【ネコとか唄とかそんなもの。】

2008年05月 06-10日

よりぬき: 音楽雑記neko写真マンガ美術各種感想悪夢別の月/年

<< < 2008年5月 > >>
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
or other month/year

PR:日本留學情報網 taiwan2japan 從台灣向日本

Generated by nDiary version 0.9.4

2008年05月06日(火)

05/06●みなはジャングル大帝を読んだことありますかreview][comic

「ライオンキングはジャングル大帝のパクリではないか」議論を最近ふと調べてみたら、ジャングル大帝のストーリーがまるで話題になっていない。

ライオンキングは動物内の王位継承の感動物語。ジャングル大帝とは似ても似つかない。そのことを指摘して「だからパクリじゃないでしょ」と言っていたのは手塚眞だけだった。−−手塚息子がまともなことを言っているのをひさびさに見たような。

ひょっとすると、彼らはジャングル大帝を読んだことがないのかな? あるいは、TVアニメ版は話がまったく違うのかしら。

あらすじ:

  • レオは、生まれてすぐにサーカス団に拉致されたのでジャングルを知らない
  • ずっと自分の不幸を嘆いて暮らす
  • 偶然ケンイチくん・ヒゲオヤジに助けられる
  • レオ「生まれ故郷のジャングルに行けば、ほんとうの自分に出会える」(大意)

ところが

  • ジャングルに実際に到着
  • レオは そこがあまりに未開で落胆し、がっかりして泣き崩れる
  • 「僕の故郷が こんな未開で野蛮なところなはずがない!」(大意)
  • 動物らを説得して、強制的に文明化を計る
  • 集団作業や工業化を実現
  • 本来ならありえないような木造の家や城を建てる

話はまだ続いて、

  • 文化が生まれた結果、悪意やねたみも生まれる
  • 派閥が生まれ、レオはうらまれる
  • その派閥戦争を利用する人間も到着し…

と、まあその、かなり悲惨な話だ。

感想は受け手しだいだが、わたしは《白人による土着文化破壊への風刺》と受け止めている。「オー、土人のミナサンは裸足でかわいそうデスネ! 靴をアゲマース」−−だからレオはアルビノなんでないのかい?

最初のレオは いまふうの自分探しの 不安定な若者そのもの。ジャングル到着時のセリフは、正確には思い出せないが「みんな四足だ」あるいは「みんな裸だ」というものを含む。レオがジャングルを嫌がって泣くシーンは絶対にある。記憶違いではない。

レオは ジャングルにかってに人間文明を持ち込んで、動物社会を混乱させている。そのことは 作品中で きちんと 対立派閥からの批判として書かれている。

パンジャはとっくに死んでいるので ジャングル大帝はレオとパンジャの親子物語ではまったくない。−−レオの子供は2匹いて、それらとレオの親子話ではある。その子たちもまた拉致されてしまうわけだが…


や。ライオンキングはジャングル大帝には似てないよ。

[calender]

2008年05月09日(金)

05/09●R.O.D. TV、内容も音楽もすごすぎてcomic][music

TokyoMX

photo photo photo photo photo

R.O.D. Read Or Die。2003年、CS専用に作られたアニメ。この4月から東京MXで放送が始まりまして 見ておるんですが。いま5話か。

Webにある公式情報からは想像しきれないほど べらぼうにクオリティーが高い。話、映像、動き、音楽。すべて。

‖特に音楽。岩崎琢。

Wikipediaの岩崎琢

ビックバンドジャズによる映画音楽を−−作曲・編曲・演奏指示を本当にやれるひとが日本にいたとは! しかも それを演奏するメンバーがいたとは! 

アッパーで攻撃的なファンクジャズから、ストリングスにヴィフラフォンを被せるムードシーンまで。炸裂するホーンズ。ふんわりとポルタメントの効いたシンセ。どこをとっても 本場のジャズ音楽だ。

テーマは、スーパーフライやら13deathやらのスパイもの音楽の定番味付けをきちんとなぞり(先行するOAV版のほうが顕著)、自分の音に仕上げている。−−ギターのメロディがブヨブヨにトレモロを掛けた生エレキ。ヘンリーマンシーニの時代の音! そこに、バッキングギターのネチっこい歪みワウが絡み、ドラムがタイトで乾いていて、ホーンが自由自在に唸って。−−意図的に古い音楽の演出をしながら、新しい音と違和感なく同居させている。

やー、こんなすごい音楽を いまの日本の作家で聴くとは心底思わなかった。菅野よう子とはまた違う上級職人芸。

‖内容は。

このTV版のほうは、肝は「書けなくなった作家と 続きを読みたいファンの物語」。そこに、《紙使い》という架空の能力を織り込んで、ワクワクするアクション、作家の苦悩、あとは この能力にまつわるミステリーが含まれる。

作品を構成する どの要素にも《本》が絡んでくる。これがまた個人的に涙のツボ。

例:

  • 第1話の舞台は香港で、そこで作家が3人の《紙使い》と出会う。その1話のラストのセリフが、3人の「一度は神保町へ行ってみたい」
  • 第3話、神保町。3人は作家のボディーガードなのだが、われを忘れて本をむさぼり読む。
  • とある角のビルに秘密のエレベーターがあり、作家は3人を無視して 秘密の地下の書店へ…

や。神保ってほんとに地下にこういう店あるよね。

作家表現としては。

  • 第1話。作家の過去の代表作が香港で映画化されたので、その発表会へ。だが作家は、もう3年も書くのを止めていた。そこで、いろいろあって3人と出会う。
  • 第2話。出版社が3人をボディーガードとして雇い、日本へ連れてくる。
  • 作家 自宅にて「これから執筆するから、あんたら静かに!」
  • だが、実際にはそのあと作家は 部屋に篭り、ただただPCの画面を見つめるだけ。無音。
  • 下の部屋で3人は 本を読んで喜ぶ。煩い。
  • 「執筆してんだから、静かに!」
  • だが、実際にはそのあと作家は 部屋に篭り、ただただPCの画面を見つめるだけ。無音。

こんなに《書けない作家》の状態や苦しみを描画した作品は わしゃ寡黙にもしらんかった。動画作品には疎いので 知らんだけかもしれないが。

アクション部分《紙使い》もべらぼうにカッコいいが、こればっかりは見ないと分からないだろうから、なにも書かない。

‖作品の位置づけは。
  • 原作はライトノベルで11冊で完結
  • 先行したOVAは、このラノベののお話
  • このTV版は、ラノベ完結のあとのお話

凝ってる。心底驚いた。

いいものが地上波放送されてて嬉しい。

[calender]


goto: latest or index or 拍手する
2004 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2005 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2006 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2007 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2008 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2009 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2010 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2011 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2012 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2013 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2014 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2015 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2016 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2017 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2018 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
2019 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

よりぬき: 音楽雑記neko写真マンガ美術各種感想悪夢別の月/年

<< < 2008年5月 > >>
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
inserted by FC2 system