【ネコとか唄とかそんなもの。】

2010年10月 21-31日

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2010年10月24日(日)

10/24●印税10%で、版元の取り分は東京ドームなんごぶん?review

概算してみました。自分が分かる世界=PC技術書で、紙の本で、あくまで概算です。間違ってたら直します。

‖仕様:
  • 256pp2C、定価2000円(0.2万円)、巻きカバー+1Cオビ
  • 初版1万部刷り、印税保証部数8割(実売に関係なく8000部分の印税を支払う)
  • 印税10%
  • 執筆期間は3ヶ月
  • 1年で6000部売れた、ここで賞味期限切れ、増刷なし(追記:いま返品率平均40%らしいので →出版状況クロニクル29(2010年9月1日〜9月30日)
‖取り分:
  • 著者:160万円(0.2万円*8000部*10%)保証分/3ヶ月
  • 流通:360万円(0.2万円*6000部*30%)実売/1年
  • 書店:120万円(0.2万円*6000部*10%、これ、全書店合計ですよ)実売/1年
  • 版元:600万円(0.2万円*6000部*50%)実売/1年

こっから経費がかかる。流通はトラック代や倉庫代、書店は土地代、寝かしている間に消える金額。それぞれに人件費。etc。

‖出版社の制作費:
  • DTP:100万円(含むイラストや図版の作成)
  • (添付イラストが必要な場所を考えたりするのはPC書ではふつうは編集の仕事で、「考える」は編集費・人件費に入れときます。技術的な解説図は、下書きを著者さんがしてくれますが、足りない部分は編集で足したりします。→d:2010-06-22
  • 装丁:20万円(含む表1素材、ただしこれ 安く叩いた場合)
  • 印刷:275万円(含む刷版・製本・紙代、ただし紙質による)
  • 編集費・人件費:75万円
  • (編集の3ヶ月の給料換算で、営業さんの分も含んだことにする:通常の計上よりかなり低く設定、ふつう1ヶ月100万)
  • 小計:470万円

追記:保証印税分のアシを忘れていました。)

保証印税分の差額持ち出し:40万円(0.2万円*2000部*10%:版元の利益から出す)

版元の純利益:90万円/1年

印税10%て、版元、ボってますかね? 1年リスクとった結果で、こんなもん。純利益合計でも著者さん取り分の半分くらい。

つうても、企業としての人件費1ヶ月100万円で計上すると、赤字なわけですが。やっぱ返品4割はキツいなあ。

(細かく言うと、自社倉庫代や廃棄代もかかりますが、個別に計算できるものではないので省略。同様に、営業さんも同時に何冊も抱えて回るので、上記で略計上。)

(編集期間は、発注〜回収の間=執筆中の相談、権利チェックや処理代行、実制作業務での数冊並行も加味して、まあ概要で。ちなみに仕事内容はこんな感じ→d:2010-06-22


書店さんは土地代大変だろうし、流通も運搬コストって安くないだろうし。とくに誰もボってなくて、安定した割り分の結果で業界できてると思うですよ。てか書店さん取り分少ないわー。

‖免責:

なお、デジタル本だとなにが正しいかは、わたしは分かりません。なんせ2005年に鬱病で引退していて、現状の出版業界を知らないし、デジタル本はおろかWebメディアにすら係わっていません。

さらにいえば、技術書以外は分かりません。10万部刷れる世界も分かりません。雑誌も分かりません。文芸もマンガも分かりません。音楽や映画はもっと分かりません。念のため。

10/24●「印税10%横並び」って、不当カルテル?review

‖新人とベテランのケース:

私個人は、「ベテランでも新人でも印税10%」て、平等でいいと思う。結果は部数で出す=読者が評価する。内容が良くて、たくさん売れたら、新人でもベテランでも儲かる。実力主義。

逆に、「あなたは新人で実績がないから、印税5%からスタートね」あるいは「ぜひウチから出して欲しいので、特別に30%に」とかなったら、出版文化ってかなり酷いものになると個人的には思う。

さらに、定価がそれぞれ違うので、率だけ見ても たいした意味はないと思ったりも。上記のとおり、いろんなコスト面から、紙の場合は10%がバランスがいいのではないかと。

念のため:ふつうの出版契約は、たとえば「10万部を超えたら、それ以降は印税を上げる」てなふうになってることもお忘れなく。部数を見込める作家さんには、ちゃんと還元する仕組みになってます。

(というか、巷にある「出版社は契約を交わさない」という誤解はなんとかならぬものかしら。)

‖出版社ごとの得意分野が違うケース:

あと、これも一部で誤解があるようなので追記すると、ふつうの出版社は、著者との独占契約や拘束はしません。著者さんは、作品内容に合わせて1冊単位で出版社を選べる。A社から本を出していても、B社からも本を出してもいい。

(わたしがいた会社の場合の拘束は、「同じテーマの本は、他社では3年は自粛してね」だけです。具体的には、「UNIXサーバー運用最適化」の本を書いた場合で考えて、他社でOKな例は「Windowsサーバー運用最適化」「UNIX基本コマンド最短学習法」「Word活用術」「Twitterマーケティング」、まあなんでも。)

A社でもB社でも印税率は10%ですが、それぞれの得意分野やPUSH分野が違うので、A「その企画なら、うちは見込み部数1万冊で乗ります、定価1800円の予定でどうでしょう」B「うちはその棚が不得意なので、6000部スタートでもいいですか? 定価2500円予定で」みたいな差が出る。著者さんは、それを判断して、版元を選んでいい。別にそれで不仲になったりしない。

スタートの印税率が同じだからといって、別にカルテルってことはないと思うのだけども。

‖免責:

繰り返しますが、デジタル本やらマンガやら音楽やらは分かりません。「技術書とマンガで印税が同じでいいの? ほんとに編集の手間は同じ?」とか聞かれても、マンガの世界が分からないので、そこは答えられません。ごめんなさい。

10/24●関連、というか、書いたきっかけreview

これ、というか、これへの一般のかたからの反応を見て。

こちらでマンガ家さんがちゃんと書いてくれているので、まあ引退したとはいえ版元経験ある人間から、情報提供できる範囲でしようかな、と。

とはいえ、DTPやイラストの単価や紙代は、さすがに伏せてるわけですが。そのへんは「お察しください」

10/24●後日書こうと思うものreview

  • 営業さんはどういうプロモートをしてくれるの(1事例)
  • じゃあamazon売りの場合で著者取り分15%だと、出版社の以下略

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