【ネコとか唄とかそんなもの。】

2013年05月 01-10日

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2013年05月05日(日)

05/05●神林長平のプリズムを読み終えて,今度は 完璧な涙review

プリズムはすごい作品だが,実は好きなNo.1ではない。 好きとなると,海賊課の一日,言壺,完璧な涙,そして案外にも七胴落しが好きだ。

プリズムがすごいのは,実は「神林にしては書ききれていない」ゆえだと思う。 その「書ききれていない」を補う部分が, 読者のセンスオブワンダーに直結する点だと思う。


神林さんは,どの作品でもほぼテーマは同じで,それを何度も切り口を変えて書く。 よって全体が1つの作品とも言える。 「自分とは」「存在とは」「想いとは」「言葉とは」 それを,章毎に,あるいは人物の立場ごとに,いろいろと見せてゆく。

プリズムの場合,テーマを1つ書くとしたら 「言葉は自走し,自走した想いは言葉を超える」 それをやはり章毎に書いているのだが, 神林さんにしては かなり違うものに見えるのだ。

  • 1章 制御対世界と 認識されない子供
  • 2章 予測されなかった制御対の機能と 大自我 小自我
  • 3章 創想と創言
  • 4章 色の“いる”世界での ここまでの話のクロス
  • 5章 リンボーに残る痕跡としての「色の“いる”世界」
  • 6章 完全な仮想空間での自我

放置されたかに見える内容もある。 ふだんならしつこく追う部分を,相対的にあっさりと書いている。 かわりに,ページに対するアイディア密度が濃い。

それゆえ,面白いなどの前に「すごい」という感想が出る。


完璧な涙 は,これはもうやりすぎというくらい, 同じことを何度も何度も書く。 私はそれを何度も何度も読むのが好きだ。

七胴落しは まだ稚拙とも思えるが, 読後に見る冒頭文「誕生日おめでとう」によって, 私の中では燦然と輝く作品となっている。

このしかけは 「あなたがいて/わたしがいる」に匹敵していると思う。

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