続けて歌うのか。異常な破壊感。 戸川純「好きすき大好きって言わなきゃコロス」とは方向が違うが…

12/01

/非マス=プロダクトの時代/

2chカレンダーの5月病を見て、それをきかっけに、いままでボーっと考えていたことをまとめてみた。

機材、情報、流通。質、値段。すべてにおいて、10年前では考えられなかったモノが目の前に安価に転がっている。私は音楽とPCで実感するわけだが、それ以外にもいくらでもあるだろう。いま、自主制作の世界の質は、高くしようと思えばどこまでもいくのだろうな。−−[ほしのこえ]が注目されたのは今年頭だったか。

変な例だが、昔「援助交際は娼婦のシロウトを大量生産する」という話があった。それと時を同じくして、TVが素人をアオった。「アーティストだけが特別なのではなくて、みながそれぞれ個性を自由に主張してよい」と煽った。その発言内容は奇麗事にすぎず、結果はただのme-ismを生んだだけだったような気がした。悪いほうの結果が、他己尊重の欠損であり、モラル欠如や援助交際だと思う。

長い間、よいほうの結果を考えたことがなかった。しかし、意識だけでなくモノや流通が追いついてきた今、まわりを見渡してみると。Internetを介して存在する無数のコミュニティがある。PalmのOS日本語化を自分たちでやってしまう集団もあれば、有名曲のremixの投稿サイトもあれば、プロ並の写真投稿サイトもある。−−そもそも、プロが余暇としての作品を公表するスペースもあれば、アイドルが自分の日記を晒していることまである。プロとアマの左為の無い世界。ちょうど最近の青天航路で知った曹操の言葉だが、「唯材是挙」か。

かつては、なにかを広く流布させるためには、流通に乗せてペイする必要があった。そのため、必然的にマスに受け入れられるプロダクトが重宝され、みなそれを目指した。ニッチ産業はニッチに過ぎなかった。ところが、この構造が変わりつつある。データ化できるものなら、旧構造は一気に飛び越えられる−−もちろん、演劇やら工芸アートやら、それに乗れないものも多数あるが。

いまの日本は、シロウトがシロウトのままヤレる段階まで行こうとしているのかも。しれない。なんとなく。

次の経済マーケット段階が萌芽しはじめておるのは事実なわけで。 その最初のハシリがamazon.comなど。 マス=プロダクトじゃない産業の時代。…時代とまではいかないが。

それ自体はアメリカ含めてInternet/borderless/data時代の話なんだが、 たとえばアメリカは有線ネットワークベースの発展で、Internet販売も電話網/TV通販の延長の流れだ。 一方日本は、手持ち電話/ワイヤレスで《ダイレクトto個人》の面が見られる。−−ような気がする。ちゃんと分析したわけじゃない。

個人の持つシロウト文化。と日本で言えば、2chは無視できない。2chに普通のヒトが流入しまくるのは、その《群れつつ個人でありつつ自己でない状態》が日本文化にとって馴染みのある状態だからだと思う。−−寄り合い

みな(2chねらーという意味ではなくて、日本人は)、 実は今でも遊びの創造が上手いんじゃないかと思う。 土地や公園がなくなったり近所づきあいもなくなったので 体感遊びは減ったのかもしれないが、 上記の5月病絵を作ったり、2chAAを発明したり、モナー達のサッカーチーム を書いたりできる。 名無しで集まって湘南ゴミ拾いをすることもできれば、学習帳をリレーで受け渡すこともできる。

ちと話がヨレたが。戻せるかな…遊びさえも、既存メディアを無視して流布させることができる。マスでなくていいから、個人的な遊びであってもいい。TV視聴率を気にする必要もない。

大きなメーカーやTV屋は気づいているから、コンテンツを守るために躍起になっている。でもユーザーは冷徹だ。そのコンテンツ以外にも遊ぶものがいっぱいあり、そちらに質が高いものが無数にあるからだ。

以上、まとまってないが、いったん終了。


(追記:12月7日)

あとから思ったことだが。こういうところも考察するべきなんだろな。







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