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PR:日本留學情報網 taiwan2japan 從台灣向日本
壊した噴霧器(アトマイザー)をパーツ補充注文しました。
注文のときに「1週間で壊してしまいました」
と
状況説明文をつけたら、
1つ分の値段で2つ届いきました。
取説では、いちおう「1週間は初期不良」
と宣言されてるのね。
でも、あきらかにちゃんと動いていたから、初期不良じゃないんだけどね。
自主的に初期不良扱いにしてくれたのか、なにかのサービスか。
ともかく、blue cigショップさん、いいところだな。メール便速達でササっと届くのも嬉しいです。
[calender]
iPhoneの電源を入れておくと、とくに起動しなくても1日で200KBほどの3Gパケット送信が発生します。自宅にWi-fiがあっで、その自宅に置いているにもかかわらず、この3Gパケット通信は発生します。
([設定]−[一般]−[使用状況]で確認できます。)
初期はこれの正体が分からず、ヤキモキしました。これがあると100%パケット定額の上限に達するからです。自宅Wi-fiなのに。
けっきょくのところ、これはメールの定期送受信だったようです。ヘッダ通信だけでこんだけ食うんだね。
自分はメールのチェックをPUSHもフェッチもオフにして、すべてi.softbankへの転送をかけてbiffにしています。手動でメールをチェックするときは、必ずWi-fiの中にいることを確認します。
これだけのことで、もう2ヶ月連続でパケット通信代金はMAXには達さなくなりました。
大手レビュアーはみなさまWinterBoardで満足しているのか、BigBossさんのBossPaperが紹介されてるのを見たことがない。なんかもったいないので書きます。
なので私は愛用しています。
なお、「一定時間が経過したら」
「アプリの終了ごとに」
壁紙を変更する、というオプションもあるのですが、これをオンにしていると、非常にCPUを食います。HOMEの横スクロールすらカクカクするくらい無印3Gでは対応できない重さ。なので、わたしはただの静的な壁紙ソフトにしてます。
[calender]
とりあえず無意味に理論武装すると、(1)iPhoneでは色階調がまともに撮影できない (2)なら階調破棄したほうがいい (3)するとそれなりにエディットできる というかんじでモノクロ。元写真はけっこう酷いんです、正直。
(ちなみにどれくらいイジるかというと、(1)彩度0 (2)コントラスト約100 (3)シャドー強調 (4)ハイライト減光 (5)周辺光量落とし、です。ざっと全体に加工した後、1枚1枚調整します。)
羽の色階調の綺麗な鴨がいて、しかもけっこう接近撮影できたんだが、撮影結果がぐしゃぐしゃで悲しかった。やはり突発撮影のためにちゃんとしたデジカメは必要だな、と心底思った。
Cyber-shot T33は便利だった。液晶さえ死ななければ…
(注:あとで判明したのだが、T33はぜんぶで液晶トラブルが出たらしく、全商品無償修理対象だった。知らなかったため、引越し時に捨ててしまった。直していれば…)
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beach boysのendless sumerとpet soundsを先輩から借りる。1998年8月にendless sumerを借りた際も凄いと思ったが、その後ラジオなどでbeach boysの他の曲を聞くたびに「やはり思っていたよりも凄い」
と認識を新たにしまくり。アルバムを買おうと思うのだが、いまだに後回しにしている。そして、結局また借りてしまった。
endless summerは公式ベスト版だが、どうもレーベル契約移行時の作品のためにメンバー未公認のようだ。
これはトータルに傑作です。A-B-A-Bの単純な構成。Aメロでは、キャッチーメロに掛け合いコーラスが複雑な展開を見せる。Bでは、ハーモニー一丸となってサビを歌い上げる。
Bでの和音展開は複雑。素直なのは最初の1小節だけ。その1小節にすべてのキャッチーさを集約させ、残りの展開はその余韻を聞かすために動いているのかもしれない(つーか、実際には割り切れないところを力技で乗り切っている気もする)。
このころ、brian wilsonはツアーには参加しておらず、ひとりスタジオにこもって作曲と録音をしていた(らしい:ラジオの特集でそう言っていた)。
メンバーがツアーから戻ると、すでにオケはすべて仕上がっていて、あとは歌を入れるだけだった。しかし、これまでのbeach boysとは異なり、より実験的で高度なポップスになっていた。メンバーとレコード会社は途惑ったが、brianの強固な押し切りでレコーディングは進んだ。
−−こうして完成したのがpet soundsだ。
その言葉通り、このアルバムは楽曲展開やハーモニーがさらに複雑で、演奏もスタジオミュージシャンによるこなれた感じがある。歌詞からも「サーフィン」な感じは一掃されている。トータルアルバムを意識したのか、曲と曲の連なりに意味ありげな臭いがする。−−そして、味付けとしてラストに動物の鳴き声が入っている。
(余談:ジャケットでは、メンバーがヤギと戯れている…ペットっつー感覚とは違うなあ。家畜?)
すべての楽曲を好きになったわけじゃないが、次のモノはかなりグーだ。
(これまでのところ、beach boys全体で一番好きです)
イントロで、4小節のマリンバ系のアルベジオがなる。その4小節目の頭で、唐突に強烈なドラムが「どん!」とくる。続いてリードボーカルがメロを唸る。
wouldn't it be nice
始まるのは、オルガンによるカッティングリフを中心としたポップの極致。Aメロはメジャー和音中心で、メロは高いところから降りてくるのを基調にする。Bメロではマイナー和音で、メロは低いところからスケールを昇ってくる。この対比が強烈に奇麗。
A-B-A-Bときて、ブリッジのあとC-C'とくる。A-Bがオルガン風ロックポップなのに対し、Cではマリンバ中心のトロピカルなポップ(introの再現)。いったん転調して、違う世界を覗かせる。
再度ブリッジのあと、テンポ半分でB再現。このあと一気にoutroへ。
全体のギミックの凄さにもかかわらず、集約度がすごくて、たった2'21"。かつ、個々のパーツがみな美しい。これは大傑作だ。歴史に残るべきポップだ。
(余談:僕はイントロを聞いた瞬間にXTCを思い浮かべた。不思議なことに、ギミックもメロのひねりかたもXTC激似。だが、もちろんbeach boysのほうが古い。あげくにこの楽曲についていえばXTCは負けている気さえする。)
ホルンのリードに導かれ、鉄琴系のカッティングリフに牧歌的なメロが乗る。すべての展開を終えたあとは、延々と「god only knows what i need without you」というフレーズを輪唱する。うん、奇麗だ。
(余談:これ何の音だろう? 今なら単純に「キーボードのこういう音色」なんだけど… その元の生楽器のことなんて、考えたことなかったや)
演奏にちょっとサーフィン系の香りがあるけど、メロが微妙に破壊的にロックだし、サビ後のブリッジフレーズはプログレっぽい。いまならbeckが演奏しそうな感じだ。そして、サビにおけるティンパニ攻撃やガナり具合は、まさにヒネクレ期のXTC。
これがbeach boysだとはにかわには信じられない。
僕個人はたいして好きじゃないが、タイトル曲pet soundsでのラテン系インストゥルメンタルも、当時(1966)としてはかなり攻撃的だったと思う。
(注:ライナーノーツによると、brianはRubber Soulを聞いて影響を受けたんだそうな。なるほど。)
(余談)
この次に、brianはまたもメンバー不在のまま録音を進め、smileという実験作を作り上げる。しかし、あまりにもナンなためにメンバーはレコーディングを拒否。だんだんとbrianは精神衰弱と麻薬中毒でメチャクチャになっていってしまったそうな。
そんなsmileも、一部は「smily smily」(うろ覚え)として発表されている。シングルgood vibrationsはかなり売れたらしい。
が、僕はgood vibrationsを好きではない。実に「頭の中だけで組みあげた実験意欲溢れる音楽」な香りがプンプンしていて、ポップじゃないからだ。サビ部分だけ異様にポップだが、それも鼻に付くばかりで気持ちよくない。
評論家の中にはアレを傑作として位置づけるむきもあるようだが、僕にはダメだった。
僕がQUEENを聞いたのは、とっくにフレディが死んだ後だった。死後数年して、MTVかなにかで特集があり、それを見たのだと思う。
だが、それらを越えて、ラストに流れたshow must go onに感動した。
「僕がいなくなってしまっても、新しいヒーローは現れる。なにがあっても、ショウは続けなきゃダメだ」
フレディはエイズだった。当時エイズはまだかなり未知の病気で、ゲイがかかるとか、握手しても伝染するとか、むちゃくちゃなことを言われていた。その差別の風のなか、フレディはみずからエイズであることをカミングアウトした。
「エイズは恐い病気だが、他の病気同様、だれでも罹る可能性があるし、また医学が発達すれば直せるようになる。僕はエイズに罹った。まだ治療法はない。僕は死ぬだろう。だからといって、必要以上にエイズをおそれちゃいけないし、エイズ患者を不必要に差別することのないように。ペストの二の舞にはしないように。」
彼はそう言い残して、3日後に死んだ。(注:上の記述は、「たしかこんなんだったよな」という僕の曖昧な記憶による記載)
その数ヶ月前に作られたのが、show must go on。QUEENにしては珍しいローテンポの重たいリフのハードロック風バラード。コーラスはお家芸の太いコーラス。
ビデオとしてこの曲用に撮影されたシーンは、大きなステージセットが崩壊する模様だったり、迫り来る列車が辿り着くギリギリまで線路上でギターを弾くブライアン=メイだったり、バックステージでみなが寝静まったあとにひとり練習するドラマーだったり。そのような映像の合間に、過去の楽曲のビデオや、ライブ映像や、ファンの熱狂が挟み込まれる。とくに、かの伝説のステージ、何十万人を収容した野外ステージでのシーンは胸を打つ。歌詞のメッセージは上記のとおり、「我が屍の上を行け」
だ。−−こんなに凄い音楽を作って、こんなに凄いライブをしたやつが、もう死んで、この世にはいない。
ああ、そうか、これはフレディの遺言なんだな。自分が死んでも、ずーっとショウを続けたいんだ。続けて欲しいんだ。
分厚いコーラスが「show must go on」
を叫びながら、曲は幕を閉じる。なぜか最後は、「ミキサーコントロール前で喜ぶメンバー(ミックスダウン完了?)」と「kind og magicのアニメダンス」が2秒ずつ交互に差し込まれる。すごくマヌケで、まるで「感動なんかしちゃダメダよ」と照れ隠しをしているように感じた。
この映像のパワーのせいで、僕は「QUEENといえばshow must go onだ」
と思い込んでいる。
(余談:でも、フレディってバイセクシャルだから、カミングアウトしたらよけいに偏見を助長しちゃわないか???)
(余談:そういえば、これについて知ったのは僕が中学生のときだ。国語か英語の授業中、先生が震える声で、フレディの死と、彼のカミングアウトについて語った。どういう文脈だったのか、どういうメッセージとして僕らに伝えたのかは覚えていない。)
[calender]
大槻ケンヂの新バンド。コア=パンク*メタル+叫ぶモノローグで、大槻のもっともよい形だと思う。
メンバーに三柴“エディ”理がいるので、アレンジは安心。NARASAKI(guitar+作曲)と有松博(drums)というのはまったく知らない人だが、かなり上手い。リフの組み立て、ドラムフィル、どちらも素敵。
(−−ベースは、1stでは内田雄一郎が弾いているが、2ndでは脱退している。その後はサポートとして佐藤研二が入っている。…このひとってマルコシアス=バンプだっけ?)
1st album[爆誕]は、かの傑作[Sister Strawberry]に匹敵するほどの名作だと思う。演奏、楽曲、テンション、ストーリー関連、全体に質が高い。
楽曲に関しては、エディがいるのも成功要因の1つだと思うが、もっとも大きいのは《大槻が曲を書いていない》点にある気がする。曲の大半はNARASAKI氏が書き、残りを外部が書いている。ボーカルは基本的に叫びだが、たまに歌うメロも、曲のほうが歌い手の特性を理解して無理の無いように作られていると感じる。
ストーリーは、(2)[身代わりマリー]を中心とする。−−神によって「ある人の苦しみによって別の誰かが幸せになる」
と設定され、それを知ったマリーは自ら進んで身代わりになる。−−他の曲にも、関係あるような無いような思わせぶりな歌詞がちりばめられている。
物語は、事実上のアルバムラスト曲(11)[SM作家]にてループする。この歌では、恋人同士であるSMダンサーとSM作家が事件に巻き込まれる。作家は、いままでダンサーに迷惑をかけ続けたことを悔い、「人生に1度くらいは人の役に立ちたい」
と、ダンサーを逃がすために自ら死を選ぶ。その後、この作家の遺稿が[身代わりマリー]として出版され、この歌の中で大槻が内容を読み上げる。
しかけ自体はそれほど深いわけではないが、大槻の語りのパワーと、それを支える演奏の質によって、快感きわまる作品になっている。
コア=パンク色の強いアップ曲。意味もなく「猫!猫!猫!猫!(犬!犬!犬!犬!)」
と叫ぶ大槻は素敵だ。野太い声でレスポンスを返すバンドメンバーも大活躍。
演奏は、ベーとギターのリフがメインで、その上で大槻が叫びまくり、ドラムがフィルしまくる。ドラムフィル、特に猛烈に強く叩くハイハット(ライドか?)がカッコイイ。最初のブレイクのあとの金物の叩き方は最高!
間奏部分になると、唐突にギターが止み、エディのピアノがフィーチャーされる。分厚いマイナーコードでのパーカッシブな演奏(マタンゴの間奏を超えるか?)。−−8小節後にはギターが戻ってきて、低音でリフを再現する。このタイミングのテンションの高さは比類だ。
(初回プレス版には、(13)として[アベルカイン〜かわいいバージョン]が入っている。別にカワイイわけじゃなくて、アレンジは同じ方向だが、一部のみ歌詞が違う。こちらのバージョンの間奏部分での「あ〜やっぱり疲れる。一杯やろう…」
というサラリーマン歌詞は、いまやサラリーマンの身である私によく沁みる…)
リフがハードロックしているのを除くと、どことなくボウイ(日本のバンドのほう)みたいな響きを感じる。サビもメロディアスな強いロック。
…だから、全体としては大槻には全然あってないのだが、曲とアレンジが良いので乗り切れる。−−ボーカルには音程補正とか入れているのかな?
(余談)
ピアノの蓋を開ければすぐ分かることだが、実は弦は1種類ではない。私の家にあったアップライトの小さなものでも、低音と中音と高音の3種類がある。低音弦はベースギターよりも野太い一本弦(巻き)で、かなり強い箱鳴りノイズを巻き起こす。
エディは、この低音の響きの生かし方が上手い。
唯一の内田雄一郎作曲。ベースのフレーズを前面に押し出した5拍子Jazz風プログレ色ハードロック。ベース自体のフレーズも綺麗だが、これの上にエディが載せたピアノの不協和音のパーカッシブな使い方が非常に上手い。間奏部分のサックスやフルートも、楽しい演出だ。
(あ、この曲もメロディ難しいな。やはり大槻に音程補正か?)
この歌では、美少年で探偵でサディストな男が、とある女(マリー)を拷問に掛ける」。−−このキャラクターって、手塚キャラのロックだと思う。
超ハードロックバラード!
音楽は、Aメロ-サビの繰り返し。−−大槻がこんな綺麗なメロディを歌いこなせるとは思わなかった! 音程移動は少ないが、かなり泣けるフレーズになっている。
歌詞も泣ける。
少女は自殺を決意したが、飛び降りる寸前に友人に説得され、思いとどまる。しかし、その《思いとどまった》ことでさらに追い詰められ、「今度こそ」と屋上に上がる。
このつまらない自虐感を、ハードロックの持つ様式美とエディが持ち込むピアノフレーズで、耽美に秀麗に聞かせ切る。名演奏です。
インストゥルメンタル。A-B-A-B-B'の単純構成を基礎とする。
AとBの対比が美しいわけだが、それでもやはりAのリフを強く評価したい。この音を出せることこそがロックの素晴らしさだ。
唯一の大槻作曲。テレパシーで交信しあう恋人の歌。だがもちろん、それは男の勘違いなのだろう。
歌詞の断片化が好きだ。
ツー 2人は ツー 痛みも ツー 涙も ツー つながって
演奏は、ピアノの綺麗なマイナーコードを前面に出してバラードアレンジになっているが、ギターの激しいリズムカッティングを基調としたメタル。カッティングのミュートの味が大好き。
最後のループでは、ギターの音バンラスを低くして、唐突にシンセサイザーの白玉が入り込む。こういう展開は私のツボで、かなり涙できる。
断言できる。この楽曲は、規模こそ違えど、[いくぢなし]に匹敵する名演奏だ。
叩きまくるドラムソロから入って、イントロは5拍子のメタルリフ。
Aメロ部分は、見事な8beatのメタル。
(続くA'部分では、同じテンポでドラムが16を叩く。シャカシャカなりまくるハイハットがカッコイイが、生演奏だと1人では絶対叩けない。レコーディングでの最高演出だ。)
Bは小さなブリッジ。エディがオルガンにチェンジして、そのままサビになだれ込む。−−この部分は演奏的には普通。
A-A'-B-Cを2コーラス繰り返したあと、突然演奏は止み、ピアノのみが強烈なブロックコード中心のリフで6拍子を提示する。ここでSM作家は死に、その死後について大槻がモノローグする。
8小節後にドラムが入る。−−1でバスとオープンハイハットを強く叩く。その響きが非常に魅惑的。−−次の8小節ではベースが入り、大槻の喋りの熱が“うなされ状態”まで高まる。
感極まったところでギター乱入。たっぷり歪んだギターがゴリゴリとパワーカッティングのリフを提示し、演奏を締める。エンディングだ。バンドメンバー全員で叫ぶ。
wanna be your dog、wanna be your god!
この楽曲は、規模こそ違えど、[いくぢなし]に匹敵する名演奏だ。−−惜しむらくは1点のみ。このギター乱入によって、イントロと同様の5拍子になったほうがカッコよかったと感じる。
エディのピアノが暴れ、ドラムが暴れ、ギターとベーがリフを弾き、大槻が叫ぶ。それだけの曲。しかし、キレがよく、テンションが高く、技術の裏づけが高い。−−これこそが特撮のカッコよさのすべてだと断言していい。
(アベルカインとこの曲は、特撮というバンドのテーマ曲だと思う。本来は、全アルバムをこれらの楽曲で始め〜終わって欲しいくらいだ。)
2ndアルバム[ヌイグルマー]は、私はそれほど好きではない。演奏が悪いわけではないが、どうも悪い意味で似かよった曲が多く感じる。ストーリーも練られていない。
ひょっとして…大槻が歌ヘタなのを忘れて、メロを作り過ぎたのかも。−−バーバレラやトンネル=ラブなんか、歌が難しすぎだし、構成複雑すぎ。カッコイイけど、死んでいる。
通して好きなのは、[戦え! ヌイグルマー][爆弾ピエロ]かな。上の2曲は、パーツは好きだが、全体のバランスに難アリ。
81年作品。もともと実家にLPがあって(母の所有物)、よく聞いていた。他のアルバムを知らないのだが、これは傑作だと思う。歌詞もメロディも歌い方も演奏も、どこをわっても妖艶だ。
(補足:当時の陽水のインタビュー? googleで検索していたら出てきた。)
情熱のジルバ。
AメロもBメロ綺麗で、その2つの対比も非常に綺麗。なによりも歌詞が綺麗だ。「君に寄せる愛はジェラシー」
「ワンピースを重ね着する君の心は 不思議な世界をさまよいあるいていたんだ」
なんてセリフは、大人の詩人でないと思いつかない。むせ返るほどの深い色気だ。
アレンジも、スパニッシュなギターとピアノのリズムが中心で、贅沢に控えめにストリングスが入っている。間奏部分でシンセサイザーが猛烈に鳴る部分だけ、微妙にチンケ−−といってもフレーズが素晴らしいのでズっこけたりはしない。
3連の4拍子。マイナー基調の綺麗だけど不思議なメロディーと、独特の悲しい響きをもった空気感。このアルバム一番の傑作だと思う。
この曲の展開は非常にエッチだ。いやらしい。官能の極地。
Aメロでは、スネアを鳴らさずに前ビートで、メロをしっとりと聞かせる。動きの大きな綺麗なメロで、「君の恋など醒めたらしい 雨の上がったこの街」
という鋭い言葉を届ける。
Bメロではスネアがビートを動かす。歌も一転して(メロを捨てて)リズムに走る。2音程を8分で刻むだけのロックなフレーズを、陽水の2声のコーラスが響き良くぶつける。−−ギターが弾く対メロも素敵。
5小節目からタムのフィルでリズムをさらに圧迫し、6小節目でようやくメロが動いてフレーズを作る。6小節目4拍にてタイトルである「海はどうだ」
を届けたところで盛り上がりは絶頂に達し、演奏は完全に休止する。
7〜8小節目は、白玉シンセ=ストリングスが微小音からだんだんとグレッシェンドしてきて、余韻をかたどる。−−ひょっとするとギターのフィードバック音にコーラスを掛けたものかも。
−−上で紹介したサイトによると、陽水は詩人友部の歌詞「海はどうだ」
に衝撃を受けたようだ。このメロもアレンジも、この部分の衝撃を120%活かしている。胸が張り裂けるほどテンションがあがる。息を詰めて聞いてしまう。かっこいい。すばらしき職人の技だ。
間奏をはさんで3番までリフレインしたあと、スキャットによる後奏に入る。このスキャット(ウ ウーウ ウーウ オーオ!
)のフレーズも無類の美しさだ。
イントロとサビを兼ねているフレーズ(ヒュルル ヒュールルー
)が鮮烈ですなあ。このムーブメントが鮮烈だから、やはりAメロはドラムが休止しながら綺麗なメロディを聞かせるようにアレンシされている。
−−上記サイトによれば、この歌は森進一も歌ったようだ。たしかに演歌としてもアレンジしやすいようになっていると思うが、このアルバムのアレンジと陽水の声で届けられる限りは、カンタータとして協会で歌えるような美麗なアリアだ。
エレキギター中心で、ロックのパロディーみたいなアレンジになっている。歌詞もサイケデリックで、「俺はキャッチコピーだ」
「誰がミックジャガーだ」
などとなっている。
万が一陽水が歌っていなければ、非常に駄曲だと思う。ところが、陽水の歌唱力でやられると、強烈なロックへの当てこすりに聞こえる。この声で「これがロックビジネス」
とまで言われれば、恐れ入って感心するしかなくなってしまう。−−歌唱力はすべてを超える。
イントロの済んだアルペジオと高音ベース、その後のギター(2声でオーギュメントフレーズをハモっている)を聞いていると、非常にサイケ=プログレのような印象を受ける。
実際には、そのあと入ってくるのは、ボブ=ディランのようなフォークギターのカッティングと、それに乗るブルージーなギターソロ(これもフォークギターだ)。歌も、初期の陽水っぽいフォークだ。
アレンジが秀逸で、抑え目にラテン=パーカッションを使ったり、ブルースハープに対メロを入れさせたりして、フォークの泥臭さを感じさせなくしている。
歌詞も好き。−−一見幸せなのに、メロがすべて寂しげで、聞く心を複雑にさせる。
もうじき夏がくる 思い出つれてくる 浮きぶくろと貸し切りバスに乗って
夏にはふるさとが ひび我ふるさとが おまつりへと カネやタイコで誘う
B面1曲目は、非常に美麗なポップソング。綺麗にサスティンがかかったエレキギターのソロが(歪まずに)綺麗なフレーズを引き終わると、クリアーなフォークギターのカッティングだけの音場のうえで、陽水の声が2つ踊る。−−bmp120くらいの心地よい16beat。
青い星空までムスタングでゆくよ
君は悩ましげに道すがらを眠る
AメロBメロを経て、16小節目からバンドが入ってくる。この段階で、誰もが歌のとりこになっているはずだ。−−こまかいテクニックの解説はできるが、それをするのが野暮になるほど、説得力のある美麗なメロディと声。
そのままだよ、まだまだだよ、そっと
あの頃から、今までだよ、ずっと
秀逸なメロ、声、そして歌詞。これをハッピーに聞かなかったら、なんと不幸なことか。
サックス中心で、これまたロックなアレンジになっている。(4)はパロディ色が激しかったが、こちらはコード展開の妙を活かすためにブリバリ音な楽器が効果的だから取り入れたのだろう。
これのある意味官能の極地。
イントロはAm7(トニック)で普通の8beatを演奏している。
歌が始まるAメロ頭で突然ブレイクして、全員白玉演奏、しかもF7というハイテンション。それまでミはナチュラルだったのに、突然♭に。陽水は澄んだ声で的確にここを抑える。ところがサックスが中音域のファを白玉演奏してるので、テンションは極限まで跳ね上がる。
4小節で、メロは再びAm7の8beatに戻る。−−この開放による恍惚はすごいよ!
アルバムタイトル「あやしい夜をまって」は、この曲のフレーズから取っている。
Aメロは、シンセ中心のキテレツなアレンジが絶妙。
Aメロ自体が非常に大きなメロディで、2小節単位で細分化するならA-A-B-A'の展開を持っている。このB部分のムーブメントが大きくて、これだけで十分1曲になっている。
サビメロに入ると、雰囲気が一転する。
もちろん、サビ部分が終わると、ふたたびキテレツなシンセが帰ってくる。−−この対比の妙こそが、この楽曲の強みだ。
(余談:この曲のメインフレーズのシンセの音色は、平沢進[サイエンスの幽霊]にも入ってた。非常に郷愁を誘う物悲しい音色だ。)
スローテンポのフォーク。シナトラ風。とくに語る部分はないが、もちろん美麗だ。
スローテンポの美麗な16beat。ブラッシング(かシェーカー)による柔らかな16の提示と、シロフォンによる対メロディの響きで、ほどほどに南国感を演出している。歌メロからもゆったりとしたリラックスムードが漂う。
歌詞も甘い。というか、甘すぎる。作詞を見たら松本隆だった。−−歌詞カードに英語spellが出てきるけど、陽水は日本語発音で歌っている。その違和感で「これは他人作詞だな」とまざまざと感じる。
とはいえ。やっぱ綺麗だなあ。
(追記:2009年9月12日:これは水谷豊に提供した曲のようだ。)
(録音としてはトラック10のお尻)
ピアノと陽水の声1本だけによる小曲。ノン=エフェクトなので、さらに声の綺麗さを確認できる。
(アルバム内では、適度なリバーブとコーラスでいじってある)。
[calender]
最近は表に出ないこともあり、iTMSで断片的に音楽を買っています。
[wouldn't it be nice]はいまでもドゥーワップコーラスアレンジの直線ポップスのなかで美No.1だと思います。
フルメタルパニック! のOP/EDですな。伸びやかな声でとても好きです。アニメ見たことない人も、ぜひ[南風]はお試しあれ。
仮面ライダー電王ですな。introに「時の列車デンライナー…」
のナレーションが入らないのが不満だったりしますが…
Zappaの未発表ライブ数曲+家族の曲。なんでこんなパッキングの発売を続けるんだろう?
この曲はギターインスト。感触は【jazz from hell】の[St. Etienne]に似てる。非常にゆったりしたリズムのうえで、ちょっと軽く歪んだギターが暴れまくる。
(なお、iTMSでは、これらの変なコンピのほかは、beat the bootだけ買える。シリーズIIIが最近置かれたが、演奏日とかの情報も良く分からないし、しょせんはブートあがりだし、買う予定はいまのところない。)
ジュエルペットは2009年4月より放送の子供向けアニメ。−−OPを浅香結が歌っていて、それもまた80年代テイストで神がかっているのだが。
EDの神がかりかたが凄い。なんという安定感。曲は新しいのに、異様なまでに懐かしい。テンポも早くメロも流れていくのに、自然に心に残る。
「このマジックはどこから生まれるんだ? メロか? コードか? 黄金期の魔法少女唄に則っているのか?」
歌い手に正体があったようだ。−−堀江美都子。代表曲は[キャンディキャンディ][花の子ルンルン]。その人が歌うと、こんなマジックが掛かるのか。専業は凄いね。
今年アニメ。唄だけ選ぶなら、4月シーズンはタユタマが、7月シーズンはプリンセスラバーが素晴らしい。
中身に踏み込んだりすると描くことが多すぎて面倒なので略。ほかにもいろいろ見てるけど網羅してるわけじゃないし。アニメ・特撮に広げたら、1話2話で脱落したものもあるし。−−ちなみにタユタマは途中脱落しました。唄は好きなんだけどねー。
[calender]
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