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「ライオンキングはジャングル大帝のパクリではないか」
議論を最近ふと調べてみたら、ジャングル大帝のストーリーがまるで話題になっていない。
ライオンキングは動物内の王位継承の感動物語。ジャングル大帝とは似ても似つかない。そのことを指摘して「だからパクリじゃないでしょ」
と言っていたのは手塚眞だけだった。−−手塚息子がまともなことを言っているのをひさびさに見たような。
ひょっとすると、彼らはジャングル大帝を読んだことがないのかな? あるいは、TVアニメ版は話がまったく違うのかしら。
あらすじ:
「生まれ故郷のジャングルに行けば、ほんとうの自分に出会える」(大意)
ところが
「僕の故郷が こんな未開で野蛮なところなはずがない!」(大意)
話はまだ続いて、
と、まあその、かなり悲惨な話だ。
感想は受け手しだいだが、わたしは《白人による土着文化破壊への風刺》と受け止めている。「オー、土人のミナサンは裸足でかわいそうデスネ! 靴をアゲマース」
−−だからレオはアルビノなんでないのかい?
最初のレオは いまふうの自分探しの 不安定な若者そのもの。ジャングル到着時のセリフは、正確には思い出せないが「みんな四足だ」
あるいは「みんな裸だ」
というものを含む。レオがジャングルを嫌がって泣くシーンは絶対にある。記憶違いではない。
レオは ジャングルにかってに人間文明を持ち込んで、動物社会を混乱させている。そのことは 作品中で きちんと 対立派閥からの批判として書かれている。
パンジャはとっくに死んでいるので ジャングル大帝はレオとパンジャの親子物語ではまったくない。−−レオの子供は2匹いて、それらとレオの親子話ではある。その子たちもまた拉致されてしまうわけだが…
や。ライオンキングはジャングル大帝には似てないよ。
[calender]
R.O.D. Read Or Die。2003年、CS専用に作られたアニメ。この4月から東京MXで放送が始まりまして 見ておるんですが。いま5話か。
Webにある公式情報からは想像しきれないほど べらぼうにクオリティーが高い。話、映像、動き、音楽。すべて。
ビックバンドジャズによる映画音楽を−−作曲・編曲・演奏指示を本当にやれるひとが日本にいたとは! しかも それを演奏するメンバーがいたとは!
アッパーで攻撃的なファンクジャズから、ストリングスにヴィフラフォンを被せるムードシーンまで。炸裂するホーンズ。ふんわりとポルタメントの効いたシンセ。どこをとっても 本場のジャズ音楽だ。
テーマは、スーパーフライやら13deathやらのスパイもの音楽の定番味付けをきちんとなぞり(先行するOAV版のほうが顕著)、自分の音に仕上げている。−−ギターのメロディがブヨブヨにトレモロを掛けた生エレキ。ヘンリーマンシーニの時代の音! そこに、バッキングギターのネチっこい歪みワウが絡み、ドラムがタイトで乾いていて、ホーンが自由自在に唸って。−−意図的に古い音楽の演出をしながら、新しい音と違和感なく同居させている。
やー、こんなすごい音楽を いまの日本の作家で聴くとは心底思わなかった。菅野よう子とはまた違う上級職人芸。
このTV版のほうは、肝は「書けなくなった作家と 続きを読みたいファンの物語」
。そこに、《紙使い》という架空の能力を織り込んで、ワクワクするアクション、作家の苦悩、あとは この能力にまつわるミステリーが含まれる。
作品を構成する どの要素にも《本》が絡んでくる。これがまた個人的に涙のツボ。
例:
「一度は神保町へ行ってみたい」。
や。神保ってほんとに地下にこういう店あるよね。
作家表現としては。
「これから執筆するから、あんたら静かに!」
「執筆してんだから、静かに!」
こんなに《書けない作家》の状態や苦しみを描画した作品は わしゃ寡黙にもしらんかった。動画作品には疎いので 知らんだけかもしれないが。
アクション部分《紙使い》もべらぼうにカッコいいが、こればっかりは見ないと分からないだろうから、なにも書かない。
凝ってる。心底驚いた。
いいものが地上波放送されてて嬉しい。
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